今回HPの【HP ENVY x2 12-g000】をお借りしました。
プレミアムライン”ENVYシリーズ”の12.3インチ2-in-1ノートで、唯一の分離タイプモデルとなります。LTEモジュールを内蔵し、使い勝手に優れたモバイルノートをチェックしてみましょう。
スペック
※2019年3月23日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
ディスプレイ&キーボード
プレミアムモデルらしく、タブレット・キーボードいずれも完成度が高くなっています。それぞれチェックしていきましょう。
タブレット
洗練されたデザイン
ボディは12.3インチサイズとタブレットにしてはやや大きめですが、幅は293mmとA4用紙よりコンパクト!
さらに、厚さ8.5mm、重さ783g(実測)のコンパクト&軽量ボディになっており、カバンにサッと入れて持ち運ぶことができます。なお、キーボードカバーは456g(実測)なので、両者を合わせて1239gとセットでも軽くなっています。
もちろん質感も高く、表面には非光沢の梨地加工を施し、手にしっとりとなじむ上質なさわり心地を実現。ナチュラルシルバーのクールな色合いも相まって、洗練されたイメージに仕上げています。
単調になりがちなタブレットですが、ワンランク上のクオリティにきっちり仕上げる仕事ぶりは、さすがHPといったところですね。
IPSパネル搭載
ディスプレイは11.6インチのワンランク上となる、12.3インチサイズを採用しています。その差は1インチもありませんが、ゆったりとした画面サイズで、数値以上の違いを実感できます。普段使いならこのサイズは最低でも欲しいところですね。
ディスプレイ解像度はWUXGA+(1920×1280)となっています。やや変則的ながら、フルHDよりも高めの解像度なので、より多くの情報を描写することができます。
パネルはコントラストが高く、発色に優れたIPSパネルを搭載。光沢のあるグレアパネルとの相性もバッチリ、美麗な映像を楽しむことができます。また視野角も広いので、姿勢によって色味が変わらないのもいいですね。フレキシブルにつかう2-in-1タイプにはうってつけ!
CORNING GORILLA GLASS採用
このモデルではなんと、【Spectreアクティブペン】がセットでついてきます。1024諧調の高い入力精度と滑らかなディスプレイで、イラスト制作などクリエイティブ作業もはかどります。
なお、ペンは電池式ながらコミコミで約17gと軽く、長時間使っていても疲れにくいのがいいですね。
直接ペンや指で触るだけにキズが心配になりますが、頑丈な【Corning Gorilla Glass】でデコーティングされています。上位のスマホやタブレットで採用例が多く、その実力は折り紙付き。スムーズな操作性と耐久性をしっかり両立しています。
4G LTEモジュール内蔵
あくまでもタブレットなので、インターフェースは小型&リバーシブルのUSB3.1 Gen.1 Type-Cポート×2のほか、microSDカードスロット・nanoSIMカードスロットのみとなっています。
最小限ながら4G LTEモジュールを内蔵しているのが最大のポイント。データ通信SIMさえあれば、いつでもどこでもネット環境を利用できます。フリーWiFiスポットを探す手間が省け、まさにストレスフリーですね。
なお、SIMのサイズは一番小型のnanoSIMで、”IIJmio”のSIMカードが動作検証済みとなっています。SIMカードがセットになったモデルも販売されており、詳しくは公式サイトをチェック!
キーボード
レザー調のキーボード
キーボードカバーはレザー調の素材を使用。温かみのある高い質感は、PCらしさを感じさせません。
また、【オックスフォードブルー】なるカラーセンスも◎。グレーに近い渋めのブルーという感じで、知的な感じのする落ち着いた色合いです。ナチュラルシルバーとの相性も良く、高級感もあわせもっています。
なお、カバーにはタッチペン収納用のホルダーが備え付けられています。意外とタッチペンは無くしやすいので、これは嬉しいですね。
安定感バツグン!
タブレットとキーボードを接続するとこんな感じになります。分離タイプなので安定感が気になるところですが、プレミアムモデルなのでその点はぬかりなし。
まずタブレットとキーボードは強力なマグネットでがっちり固定され、ビクともしません。それぞれを近づけるとグッと引き寄せられるほどの強さです。
PCモードのスタンド部分もぐらつくことなく、タブレットをしっかりホールド。見かけによらず、タフに作られています。
英語キーボード仕様
12インチのコンパクトボディなのでテンキーレスキーボードを搭載。キーの種類も最低限となっています。
英語配列となっており、日本語配列のキーボードと配置が違う点に注意!「変換キー」や「無変換キー」は非搭載で、「Enterキー」周りの記号の配置が異なっています。使ったことが無い方は、慣れるまでの辛抱です。
キーボードそのものの完成度は非常に高く、キーピッチは約18mmと余裕があります。キーストロークもやや深めで、内部がアルミニウム素材で補強されていることもあり、高い剛性確保しています。華奢な見た目に反し、タイピングは快適そのものです。
さらにキーボードには白色LEDを内蔵する徹底ぶり。華やかな輝きで高級感があり、薄暗い場所でタイピングしやすくなるのもいいですね。ちなみに、ON/OFFはファンクションキーで切り替えられるようになっています。
スムーズなタッチパッド
サイズの都合上、タッチパッドはやや小さめ。ただ完成度そのものは高く、さらさらした材質となっており、スムーズなカーソル操作が可能です、
また、クリックボタンも軽い力で反応し、動作音も小さく操作感はバツグン。キーボード・タッチパッドともによく使うだけあり、この完成度の高さは嬉しいですね。
フレキブルに使える3つのモード
カバーの折り目を変えることにより、【ノートブックモード】をはじめ3つのモードでフレキシブルに使うことができます。
これはノートブックモードの発展版【リーディングモード】です。ゆったりした角度で動画鑑賞や読書などに最適。キーボード面の設置面積が広く、ひざ上での作業も安定してできます。
こちらはそのまんま【タブレットモード】です。キーボードを取り外すことなくワンタッチでタブレットに移行でき、まさに手間いらず。
サウンドエンジン搭載
デンマークの高級オーディオメーカー【BANG & OLUFSEN】のサウンドエンジンを採用したスピーカーを搭載。付属アプリで自分の好みのサウンドにチューニングできるようになっています。
スピーカーの音質ですが、いかんせんタブレット内蔵スピーカーなので、最低限といったところ。サウンド重視であれば、イヤホン・ヘッドホンは必須!
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみましょう。
CINEBENCH


3Dグラフィックのレンダリングソフト「CINEBENCH」で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。
CPUにはインテルのCore i5-7Y54が搭載されています。いわゆる超省電力版【Yシリーズ】のCPUで発熱が少なく、ファンレス仕様となっています。ファンが無いため、動作時は無音。図書館など静かな場所でも気兼ねなく使えます。
コア・スレッド数は同世代のCore i3-7020Uと同じ2コア4スレッドですが、高負荷時の動作クロックが高く、シングルコアの性能はCore i3よりも約47%高くなっています。
ブラウジングやオフィスソフトなどの基本的なタスクでは、シングルコアの性能が重要になるので、パフォーマンス重視ならやはりCore i5に分があります。
PCMark8
PCMark8は動画再生やブラウジング、ビデオチャット、画像編集など、一般的なノートパソコンで想定される用途での性能を測るソフトです。
グラフを見るとわかりやすいですが、現行の一般ノートとほぼ遜色のないパフォーマンスを発揮します。Core i3には約7~12%の差をつけており、ちょっとした動画・画像編集もこなせる性能です。ファンレスの超省電力版CPUでこの性能は上出来でしょう。
以下かんたんに3Dゲーム性能をチェックしてみます。
ドラクエ10
グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
結果はフルHDだと低品質でもスコア4518(普通)どまり。ワンランク解像度を落としたHD・標準品質でようやくスコア5500を超えてきます。超軽量ゲームで苦戦しているので、基本的にオンラインゲームの類は厳しいですね。
一応他のゲームもチェックしてみましょう。
PSO2
軽めのオンラインゲームです。スコア4500以上で平均60fpsをキープできます。
いずれも設定3となりますが、フルHDではスコア1766、ワンランク低いHDでもスコア3253となり、スコア4500に届きません。
モンスターハンターフロンティアZ
こちらもPSO2と同じくらいの軽さのオンラインゲームです。スコア6000で平均60fpsをキープできます。
結果はフルHDでスコア2096、HDでもスコア4044とPSO2と同じく厳しいです。
ドラゴンズドグマ オンライン
上二つに比べるとやや重めのゲームです。スコア7000以上で【とても快適】となり、スコア5800以上で平均60fpsをキープできます。
いずれも低品質ですが、結果はフルHDでスコア1352(設定変更を推奨)、HDでもスコア2246(普通)どまり。このレベルだと全くスコアは伸びません。
FF14
ゲーミングPC業界において、「標準ベンチマークソフト」ともいえるFF14ベンチマーク。スコア7000以上で【非常に快適】となり、スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。
結果はHD・低品質でスコア2915(やや快適)をマークし、きついことには変わりありませんが、意外と健闘しています。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。PCの性能指標として、参考まで。
総合スコア | Graphics Score | CPU/Physics Score | Combined Score | |
Time Spy | 364 | 322 | 1452 | ー |
Night Raid | 3871 | 4450 | 2230 | ー |
Fire Strike | 956 | 1068 | 3771 | 329 |
Sky Diver | 3564 | 3568 | 3404 | 3809 |
Cloud Gate | 5650 | 8396 | 2635 | ー |
Ice Storm | 41452 | 46504 | 30035 | ー |
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックするソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルでは高速の256GB SSDを搭載し、さらに通常のSSDよりも4~5倍速いNVMeタイプというこだわりようです。メーカーはノートPCでよく見かけるSKhynix製ですね。
肝心の速度ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み込みが4ケタと爆速。それ以外は通常のSSDに近い感じのスピードで、ベーシックなNVMe SSDといったところです。
ともあれ、SSDクラスになると数値の差を体感できず、実際の動作は快適そのもの。ブラウジングや各種アプリの動作、ゲームのロードにいたるまでサクサク動きます。
温度
ドラクエ10実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
ピーク時で70℃半ばと、ファンレスながら安定した温度をキープしています。温度は問題ありませんが、タブレットのカメラ付近が熱くなるので、負荷がかかる作業をする場合にはカバーと一緒に使いましょう。
バッテリー持続時間
モバイルノートということで、「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。
条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:HP推奨、より良いバッテリー
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
超省エネCPUを搭載していることもあり、結果は約9時間とタブレットにしては上々の持ち時間です。これだけもてば外出時でも安心して使えますね。
まとめ&関連モデル
プレミアムモデルらしい高い質感はもちろん、よく造りこまれた2-in-1ギミックでとてもフレキシブル。もちろん薄型軽量で持ち運びもラクラク、さらにLTE通信に対応しているので、いつでもどこでも使える究極のモバイルノートに仕上がっています。
出先でPCを使う機会が特に多い方におすすめの一台です。
HP ENVY x2 12-ag000[ベーシックモデル]
【スペック】
■OS:Windows 10
■ディスプレイ
13.3インチ フルHD グレア IPS タッチ対応
■CPU:Core m3-7Y30
■メモリ:4GB(LPDDR3-1866)
■グラフィック:HD 615(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 128GB
■価格:【キャンペーン中】119,800円(税込)~
ワンランク下のCPU・Core m3-7Y30を搭載した割安モデルです。Core i5-7Y54と同じく2コア4スレッドですが、動作クロックが下げられています。
違いといえばそれくらいなので、性能差は5%もありません。4GBメモリに128GB SSDを搭載し、ブラウジングやオフィス作業程度の用途ならこのモデルで十分です。
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