今回HPの【ENVY x360 13-ar0000 Wood Edition】をお借りしました。
HPの大人気モバイルノートに木材を使用した特別仕様モデルが登場!異色のコラボを実現した意欲作をチェックしてみましょう。
スペック
※2020年4月25日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
外観
上質のデザイン&クオリティ
ボディには上質なアルミニウム素材を使用しています。アルミの塊からボディを削りだしているので、継ぎ目のない美しい仕上がりを実現。また、継ぎ目が無いのでボディの剛性も高く、天面加圧試験 300kgfもクリアできるほど頑丈です。
表面には非光沢の梨地加工が施されています。落ち着きのある外観もさることながら、適度に滑らか、しっとり手になじむ上質な触感を実現しています。
デザインのクオリティも高く、直線主体のフォルムにエッジ加工を織り交ぜ、スマートなデザインに仕上げています。
細かい部分の造形美もぬかりなく、スピーカー部はオシャレな幾何学模様で、電源ボタンはLEDラインで装飾されています。このあたりの芸の細かさは、さすがデザインのHPといったところです。
また、手前の部分全体がくぼんだ形に加工されているのもポイント。中央部分のみ加工された前モデルに比べ、ディスプレイの開閉がしやすくなっています。造形美だけでなく、機能性もしっかり考えられているのは◎。
モダンなデザインながら、気品も兼ね備えており、インテリアとの親和性もバツグンです。
パームレストに木材を使用
Wood Editionでは、パームレストに木材を使用しています。レザーを使用したモデルも販売されていますが、木材とはかなり攻めていますね。ここまでやるのはHPくらいのものです。
ぱっと見驚くかもしれませんが、オーディオ機器にも木材を使用したものがあるので、たしかにこれはこれであり。通常モデルに比べ、モダンなイメージに仕上がっています。
材質ですが、天然のウォールナット(くるみ)とのこと。金属にありがちなひんやり感がなく、木のぬくもりがしっかり感じられます。使用する木材は一台一台異なるので、模様は来てからのお楽しみです。
ちなみに、表面はナノコーティングとUVコーティングがされているので、摩耗や汚れに強く、いつも通りの使い方でOK。日々のお手入れは乾いたほこりのない布でそっと拭くだけです。
気になるタッチパッドの操作性ですが、まさに木材そのものといったところで、ざらついた感じです。スムーズな操作性を求めるなら通常モデルがおすすめですね。
クリックボタンは軽い力で反応し、カタカタと小気味いい操作感となっています。バタつきもなく静かな操作音で、完成度はとても高くなっています。
持ち運びに最適なコンパクトボディ
ボディサイズは、持ち運びしやすいということで人気沸騰中の13インチボディです。
ディスプレイのベゼル(ふち)をスリムにすることで、横幅と奥行きを圧縮し、この通りA4ファイルサイズよりもさらに小さいサイズを実現しています。ふちが狭いと見た目の野暮ったさがなく、スタイリッシュなイメージになるのも◎。
また、最薄部14.5mmとスリムなので、カバンにサッと入れることができます。さらに重さも実測1307gと理想的な重さに収まっており、片手でラクラク持ち運ぶことができます。
フレキシブルに使える2-in-1タイプ
最近はやりの2-in-1ノートパソコンで、360°回転するコンパーチブルタイプとなっています。
360°回転しタブレットとして、またテント型にして寝そべりながら動画を見るといった使い方もでき、まさにフレキシブル。ヒンジ部分の安定感も高く、無段階稼働で任意の角度にピタッと止まります。
パネル表面はスマホやタブレットでおなじみ、【Gorilla Glass NBT】でカバーされています。一般的なソーダライムガラスに比べ8~10倍の耐久性を誇り、とてもタフ。タッチ操作やペン入力で傷が付く心配はありません。
もちろん操作性も優れており、滑りすぎず確実にタッチ操作ができるのはグッド。
万全のセキュリティ機能
スリムモデルなので、LANポートや光学ドライブは非搭載。
USBは3ポート搭載され、全て大容量給電に対応したUSB3.1 Gen.1規格を採用しています。そのうち右サイドの1ポートは、小型&リバーシブルのType-Cポートとなっています。ポートの数こそ最低限ではありますが、通常タイプのType-Aポートも用意されているので、あらかたの周辺機器を接続できるのがいいですね。
そのほか、microSDスロットも装備しており、普段使うものはしっかり装備しています。なお、HDMIなどの画像出力端子はなく、Type-Cポートから画像出力することになります。
セキュリティ面にもしっかり配慮され、プライバシースイッチを新規に搭載しています。
右側面のカメラのアイコンがプライバシースイッチで、カメラを無効化することにより、盗撮を防ぐことが出来ます。デバイスマネージャー上からカメラデバイスを消去するシステムとなっており、カメラそのものを塞ぐ方式(シャッタータイプ)と同等の有効性を実現しています。
そのほか、キーボードの右下には指紋認証センサーを搭載。
Windows Helloに対応しており、わざわざパスワードを入力することなく、スムーズにログインできる優れもの。生体認証タイプなので、パスワードよりもだんぜん安心です。
ディスプレイ&キーボード
IPSパネル搭載
ディスプレイは13.3インチサイズで、持ち運びに最適なコンパクトさと見やすさを両立した、ジャストサイズです。
解像度は主流のフルHDとなっており、発色&コントラストに優れたIPSパネルを搭載しています。光沢のあるグレアパネルとの相乗効果で、美麗な映像を楽しむことができます。動画鑑賞にも最適ですね。
またIPSパネルは視野角が広いのもポイント。姿勢によって色味が変わらず、様々なモードで使える2-in-1パソコンとの相性はバツグンです。
白色LED内蔵キーボード搭載
13インチのコンパクトボディなのでテンキーレスキーボードを搭載しています。
home・endキーなどが右サイドにまとめられていますが、それ以外の基本的なキー配置はクセが無く非常に素直ですね。キーピッチもしっかり約19mm確保されており、誤爆の心配はまずありません。
キーストロークも深めなので、打鍵感を楽しみながら快適にタイピングできます。ちなみにキーボード面はアルミ製ですが、厚みがあまりないので、剛性は普通レベルといったところですね。
キーボードには白色LEDを内蔵しており、トレンドはしっかり押さえてあります。華やかな輝きで高級感があり、薄暗い場所でタイピングしやすくなるのもいいですね。なお、イルミネーションは2段階+OFFで切り替えることができ、LEDが苦手…という方でも安心です。
サウンドエンジン搭載
デンマークの高級オーディオメーカー”BANG & OLUFSEN”のサウンドエンジンを採用し、なんと4つのスピーカーを搭載。付属アプリで自分の好みのサウンドにチューニングできるようになっています。
内蔵タイプなので低音こそ弱いものの、中・高音域がよく伸び、しまりのある音質も相まって上々のクオリティとなっています。また、サラウンド効果もしっかり効いており、臨場感があるのもいいですね。スピーカー4基の実力は伊達じゃありません。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみましょう。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。


このモデルでは、AMDの4コアAPU・Ryzen 3 3300Uを搭載しています。APUとは、ざっくりいうとCPUと高性能グラフィック機能をひとまとめにしたもの。グレードとしてはベーシックレベルで、インテルでいうとCore i3に相当します。
ワンランク上のモデルでは4コア8スレッドのRyzen 5 3500Uを搭載しており、参考までに比較してみると、シングル性能は約8%差ですが、マルチ性能は約50%と大きく差がつきます。軽作業メインならRyzen 3で十分ですが、動画や画像編集などヘビーな作業でも使うのであれば、スレッドの多いRyzen 5がおすすめです。
PCMark 10
【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測るソフトです。
ブラウジングや各種編作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、しっかりクリア。ベーシッククラスでこのスコアはなかなか優秀ですね。
両者の差は総合スコアこそ7%程度ですが、動画や画像編集などの編集系テスト”Digital Content Creation”ではRyzen 5のほうが約17%性能が高く、ヘビーな作業だとやはりスレッド分だけ有利です。
動画エンコード
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・VCE/QSVでエンコードしています。なお、VCE/QSVはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。VCEはAMD、QSVはインテルの名称です。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | VCE/QSV |
Ryzen 3 3300U | 1:22:20 | 41:38 | 5:28 |
Ryzen 5 3500U | 57:47 | 29:35 | 4:28 |
実戦だとマルチスレッドのRyzen 5が圧倒的に有利。CPU性能が重要になるソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)では約29~30%、ハードウェアエンコードでも約18%ほどRyzen 5の方が早く変換を終了します。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | VCE/QSV |
Ryzen 3 3300U | 2:11:49 | 1:06:50 | 5:19 |
Ryzen 5 3500U | 1:33:20 | 46:52 | 4:24 |
重量級のH.265でも同じような結果となり、ソフトウェアエンコードでは約29~30%、ハードウェアエンコードでも約17%ほどRyzen 5の方が早く変換を完了。Ryzen 5のパフォーマンスの高さが際立ちます。
画像変換
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Ryzen 3 3300U | 3:02 | 8:57 |
Ryzen 5 3500U | 2:38 | 8:27 |
やはりRyzen 5が有利となっており、JPEG変換では約6%差と小さいものの、軽めのDNG変換では約13%の時短効果を発揮します。編集用途ならRyzen 5がおすすめですね。
ドラクエ10
グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 標準品質 | 低品質 | |
HD | 7357 | 8407 | 8931 |
フルHD | 4245 | 5572 | 6551 |
ベーシッククラスにしては内蔵グラフィックの性能が高く、フルHD・標準品質でスコア5500オーバーは上出来。なお、Ryzen 5 3500Uの内蔵グラフィックだと、最高品質でもスコア5500を超え、だいぶ余裕があります。
PSO2
こちらはやや軽めのゲームです。エピソード4にてグラフィック描写が「設定6」に引き上げられましたが、それでもやはり軽いことに変わりありません。スコア4500以上で平均60fpsをキープできます。
設定6 | 設定5 | 設定4 | 設定3 | |
HD | 2778 | 4690 | 5220 | 9717 |
フルHD | 997 | 2879 | 2993 | 4451 |
軽めのゲームではありますがスコアは伸びず、フルHDではスコア4500に届きません。HDでは実用的なラインとなりますが、解像度が低い分グラフィックが粗いので、基本的におすすめしません。
なお、Ryzen 5 3500Uでもあまり変わらない結果となり、やはり内蔵グラフィックには荷が重い感じです。
FF14
おなじみの重量級ベンチマークです。スコア7000以上で【非常に快適】となり、スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
HD | 3054 | 3787 | 4893 |
フルHD | 1643 | 2126 | 2931 |
さすがにこのクラスともなると言わずもがなの結果ですね。オンラインゲームなら最低でもGTX 1050クラスは欲しいところ。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。PCの性能指標として、参考まで。
総合スコア | Graphics Score | CPU/Physics Score | Combined Score | |
Time Spy | 642 | 574 | 1998 | ー |
Night Raid | 6177 | 7800 | 2835 | ー |
Fire Strike | 1761 | 2011 | 5775 | 593 |
Sky Diver | 6245 | 6556 | 5585 | 5306 |
Cloud Gate | 9063 | 14050 | 4042 | ー |
Ice Storm | 67063 | 79509 | 43326 | ー |
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックするソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは256GB SSDを搭載しています。128GBだと実質使えるのは100GB未満と少ないので、256GBあるとやはり安心。なお、SSDは通常のSSDよりも4~5倍速いNVMeタイプを採用しており、メーカーは速度で定評のあるサムスン製となっています。
肝心の速度ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み書きが4ケタをマークし、読み込みにいたっては3000MB/sを超える爆速ぶり。ただ、ランダムは通常タイプに近いスピードなので、ちょっと物足りない感じがしますね。ともあれ、ブラウジングや各種アプリ、ゲームのロードにいたるまでサクサク動き、動作そのものはとても快適。
温度
ドラクエ10実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
ベーシッククラスのAPUということもあり、ピーク時で60℃半ばと低めの温度をキープ。冷却面は万全ですね。
ちなみに、長時間負荷がかかる作業をする際には、付属アプリで調整するのもあり。
動作音
FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ


ピーク時で51.5デシベルと50デシベルをやや上回るレベルに収まっており、わりと静か。ファンは高速回転していますが、それをあまり感じさせないのはいいですね。
なお、最小時は45.9デシベルとありますが、アイドル状態なので、ほぼ無音です。
バッテリー持続時間
モバイルノートということで、「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:HP推奨、より良いバッテリー
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
モバイルノートなら10時間以上が理想的ですが、結果は約8時間30分と10時間に届かず、ちょっと物足りない感じ。性能が高いRyzenですが、インテルCPUよりも仕様上のバッテリー持続時間が短く、唯一の弱点となっています。
悪くはないのですが、特にバッテリーの持ちを重視するなら、インテルCPU搭載モデルがおすすめです。
まとめ&関連モデル
無機質になりがちなパソコンですが、木材を使用することでぬくもりが感じられるようになり、上手いことマッチしていますね。
デザインから機能面にいたるまでトータルの完成度も非常に高く、価格も6万円台からとコスパもバツグン。フレキシブルに使える2in1モバイルノートならまずおすすめのモデルです!
HP ENVY x360 13-ar0000[スタンダードモデル]
【スペック】
■OS:Windows 10
■ディスプレイ
13.3インチ フルHD グレア IPS タッチ対応
■CPU:Ryzen 5 3500U
■メモリ:8GB(DDR4-2400)
■グラフィック:Radeon Vega 8(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 256GB(PCIe NVMe)
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ワンランク上のRyzen 5 3500Uを搭載したモデル。動画や画像編集をやる機会が多い方におすすめです。
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