今回HPの【ENVY x360 13-ar0000】をお借りしました。
プレミアムモデル”ENVYシリーズ”の13インチ2-in-1ノートがリニューアル!AMDの最新Ryzenシリーズを搭載した、HPの大人気モデルをチェックしてみましょう。
スペック
※2019年9月4日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
外観
上質なデザイン
前モデルの良さはそのまま、さらにブラッシュアップされています。
ボディの素材は引き続き上質なアルミニウム素材を使用しており、表面の処理は非光沢の梨地仕上げとなっています。落ち着きのある外観もさることながら、手にしっとりとなじむ上質の感触も相まって、高級感がありますね。
直線主体のフォルムにエッジ加工を織り交ぜた、飽きのこない洗練されたデザインも健在。深みのある”ナイトフォールブラック”もバッチリ決まっており、パソコンというより、一種のオブジェクトのようです。
ちなみに前モデルでは、ヒンジ部分が”ダマスカス鋼”の模様で装飾されていましたが、新モデルでは省略されています。見た目のインパクトは弱くなりますが、全体的にスッキリしたイメージになり、統一感という点では新モデルのほうが上です。
細かい部分の造形美もぬかりなく、スピーカー部はオシャレな幾何学模様で、電源ボタンはLEDラインで装飾されています。このあたりの芸の細かさは、さすがデザインのHPといったところです。
なお新モデルでは、手前の部分全体がくぼんだ形に加工されています。中央部分のみ加工された前モデルに比べ、ディスプレイの開閉がしやすくなっています。造形美だけでなく、機能性もしっかり考えられているのは◎。
持ち運びに最適なコンパクトボディ
ボディサイズは、持ち運びしやすいということで最近人気の13インチボディです。
前モデルもかなりコンパクト&スリムでしたが、さらに進化。横幅は3mmコンパクトに、厚さは1.5mm(最大)スリムになり、より携帯性が高くなっています。もちろん、A4ファイルサイズよりも小さく、カバンにサッと入れることができます。
サイズもさることながら、重さも実測1276gと前モデルから約30g軽くなり、持ち運びはラクラクです。
フレキシブルに使える2-in-1タイプ
最近はやりの2-in-1ノートパソコンで、360°回転するコンパーチブルタイプとなっています。
360°回転しタブレットとして使えるだけでなく、テント型にして寝そべりながら動画を見る、さらにスタンドモードにしてイラストを書くといったフレキシブルな使い方ができ、とても便利です。
パネル表面はスマホやタブレットでおなじみ、【Gorilla Glass NBT】でカバーされています。一般的なソーダライムガラスに比べ8~10倍の耐久性を誇り、とてもタフ。タッチ操作やペン入力で傷が付く心配はありません。
もちろん操作性もバツグン!とても滑らかな仕上がりで、スクロールやタッチ操作はとてもスムーズ。クセになる感触といってもいいくらいのレベルで、ミドルクラスモデルにしてはかなり完成度が高いです。
コンパーチブルの肝と言えるヒンジですが、頑丈に造り込まれ、無段階稼働で任意の角度にピタッと止まります。ヒンジは無骨なものではなく、ボディのイメージににあわせた、美しいデザインに仕上げているのもいいですね。
もちろん、キーボードを180°以上回転させるとキーボードが動作しなくなるので、誤操作の心配もありません。
ポイントをおさえたインターフェース
スリムモデルなので、LANポートや光学ドライブは非搭載。
USBは大容量給電に対応したUSB3.1 Gen.1規格で、全3ポート搭載されています。そのうち右サイドの1ポートは、小型&リバーシブルのType-Cポートとなっています。
もちろん通常タイプのType-Aポートも用意されているので、ポートの数こそ最低限ではありますが、あらかたの周辺機器を接続できるのがいいですね。
そのほか、SDスロットや画像出力用のHDMIポートも完備するオールインワン仕様で、さらに新モデルではプライバシースイッチを新規に搭載しています。
右側面のカメラのアイコンがプライバシースイッチで、カメラを無効化することにより、盗撮を防ぐことが出来ます。デバイスマネージャー上からカメラデバイスを消去するシステムとなっており、カメラそのものを塞ぐ方式(シャッタータイプ)と同等の有効性を実現しています。
ディスプレイ&キーボード
ディスプレイやキーボードの完成度は前モデル譲りで、とてもハイクオリティ。
IPSパネル搭載
ディスプレイは13.3インチサイズです。ワンランク下の11インチサイズとは違い、窮屈な感じが無く、視認性は段違いです。モバイルノートならやはり13インチですね。
解像度は主流のフルHDで、IPSパネルを搭載しているのがポイント。高発色・高コントラストで美しい映像を描写できる優れものです。光沢のあるグレアパネルとの相乗効果で、動画鑑賞にも最適。
またIPSパネルは視野角が広いのもポイント。姿勢によって色味が変わらず、様々なモードで使える2-in-1パソコンとの相性はバツグンです。
もちろんディスプレイのベゼル(ふち)はスリム仕様となっており、野暮ったさが無くとてもスタイリッシュ。
白色LED内蔵キーボード搭載
13インチのコンパクトボディなのでテンキーレスキーボードを搭載しています。
横幅をしっかり活用し、右端にはhome・endキーなど+αのキーが配置されています。HPらしく、配置そのものはきっちり整然と並べられ、クセが無く非常に素直です。
またキーピッチはさらに拡大され、約19mmとデスクトップキーボード並みの感覚が確保されており、誤爆の心配はまずありません。
キーストロークも変わらずノートPCにしては深めなので、打鍵感を楽しみつつ快適にタイピングできます。キーボード面の剛性も高く、タイピング圧力強い方でも安心して使えます。
キーボードには白色LEDを内蔵しており、トレンドはしっかり押さえてあります。華やかな輝きで高級感があり、薄暗い場所でタイピングしやすくなるのもいいですね。
ちなみに、イルミネーションは2段階+OFFで切り替えることができ、LEDが苦手…という方でも安心です。
スムーズなタッチパッド
タッチパッドの完成度も高く、幅広仕様なので操作性にゆとりがあります。また、つるつるした材質になっており、カーソル操作も非常にスムーズ。
また、クリックボタンもバタつきなく軽い力で反応し、動作音も小さく操作感はバツグン。キーボード・タッチパッドともによく使うだけあり、この完成度の高さは嬉しいですね。
指紋認証センサー搭載
カメラのキルスイッチだけでなく、指紋認証センサーも新たに追加されています。場所はキーボードの右下です。
Windows Helloに対応しており、わざわざパスワードを入力することなく、スムーズにログインできる優れもの。作業効率もぐっと上がります。
サウンドエンジン搭載
デンマークの高級オーディオメーカー”BANG & OLUFSEN”のサウンドエンジンを採用し、なんと4つのスピーカーを搭載。付属アプリで自分の好みのサウンドにチューニングできるようになっています。
内蔵タイプなので低音こそ弱いものの、中・高音域がよく伸び、しまりのある音質も相まって上々のクオリティとなっています。また、サラウンド効果もしっかり効いており、臨場感があるのもいいですね。スピーカー4基の実力は伊達じゃありません。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみましょう。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト「CINEBENCH」で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。


このモデルでは、AMDの4コア8スレッドAPU【Ryzen 7 3700U】を搭載しています。APUとは、ざっくりいうとCPUと高性能グラフィック機能をひとまとめにしたもの。グレードとしてはハイスペックレベルで、インテルでいうとCore i7に相当します。
クセのあるテスト結果となり、マルチ・シングル性能ともに伸び悩んでいますね。下位モデルで搭載されている、4コア8スレッドのRyzen 5と比較してみると、シングル性能が大幅に落ち込んでいることがわかります。
以下のテストでも同じく十分なパフォーマンスが発揮されていないため、あくまでも参考程度にご覧ください。
Ryzen 5 3500Uの性能はこちらをチェック

PCMark 8&PCMark 10
【PCMark 8】は動画再生やブラウジング、ビデオチャット、画像・動画編集など、一般的なノートパソコンで想定される用途での性能を測るソフトです。
スコアがいまいち伸びませんが、スコアそのものは現行の標準的なノートパソコンをしのぐ性能となっています。重量級の動画・画像編集テスト【CREATIVE TEST】でもスコア5000近くのハイスコアをマークしており、その実力はホンモノです。
グラフを見るとわかりやすく、いずれのテストでも現行ノートに比べ頭一つ抜けています。
あわせて上記のテストを一元化した【PCMark 10】のスコアもチェックしてみましょう。
ブラウジングや各種編作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、しっかり超えており、まさにオールラウンダーの性能です。
十分なスコアをマークしていますが、Ryzen 5とほぼ同じか低いスコアで、やはり物足りないですね。
動画エンコード
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・VCEでエンコードしています。なお、VCEはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のことです。
2Pass | 1Pass | VCE | |
H.264 | 1:21:49 | 41:27 | 11:58 |
H.265 | 2:19:00 | 1:10:05 | 12:06 |
ハードウェアエンコード(VCE)は特に問題のない速度ですが、CPU性能が重要になるソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)は特に遅いです。Ryzen 5やCore i5の方が圧倒的に早い…
画像変換
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG |
2:35 | 9:19 |
軽めのDNG変換はともかく、JPEG変換で9分台は時間かかりすぎですね。動画・画像編集ともに負荷の高い作業で重くなる傾向にあり、全くあてにならない結果です。
ドラクエ10
グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
結果はフルHD・最高品質でスコア5902(快適)をマーク。さすがAPUというべきパフォーマンスで、インテルの内蔵グラフィックとは雲泥の差です。
ただ、最上級の【Radeon RX Vega 10グラフィック】にしてはイマイチ伸びず、やはり物足りないです。。
一応他のゲームもチェックしてみましょう。
PSO2
軽めのオンラインゲームです。スコア4500以上で平均60fpsをキープできます。
いずれも設定3となりますが、フルHDではスコア4107、ワンランク低いHDではスコア6048をマーク。やはり伸びないです…Vega 10グラフィックならフルHDは死守して欲しい。
FF14
ゲーミングPC業界において、「標準ベンチマークソフト」ともいえるFF14ベンチマーク。スコア7000以上で【非常に快適】となり、スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。
ゲーミングPCが必須になるレベルのゲームなので、HD・標準品質までガッツリ下げてもスコア2803(やや快適)どまりです。一応動きますという程度。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。PCの性能指標として、参考まで。
総合スコア | Graphics Score | CPU/Physics Score | Combined Score | |
Time Spy | 830 | 754 | 1940 | ー |
Night Raid | 5850 | 6987 | 3044 | ー |
Fire Strike | 1601 | 1874 | 6057 | 501 |
Sky Diver | 6081 | 6486 | 5434 | 4719 |
Cloud Gate | 9171 | 13578 | 4294 | ー |
Ice Storm | 48776 | 72454 | 22753 | ー |
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックするソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは大容量の512GB SSDを搭載したシングルストレージ構成となっています。ノートパソコンにしては容量が多めなので、動画や画像などデータ類を多めに保存することも出来ます。
SSDは通常のSSDよりも4~5倍速いNVMeタイプのSSDというこだわりようで、メーカーはノートでよく見かけるSK hynixのものを採用。肝心の速度ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み込みが3000オーバー!書き込みもコンスタントに1000を超える爆速ぶり。
ランダムがちょっと振るわず、中の上クラスのSSDといったところですが、SSDともなると数値の差をほとんど体感できないので、さほど気にする必要はありません。実際、ブラウジングや各種アプリの動作、ゲームのロードにいたるまでサクサクで快適そのもの。
温度
FF14実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
4コア8スレッドの高性能CPUで発熱が心配になりますが、およそ60℃台の低い温度をきっちりキープしており、冷却性能は上々です。
負荷がかかる作業をする際には、付属のファンコントロールアプリで調整するのもあり。
動作音
FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ


50デシベルを下回るとだいぶ静かなのですが、ピーク時で51.2デシベルとオーバーしてしまいました。それでもやや上回る程度なので、それなりに静か。ファンは高速回転していますが、耳障りな感じはせず、さほど気になりません。
なお、最小時は45.9デシベルとありますが、アイドル状態なので、ほぼ無音です。
バッテリー持続時間
モバイルノートということで、「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。
条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:バランス、より良いバッテリー
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
前モデルからやや改善されているものの、結果は約7時間とそれなりに持つといった印象です。バッテリーの持ちを重視するなら、上で紹介したサーマルプロファイルの【静音モード】にするのがおすすめ。
まとめ&関連モデル
美しいデザインと高い質感はそのまま、性能&機能面が強化され、さらに使いやすいモデルへと進化しています。価格もキャンペーンで非常に安くなっており、コスパは◎。2in1モバイルノートならまずおすすめのモデルです。
HP ENVY x360 13-ar0000[ベーシックモデル]
【スペック】
■OS:Windows 10
■ディスプレイ
13.3インチ フルHD グレア IPS タッチ対応
■CPU:Ryzen 3 3300U
■メモリ:8GB(DDR4-2400)
■グラフィック:Radeon Vega 6(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 256GB(PCIe NVMe)
■【キャンペーン中】89,800円(税込)~
最新のCore i3よりも約30%性能が高いRyzen 3を搭載。8GBメモリに256GB SSDを搭載し、SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプを搭載するこだわりよう。ブラウジングやオフィス作業も快適にこなせます。
HP ENVY x360 13-ar0000[スタンダードモデル]
【スペック】
■OS:Windows 10
■ディスプレイ
13.3インチ フルHD グレア IPS タッチ対応
■CPU:Ryzen 5 3500U
■メモリ:8GB(DDR4-2400)
■グラフィック:Radeon Vega 8(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 256GB(PCIe NVMe)
■【キャンペーン中】99,800円(税込)~
Ryzen 5はRyzen 3の倍となる、4コア8スレッドのAPUで、動画や画像編集など負荷の高い作業におすすめ。大容量の8GBメモリに256GB SSDを搭載し、各種タスクをサクサクこなすことができます。基本的にはこのモデルで十分!
なお、このモデルではSSDの容量を増やすことができます。
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