今回HPの【HP Elite Dragonfly G2】をお借りしました。
最軽量モデルは約989g!HP屈指の超軽量ボディに、美しいデザインと高いクオリティを両立した、13インチ2in1モバイルノートをチェックしてみましょう。
スペック
※2020年7月11日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります
外観
美しいデザイン
HPらしく、ビジネスブランドのモデルながら、デザインはとてもオシャレ。
まず印象的なのがボディカラーですね。
”ドラゴンフライブルー”とのことですが、ネイビーに近い深みのある青色で、落ち着きを感じさせる上品な色合いとなっています。渋めのカラーなので、ビジネスシーンでも全く違和感はありません。
ボディの素材にはマグネシウム合金を使用しています。軽量&タフな素材ですが、細かい加工には不向きということで、HPにしては非常にシンプルな造形です。
もちろん、細かい造形や仕上がりにはしっかりこだわっており、表面は非光沢の梨地加工が施され、美しい仕上がりとなっています。また、サラッとした上質な触り心地も相まって、高級感もバッチリ。
アクセントとして、ヒンジ部分にはシルバーのラインが入れられているほか、電源ボタンにはLEDのラインが仕込まれ、スピーカーを幾何学模様に仕上げる凝りようです。シンプルながらオシャレに仕上げるセンスの高さは、さすがデザインのHPといったところです。
フレキシブルに使える2in1タイプ
最近はやりの2in1ノートパソコンで、360°回転するコンパーチブルタイプとなっています。
360°回転しタブレットとして使えるだけでなく、テント型にして寝そべりながら動画を見る、さらにスタンドモードにしてイラストを書くといったフレキシブルな使い方ができ、とても便利です。
ヒンジ部分はかなり頑丈にできており、無段階で任意の角度に設定できます。間違ってもタッチしてディスプレイが動く…なんてことはありません。
もちろん、ディスプレイはタッチ入力に対応しており、ハードカバーでコーティングされています。実際の操作感ですが、確実なタッチ&スクロール操作ができ、とても快適。指紋汚れがつきにくいのもグッドですね。
なお、キーボードを180°以上回転させるとキーボードが動作しなくなるので、誤操作の心配はなし。タブレットモードの時でも安心。
持ち運びに便利な超軽量ボディ
このモデルは持ち運びがしやすい13インチサイズとなっています。持ち運び&据え置きに最適なジャストサイズで、モバイルノートならまずおすすめ。
ディスプレイのベゼル(ふち)をスリムにすることで横幅と奥行きを圧縮し、A4ファイルサイズよりも小さいサイズを実現しています。また、厚さは16.1mmとスリムなので、カバンへサッと収納することができます。
そしてなんといっても、このモデルは非常に軽く、Wi-Fi搭載モデルでは989gと1kg以下を実現しています。構造上特に重くなりがち2in1タイプでこの軽さは驚異的。13インチだと約1.2~1.3kg台が一般的ということを考えると、とんでもなく軽いことがわかりますね。
ちなみに、5G&LTE搭載モデルでは、大容量バッテリーを搭載しているため、Wi-Fiモデルに比べ重くなっています。それでも、実測で1151gに抑えており、やはり軽いことに変わりありません。
ポイントをおさえたインターフェース
インターフェースの内容はしっかりポイントをおさえています。
小型のモバイルノートですが、USBは3ポート搭載。さらに、ポートのタイプもオーソドックスなType-Aのほか、小型&リバーシブルのType-Cを採用しており、かなり充実しています。モバイルノートでは省略されがちなType-Aポートがあるのはグッドです。
また、規格も全てが最新のUSB3.1規格で、そのうち右サイドのType-Cポートは、最大40Gbpsの超高速転送や大容量給電に対応した”Thunderbolt 4”に対応しています。ポートの数はもちろん、規格や端子のタイプなど一通り押さえており、周辺機器の接続にはまず困りません。
そのほか映像出力用にHDMIポートを搭載しています。SDスロットがあればより便利でしたが、非搭載となっています。
ちなみに、このモデルでは、5G&4G LTE対応機種も用意されています。データ通信SIM(nanoSIM)さえあれば、いつでもどこでもネット環境を利用できます。フリーWiFiスポットを探す手間が省け、まさにストレスフリーですね。
貸出機はLTEモデルとなっており、左サイドにSIMスロットが用意されています。
セキュリティ対策も万全
ビジネスモデルなので、セキュリティにはしっかり配慮されており、カメラ部分にはシャッターが装備されています。デバイスからではなく、物理的にシャットアウトするのでとても安心です。
また、キーボード右下には指紋認証センサーを装備。本人認証のため、ログインパスワードよりも安全。また、ログインの際わざわざパスワード入力することなく、とてもスムーズです。さらに、Webカメラは顔認証にも対応しており、セキュリティはまさに万全です。
ちなみに、このモデルでは”HP Sure View”を装備しています。
これは内蔵型のプライバシースクリーン機能で、ボタンを押すだけで横から見えにくくなり、のぞき見による情報漏えいを防止することができます。
システム面では、”Sureシリーズ”というセキュリティシステムを完備。
ハード&ソフトの両面ででしっかりPCを保護し、サイバー攻撃の予防~復旧までカバーします。仮に攻撃によってPCが起動不可能な状態になったとしても、ハードウェアの独自機能により、短時間で復旧する仕組みを実装する徹底ぶりです。詳しくはこちら をチェック。
ディスプレイ&キーボード
ハイクオリティのIPSパネル搭載
ディスプレイは13.3インチサイズで、現在主流のフルHD解像度となっています。HDよりも画素が多い分表示領域も広く、オフィス作業もはかどります。
ディスプレイのパネルには、高い発色とコントラストが魅力のIPSパネルを採用。鮮やかでくっきりした映像クオリティで、視野角も広い高性能ディスプレイとなっています。
ただ、HP Sure Viewを装備しているため、若干ぼやけた感じ&視野角が狭くなるのがネック。。セキュリティ面では安心ですが、映像クオリティはワンランク下がってしまいます。
ちなみに、HP Sure ViewのON/OFFを比べてみるとこんな感じで、ONにするとかなり見づらくなります。のぞき見対策もバッチリですね。
完成度の高いキーボード
横幅の狭い13インチボディなので、テンキーレスキーボードを搭載。先に紹介した両サイドのスピーカーで、オシャレなイメージに仕上がっています。
基本的なキーは大きく造られ、配置そのものも無理なく、とても素直ですね。キーピッチは約18.5mmとゆとりがあり、また全てのキーが独立仕様なので、誤爆の心配はありません。
キーストロークはやや深めで、反発もしっかり感じられ、打鍵感を楽しみながら快適にタイピングできます。また、スリムボディにもかかわらず、キーボード面の剛性が高いので、まさにたわみ知らず。
ボディだけでなく、キーボードもタフなのはグッド。
もちろんトレンドの白色LEDもしっかり内蔵しています。薄暗い場所でタイピングしやすいのはもちろん、見た目も華やかになり、高級感がグッと増します。光り方ですが、下からしっかり照らし出すので、かなり派手な感じ。最大輝度だとなかなかの明るさです。
ちなみに、ファンクションキーで2段階+OFFの切り替えが可能なので、LEDが苦手な方も安心。
スムーズなタッチパッド
タッチパッドは、パッド部分とクリックボタンが一緒になった、オーソドックスな一体型タイプとなっています。
タッチパッドはサラサラした材質で、カーソル操作はとても滑らか。クリックボタンもカタカタと軽い力で反応し、応答性もバツグン。さらに建付けもよく、一体型にありがちなバタバタした感じが無いのもいいですね。
よく見ると、タッチパッドの手前には窪みが設けられており、ディスプレイを開けやすくなっているのもポイントです。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。


このモデルでは、インテルの最新世代となる、第11世代の4コア8スレッドCPU・Core i5-1135G7を搭載しています。最新世代では強力な内蔵グラフィック機能・Iris Xe Graphicsを搭載しているのがポイント。従来の内蔵グラフィックを軽く凌ぐ高い性能で、編集作業から軽めのオンラインゲームまで対応できます。
参考までに、上位モデルの4コア8スレッドCPU・Core i7-1165G7と比較してみると、シングル性能は約16%ですが、マルチ性能は約59%と大きく差をつけられています。ビジネスモデルのためか、性能控えめで、バッテリーの持ちを重視しているといった感じですね。
それにしても第11世代インテルCPUはシングル性能がとにかく強く、シングル性能が200cbオーバーというのはまさに驚異的。デスクトップ用CPUも真っ青なレベルです。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)・RT(Port Royal)それぞれの条件で測定することができます。
鳴り物入りで登場した”Iris Xe Graphics”の実力ですが、下位の内蔵グラフィック・UHD Graphicsの約3~4倍にもなる破格の性能となっています。軽めのゲームなら、フルHDでも楽しむことができます。
総合スコア | Graphics Score | CPU/Physics Score | Combined Score | |
Time Spy | 1351 | 1230 | 3076 | ー |
Night Raid | 11670 | 14827 | 5289 | ー |
Fire Strike | 3511 | 4083 | 8925 | 1186 |
Sky Diver | 10428 | 11462 | 7448 | 9692 |
Cloud Gate | 13666 | 22866 | 5675 | ー |
Ice Storm | 81490 | 100140 | 49344 | ー |
PCMark 10
【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測る定番ソフトです。
ブラウジングや各種編作業など、基本的なタスクを快適にこなせる目安はスコア3000以上となりますが、軽くクリアし、スコア4000前半の高いスコアをマーク。ブラウジングやオフィス作業などの軽作業はもちろん、動画・画像編集にもしっかり対応できます。
なお、Core i7-1165G7との差は約14%とやや開くので、編集作業の機会が多いのであればCore i7を選ぶのがおすすめです。ただ、普段使いならCore i5を選べばまずOK。
動画エンコード
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・QSVでエンコードしています。なお、VCE/QSVはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i5-1135G7 | 1:02:53 | 30:13 | 3:51 |
Core i7-1165G7 | 38:42 | 19:39 | 2:47 |
まず軽めのH.264ですが、CPU勝負のソフトウェアエンコード(2Pass・1Pass)では、1時間オーバーしており、性能はだいぶ控えめですね。
Core i7との差は約35~38%とかなり大きく、QSVでも約28%も差をつけられています。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i5-1135G7 | 1:23:14 | 42:45 | 4:37 |
Core i7-1165G7 | 1:01:33 | 29:12 | 3:40 |
重量級のH.265でも大きな差がつき、両者の差はソフトウェアエンコードでは約26~32%、QSVでも約21%となっています。
画像変換
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が以外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Core i5-1135G7 | 1:50 | 4:48 |
Core i7-1165G7 | 1:13 | 3:15 |
画像変換テストもCPU勝負ですが、Core i5のパフォーマンスはやはりイマイチ。Core i7との差は、軽めのDNG変換では約34%、重量級のJPEG変換でも約33%とかなり大きめです。
ドラクエ10
グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 標準品質 | 低品質 | |
フルHD | 9634 | 11464 | 12959 |
高性能のIris Xe Graphicsということで、スコアはとてもよく伸び、フルHD・最高品質でもスコア10000に迫るほど。従来のUHD Graphicsだと標準品質でもスコア5500すらきわどいので、パワーは段違いですね。
FF14
おなじみの重量級ベンチマークです。スコア7000以上で【非常に快適】となり、スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
HD | 5091 | 6706 | 8136 |
フルHD | 2784 | 4084 | 5665 |
重めのゲームなので、HDに落としてもスコア9000オーバーは至難の業。ただ、UHD Graphicsに比べ性能は大きく向上したものの、フルHDでのゲーミングは軽めのものに限られます。あくまでも内蔵グラフィックなので、HDが適正レベルですね。
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは256GB SSDのみ搭載したシングルストレージ仕様となっています。128GBだと実質使える容量は100GB未満と少ないですが、256GBもあればアプリやデータ類の保存にも一通り対応できます。なお、SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプで、WESTERN DIGITAL製のものを採用しています。
実際の速度ですが、シーケンシャル(連続データ)で4ケタをマークしているのは、読み込みのみとやや物足りない印象ですね。一方で、ランダムはしっかり速度が出ています。可もなく不可もなく、普通レベルのNVMe SSDといったところです。
ただし、SSDともなると数値の差を体感することはできず、実際OSの起動からアプリの動作までサクサク動き、快適そのものです。
温度
FF14実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
4コア8スレッドのマルチコア・スレッドCPUですが、ピーク時でもおおむね60℃の低い温度をキープ。十分な冷却性能となっています。
動作音
FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ


50デシベルを超えるとノイズが気になるようになりますが、ピーク時で48.2デシベルと大きく下回り、ファンの音がほとんど気になりません。静かな環境でも十分使えるレベルですね。
ちなみに最小時では46.9デシベルとありますが、アイドルなのでほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:HP Optimized、より良いバッテリー
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
さすが大容量バッテリーなだけあり、結果は約13時間10分と、モバイルノートの目安である10時間を大きく超える、ロングライフバッテリーを実現。数あるモバイルノートの中でも、ずば抜けたバッテリーの持ちなので、出先でも安心して使えますね。
便利なユーティリティー機能
パソコンの診断ツールとして”HP PC Hardware Diagnostics”が用意されており、万が一のハードウェアトラブルの際も安心です。
ビジネスモデルながらサウンドにもこだわっており、デンマークの高級オーディオメーカー”BANG & OLUFSEN”のサウンドエンジンを採用しています。スピーカーはクアッド仕様ということで、4基も搭載!かなり気合が入っています。
肝心のサウンドクオリティですが、低音~高音域までしっかり伸び、厚みのある音質ですね。サラウンド効果もバッチリ効いているので、迫力も感じられるほど。華奢な見た目によらず、上々のクオリティとなっています。
まとめ&関連モデル
やはりボディの軽さですね。重くなりがちな2in1タイプの13インチノートで、約989g(Wi-Fi搭載モデル)というのは驚異的。HPらしさあふれる美しいデザインのボディには、充実したセキュリティ機能を装備しており、ワンランク上のビジネスモデルに仕上げています。
一般モデルに比べると価格こそ高めですが、その品質は折り紙付き。軽量モバイルノートでクオリティにとことんこだわる方におすすめです。
HP Elite Dragonfly G2[Core i5・8GB・256GB SSD・5G搭載モデル]
【スペック】
■OS:Windows 10
■ディスプレイ
13.3インチ フルHD グレア IPS タッチ対応
■CPU:Core i5-1135G7
■メモリ:8GB(LPDDR4X)
■グラフィック:Iris Xe Graphics(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 256GB(PCIe NVMe)
■【セールでさらにおトク】265,980円(税込)~
このモデルの5Gバージョンです。超高速通信を求める方におすすめ。
HP Elite Dragonfly G2[Wi-Fiモデル]
【スペック】
■OS:Windows 10
■ディスプレイ
13.3インチ フルHD グレア IPS タッチ対応
■CPU:Core i5-1135G7
■メモリ:8GB(LPDDR4X)
■グラフィック:Iris Xe Graphics(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 256GB(PCIe NVMe)
■価格:203,280円(税込)~
Wi-Fiのみのシンプルなモデルです。約989gと非常に軽く、 携帯性重視ならおすすめ。なお、HP Sure View非搭載となっています。
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