今回dynabookの【dynabook NZ65/M】をお借りしました。
Core i7-10710U&MX250搭載!高いグラフィック性能が魅力の、15インチハイスペックノートをチェックしてみましょう。
スペック
※2020年11月12日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
外観
濃紺の美しいボディ
ボディはオーソドックスな樹脂製ですが、天板&キーボード面は光沢処理がされ、リッチな仕上がりです。
遠くから見るとドットパターンのように見えますが、表面をよく見ると小さなdynabookのロゴマークがプリントされており、意外と凝ってます。ちょっと可愛らしい感じもしますね。
ボディカラーは”スタイリッシュブルー”と”リュクスホワイト”の2色を用意。
貸出機のスタイリッシュブルーですが、深みのある青色で、落ち着いた印象を受けます。シルバーのロゴマークがいいアクセントになっており、メリハリのあるデザインに仕上がっています。
光の当たり方によっては鮮やかにも見え、なんとも不思議な感じです。
ちなみに、底面は天面とは打って変わり、ブラックでざらつきのある仕上がりです。
便利なギミックとして、メモリカバーが用意され、ドライバ一1本でかんたんにメモリにアクセス&交換が可能です。
コンパクト&軽量ボディ
最近では15インチノートでも、コンパクト&軽量ボディがブームとなっていますが、このモデルも例外ではありません。
ディスプレイのベゼル(ふち)をスリム仕様にすることで、横幅と奥行きを圧縮し、従来の15インチモデルよりも一回り小さいサイズを実現しています。また、ベゼルが細いと見た目もスッキリし、スタイリッシュな感じになり、まさに一石二鳥!
そして重さですが、なんと実測1780gと15インチらしからぬ軽さとなっています。15インチモデルでは2kgをオーバーが相場ということを考えると、とんでもなく軽いですね。
さすがにモバイルノートのようにはいきませんが、たまになら持ち運び用として使うのもあり。
ポイントをおさえたインターフェース
光学ドライブは非搭載ですが、ポイントをしっかり押さえたラインナップです。
USBは全4ポート搭載しており、規格はUSB3.1 Gen.1とUSB3.0を採用しています。なお、左サイドのポートは、小型&リバーシブルのType-Cタイプとなっています。
ポートの数・端子のタイプともにポイントはしっかり押さえており、周辺機器の接続にはまず困りません。ただ、このグレードのモデルなら、最大10Gbpsの高速転送に対応した”USB3.1 Gen.2”規格のポートが欲しかったところです。
そのほか、HDMIポート・LANポート・SDスロットも搭載し、普段使いで必要なものは一通りそろっています。
ディスプレイ&キーボード
IGZOパネル搭載
ディスプレイは15.6インチサイズです。モバイルノートの代表格である13インチモデルよりも一回り大きく、だいぶゆとりがあります。据え置きで使うなら、15インチをまず選びたいところですね。
なお、解像度はオーソドックスななフルHDとなっています。
ディスプレイのパネルには、シャープが誇る”IGZO液晶”を搭載。高発色・高コントラスト・高輝度の3拍子揃った高性能パネルなので、くっきり鮮やかな映像クオリティを実現しています。動画鑑賞などエンタメコンテンツを楽しむのにうってつけですね。
このとおり、横から覗いても色むらはありません。
ちなみに、サウンド面では、DTS社のサウンドエンジンを採用しています。その実力ですが、低音こそ弱いものの、中~高音域メインで、臨場感もそれなりにあり、内蔵タイプにしては健闘しています。
なお、付属アプリでモード別にサウンド設定ができるほか、イコライザモードで自由にカスタマイズもできます。
手堅い完成度のキーボード
横幅の広い15インチモデルということで、テンキーを搭載しています。
キー配置はとても整然としており、美しさを感じるほど。連結キーもなくすべてのキーが独立しており、キーピッチは約18.7mmと広めに確保されているので、まず誤爆する心配はありません。
キーストロークは浅すぎず深すぎず、ノートの標準的な深さといったところ。適度に反発もあるので、打鍵感は上々です。キーボード面の剛性ですが、樹脂製ということもあり普通レベルですね。
LEDイルミネーションこそ非搭載ですが、手堅い完成度で、安心感があります。
タッチパッドはクリックボタンとパッドが一緒になった、オーソドックスな一体型のタイプです。
表面はややざらつきのある材質で、滑りすぎず確実にカーソル操作が可能です。クリックボタンの操作はやや押し込む必要があり、クリック音もそれなりですね。ただ、一体型にありがちな、押してもなかなか反応しない…なんてことは全くありません。
キーボード&タッチパッドともに、非常に手堅い!
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。


このモデルでは、インテルの第10世代CPU・Core i7-10710Uを搭載しています。省エネのUシリーズながら6コア12スレッドのマルチコア・スレッド構成となっており、ブラウジングやオフィスソフトなどの軽作業はもちろん、動画や画像編集などヘビーな作業でも高いパフォーマンスを発揮します。
ただし、性能はだいぶ控えめとなっており、下位モデルの4コア8スレッドCPU・Core i5-10210Uと比較してみるとほぼ互角。なんとも物足りないですね。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。
このモデルではGPU(グラフィック機能)にGeForce MX250を搭載しています。グレードとしては入門中の入門クラスで、一般的なCPU内蔵グラフィック・UHD Graphicsの約2.5倍ほどの性能です。
総合スコア | Graphics Score | CPU/Physics Score | Combined Score | |
Time Spy Extreme | 183 | 159 | 1313 | ー |
Time Spy | 1256 | 1132 | 3334 | ー |
Fire Strike Ultra | 527 | 458 | 9044 | 417 |
Fire Strike Extreme | 1738 | 1763 | 8600 | 756 |
Fire Strike | 3452 | 3817 | 8505 | 1324 |
Night Raid | 12150 | 16291 | 4979 | ー |
Sky Diver | 11487 | 12407 | 7741 | 13847 |
Cloud Gate | 13982 | 23470 | 5790 | ー |
Ice Storm | 69179 | 87793 | 39711 | ー |
PCMark 10
【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測るソフトです。
こちらは上記のテストを一元化した【PCMark10】の結果となりますが、動画や画像編集用途の目安となるスコア3000をしっかり超えていますが、総合スコアはCore i5よりもやや低め。普段使いでは十分な性能ですが、6コア12スレッドCPUと考えると、かなり控えめといわざるを得ません。
動画エンコード
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・QSVでエンコードしています。なお、QSVとはCPUのグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のこと。なお、MX150はGTXシリーズではないので、GPUを活用した超高速エンコード機能【NVENC】を使用できないのはネックですね。
H.264(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i7-10710U | 54:10 | 27:50 | 4:34 |
Core i5-10210U | 59:02 | 31:13 | 3:46 |
CPU勝負のソフトウェアエンコード(1Pass・2Pass)では、Core i7がCore i5よりも約6~8%早く変換を終えますが、ハードウェアエンコード(QSV)では逆転され、Core i5がCore i7よりも約18%も速く変換を終え、ちぐはぐな結果となっています。
H.265(フルHD) | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i7-10710U | 1:23:56 | 42:18 | 6:08 |
Core i5-10210U | 1:27:22 | 45:11 | 5:35 |
重量級のH.265でも同じような傾向となり、ソフトウェアエンコードではCore i7が約4~6%、ハードウェアエンコードではCore i5が約9%それぞれ早く変換を終えています。
画像変換
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が意外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Core i7-10710U | 1:58 | 4:18 |
Core i5-10210U | 2:13 | 5:10 |
画像変換ではCore i7がコンスタントに有利。Core i5に対し、軽めのDNG変換では約11%、重量級のJPEG変換でも約17%早く変換を終えています。
基本性能を総括してみると、テストによってはCore i5と僅差か、逆転される場面もあり、6コア12スレッドにしてはやはり物足りない印象です。これならCore i5でも十分ですね。
ドラクエ10
グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
CPUとは打って変わり、GPUの性能は良好で、フルHD・最高品質でもスコア10000を軽くクリア。UHD Graphicsとは格が違いますね。
PSO2
こちらはやや軽めのゲームです。エピソード4にてグラフィック描写が「設定6」に引き上げられましたが、それでもやはり軽いことに変わりありません。スコア4500以上で平均60fpsをキープできます。
ドラクエ並みとはいきませんが、なんとフルHD・設定6でスコア4500をクリア。軽めの国産ゲームならしっかり対応できます。
VALORANT(ヴァロラント)
”リーグ・オブ・レジェンド”でおなじみの、ライオットゲームが手掛けるFPSゲームですね。内容はオーバーウォッチとCS:GOをミックスした感じ。カジュアルなグラフィックはもちろん、多彩なスキルを持つエージェント(現在では11人)を操り、5対5で戦うスタイルは、オーバーウォッチをほうふつとさせます。
ルールはFPSでよくみられる”爆弾設置ルール”を採用しています。爆弾を設置する側と阻止する側に分かれ、設置側は、爆弾を設置し爆発させれば勝利。阻止する側は、設置されないか、解除すれば勝利となります。最大25ラウンド、攻防は12ラウンドごとに切り替わり、13ラウンドを先取した側が勝ちとなります。
また、CS:GOを意識した”購入システム”を実装しており、ラウンド報酬の資金をもとに、ラウンドのインターバルで武器・防具・スキルを購入することができます。味方の装備や資金はチェックできるので、コミュニケーションをとりつつ、状況に応じて装備を調達するのが勝利へのカギとなます。
下記条件にて平均と最低fpsを計測しました。
解像度:フルHD
ゲーム設定:高/中/低(アンチエイリアス”MSAA 4x”、異方性フィルタリング”16x”)
プレイモード:アンレート
高 | 中 | 低 | |
HD | 138(119)fps | 150(133)fps | 172(149)fps |
フルHD | 75(64)fps | 80(72)fps | 90(80)fps |
FPSゲームなので、スムーズに動作する平均60fpsは絶対にキープしたいところ。100fpsもあればド安定です。
FPSゲームでは屈指の軽さを誇り、設定をマシマシにしてもフルHDで平均60fpsは余裕です。最近のゲームにしては珍しく、めちゃめちゃ軽いですね。
Rainbow Six Siege
ユービーアイソフトでおなじみ【Tom Clancy’sシリーズ】のFPSゲームで、2015年12月の発売以来、今なお絶大な人気を誇ります。ゲームそのものも軽く、お手軽にできるのもポイントですね。
内容はかなりリアル志向。5対5のマルチプレイでは、個性あふれるオペレーターを駆使し、拠点防衛と攻撃を入れ替えで行います。死角多数の複雑に入り組んだマップで繰り広げられる戦闘は、自動回復のないシビアなライフシステムも相まって、高い緊張感を味わえます。
下記条件にて平均と最低fpsを計測しました。
解像度:HD/フルHD
ゲーム設定:最高/超高/高/中/低
プレイモード:カジュアル(マルチプレイ)
最高 | 超高 | 高 | 中 | 低 | |
HD | 55(43)fps | 59(47)fps | 65(53)fps | 70(60)fps | 96(81)fps |
フルHD | 37(29)fps | 38(32)fps | 42(36)fps | 46(39)fps | 59(51)fps |
FPSゲームなので、スムーズに動作する平均60fpsは絶対にキープしたいところ。100fpsもあればド安定です。
VALORANTほどではありませんが、FPSの中でも屈指の軽め。とはいうものの、フルHDでは低設定までガッツリ落としてようやく平均60fpsを超えます。ちょっと重くなると、フルHDで厳しくなるのがMX 250のウィークポイントですね。
Fortnite(フォートナイト)
こちらも同じくバトロワ系の鉄板タイトルです。対人戦にプラスして、採集や建築要素があり、Apex Legendsとはまた違ったベクトルの楽しみ方ができます。チーム戦だけでなく、ソロで気軽にプレイできるのもいいですね。
平均と最低fpsを計測しました。
解像度:HD/フルHD
ゲーム設定:DirectX 12、最高/高/中/低
降下後、1分間のダッシュ&屋内探索
エピック | 高 | 中 | 低 | |
HD | 45(42)fps | 64(61)fps | 102(95)fps | 141(132)fps |
フルHD | 21(19)fps | 32(29)fps | 52(48)fps | 75(72)fps |
競技性の高いゲームなので、スムーズに動作する平均60fpsは絶対にキープしたいところ。平均100fpsをキープできれば、さらに安定してプレイできます。
上のゲーム同じような感じで、やはりフルHDは厳しく、HDが実用的な解像度といったところですね。オンラインゲームならフルHDで快適にプレイしたいところです。
FF14
おなじみの重量級ベンチマークです。スコア7000以上で【非常に快適】となり、スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
HD | 7432 | 10527 | 12670 |
フルHD | 4004 | 5797 | 8864 |
スコア9000の壁が高く、HDでようやく超えるレベル。オンラインゲームもしっかり楽しみたいということであれば、最低でもGTX 1650は押さえておきたいところ。
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックするソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。



このモデルは、512GB SSD+1TB HDDのデュアルストレージ構成となっています。各種アプリは高速のSSDに、動画や画像データなどかさばるデータ類は大容量のHDDに入れる使い分けができ、とても便利。SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプで、速度の速さで定評のあるサムスン製のものを搭載しています。
その実力ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み書きは4ケタをマークし、読み込みでは2000MB/sオーバーと、かなり速め。ランダムも書き込みで4ケタをマークするなど、速度にムラがなく、クオリティはかなり高めですね。
言うまでもありませんが、OSの起動からブラウジング、各種アプリの動作にいたるまでサクサク動いて、とても快適です。
温度
FF14実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
CPU・GPUいずれもピーク時で70℃前後と安定した温度をキープ。次の項目でもチェックしますが、ファンの動作が控えめでもこの温度なので、冷却性能はかなり優秀です。
動作音
FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ


50デシベルを超えるとノイズが気になるようになりますが、ピーク時で48.8デシベルとしっかり下回っており、とても静か。アイドル時との差は2デシベル程度と小さく、ファンノイズもほとんど感じません。静音性重視の方にもおすすめです。
ちなみに最小時では46.7デシベルとありますが、アイドルなのでほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:バランス、より良いバッテリー
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
結果は約6時間30分と5時間を超える程度で、可もなく不可もなくといったレベルです。持ち運ぶ際はバッテリーの持ちに注意しましょう。
充実した付属アプリ
国内メーカーモデルらしく、各種アプリが充実しています。
おなじみCyberLinkの”PowerDirector”や”PhotoDirector”がインストールされており、動画や画像編集もお手の物。趣味で編集作業をやる方にはうれしい内容ですね。
充実した保証&サポート
保証やサポートの充実ぶりもdynabookの魅力の一つです。
保証メニューには自然故障だけでなく、落下や水濡れなどの物損事故にも対応できる【dynabook プレミアム保証】を用意。物損保証は高くなりがちですが、価格は14,400円(3年版)~とかなり安め。最長5年まで延長でき、お気に入りの一台を末永く使うことができます。
持ち運びの際にうっかり落とした、コーヒーをこぼした…なんて場合には通常の保証だとカバーできず、修理費用も高額になりがち。それこそ新品1台分かかるなんてこともあります。。万が一のことを考えると、これはありがたいですね。
そのほか、使い方や技術的な質問に関する電話サポートはもちろん無料。また有償にはなりますが、出張サービスや引き取り点検サービスなども実施しており、初心者の方には特に安心です。
まとめ&関連モデル
CPUの性能はやや物足りないものの、グラフィック性能は高く、軽めのオンラインゲームなら快適に楽しむことができます。また、ボディの完成度も非常に手堅く、充実した保証&サポートも相まって、安心感もバツグン。特に初心者におすすめのハイスペックモデルとなっています。
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