今回dynabookの【dynabook GZ83/P】をお借りしました。
最軽量モデルではなんと約779g!モバイルノートでも屈指の軽さを誇る、高い耐久性が自慢の13インチモデルをチェックしてみましょう。
スペック
※2020年10月18日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
外観
最軽量モデルは約779g!圧倒的に軽いボディ
このモデルの最大の魅力は、なんといっても圧倒的な軽さ。
ボディの素材には、軽量&タフなマグネシウム合金を採用することで、最軽量モデルではなんと約779gと、モバイルノート屈指の軽さを誇ります。
なお、モデルによって重さが異なり、貸出機では実測で836gとなっていますが、13インチモデルでは1.2~1.3kgが相場なので、それと比べてもやはり圧倒的。実際手に取ってみても、金属の重さを感じず、パソコンを持っているという感じがしません。軽さを追求する方にはぜひおすすめです。
軽さもさることながら、13インチなのでとてもコンパクト。
ディスプレイのベゼル(ふち)をスリム仕様にすることで、横幅と奥行きを圧縮し、A4ファイルサイズよりも一回り小さいサイズを実現しています。圧倒的な軽さと、かばんにサッと収納できるジャストサイズで、持ち運びはとてもラク。
ボディの仕上がりも洗練されており、深みのある濃紺カラー”オニキスブルー”と、ヒンジ部分の淡いゴールドのアクセントが見事に調和し、さりげない高級感を演出しています。
また、細かい部分もしっかり造りこまれ、電源ボタンやタッチパッドにはシルバーの装飾が施されており、オシャレな仕上がりとなっています。なお、モデルによっては透明感のあるパールホワイトのカラバリも用意されています。
持ち運びに最適なタフボディ
その見かけによらず、ボディはかなりタフ。アメリカの軍事装備規格”MIL規格”に準拠した10項目の耐久テストをクリアしています。
一例ですが、次のような過酷なテストを実施していますー
- 各面、辺、角の26方向から76cm落下
- 30~60℃の環境下で24時間×7サイクル
- -20~60℃の温度変化を6時間
- 湿度95%の環境下で10日間テスト
- 6時間にわたって細かい粉塵を吹き付け
一般的な使い方をはるかに超えるハードな環境にも耐えることができるので、持ち運びも安心ですね。
インターフェースは最小限
光学ドライブ非搭載ながら、モバイルノートにしては内容は充実しています。
USBは全3ポート搭載しており、規格はUSB3.1 Gen.1とUSB3.0を採用しています。なお、左サイドのポートは、小型&リバーシブルのType-Cタイプとなっています。
ポートの数・端子のタイプともにポイントはしっかり押さえており、周辺機器の接続にはまず困りません。ただ、このグレードのモデルなら、最大10Gbpsの高速転送に対応した”USB3.1 Gen.2”規格のポートが欲しかったところです。
また、モバイルノートにしてはかなり珍しく、有線のLANポートを搭載しているのもポイント。有線オンリーの環境でもしっかり使えるのはグッドですね。そのほか、HDMIポートやmicroSDスロットも搭載し、普段使いで必要なものは一通りそろっています。
ディスプレイ&キーボード
IGZOパネル搭載
ディスプレイはコンパクトな13.3インチサイズです。15インチより一回り小さいですが、11インチや12インチに比べると、やはりゆとりがあります。携帯性と視認性をうまく両立した絶妙のサイズなので、持ち運びならまず13インチを選びたいところですね。
なお、解像度はオーソドックスななフルHDとなっています。
ディスプレイのパネルには、シャープが誇る”IGZO液晶”を搭載。高発色・高コントラスト・高輝度の3拍子揃った高性能パネルなので、くっきり鮮やかな映像クオリティを実現しています。動画鑑賞などエンタメコンテンツを楽しむのにうってつけですね。
このとおり、横から覗いても色むらはありません。
ちなみに、スピーカーは自然なサウンドで定評のあるオンキヨー製ステレオスピーカーを搭載し、DTS社のサウンドエンジンを採用しています。
その実力ですが、全体的に軽めの音質で、サラウンドも弱く、一般的なノートPCの内蔵スピーカーといったところですね。
操作性に優れたキーボード
13インチのコンパクトモデルということで、テンキーレスキーボードを搭載しています。
キー配置にはだいぶゆとりがあり、全てのキーが独立しています。配置そのものも無理なくとても素直で、電源ボタンもキーボード内ではなく、右上に配置。さらに、キーピッチは約19mmとデスクトップキーボード並みの間隔が確保されており、誤爆することはまずありません。
薄型ボディではありますが、キーストロークは1.5mmと標準的な深さを確保しており、反発感もしっかり感じられ、打鍵感は上々です。
また、指先にフィットするようにキートップ中央には0.2mmのくぼみがつけられているほか、キーボード面の剛性も高いので、タイピングは快適そのもの。
ちなみに、LEDイルミネーションは非搭載となっています。LEDがあると薄暗い場所でもタイピングがしやすくなりますが、パソコンは基本的に明るい場所で使うので、無くても問題ありません。
完成度の高いタッチパッド
タッチパッドはパッドとクリックボタンが一緒になった、一体型のタイプです。
表面はややざらついた材質で、滑りにくく確実なカーソル操作が可能です。また、クリックボタンの完成度も非常に高く、軽く押すだけでしっかり反応し、操作音も静か。一体型だと建付けが甘く、バタつくことがありますが、しっかり造りこまれているのは好印象ですね。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトで実際の性能をチェックしてみました。
CINEBENCH
まずは、3Dグラフィックのレンダリングソフト【CINEBENCH】で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。


このモデルでは、インテルの第10世代CPU・Core i7-10710Uを搭載しています。省エネのUシリーズながら6コア12スレッドのマルチコア・スレッド構成となっており、ブラウジングやオフィスソフトなどの軽作業はもちろん、動画や画像編集などヘビーな作業でも高いパフォーマンスを発揮します。
ただし、電源アダプタが45Wと小さく、性能はだいぶ控えめ。参考までに、下位モデルの4コア8スレッドCPU・Core i5-10210U(45W)と比較してみると、シングル性能は約7%、マルチ性能は約3%上回る程度となっています。
PCMark 10
【PCMark 10】は、ブラウジング・ビデオチャット・動画や画像の編集作業・軽めの3Dゲームなど、一般的な用途での性能を測るソフトです。
こちらは上記のテストを一元化した【PCMark10】の結果となりますが、動画や画像編集用途の目安となるスコア3000をしっかり超えていますが、総合スコアはCore i5よりもやや低め。普段使いでは十分な性能ですが、6コア12スレッドCPUと考えると、やはり物足りないですね。
動画エンコード
【TMPGEnc Video Mastering Works 7】を利用し、再生時間6分30秒のMJPEG動画をMP4形式に変換する時間を計測しました。
エンコーダーはx264(H.264)およびx265(H.265)を利用し、それぞれ2パス・1パス・QSVでエンコードしています。なお、QSVはグラフィック機能を利用した高速エンコード機能のことです。
H.264 | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i7-10710U | 56:45 | 29:44 | 5:12 |
Core i5-10210U | 59:02 | 31:13 | 3:46 |
CPU勝負のソフトウェアエンコード(1Pass・2Pass)では、Core i7がCore i5よりも約4~5%早く変換を終えますが、ハードウェアエンコード(QSV)では逆転され、Core i5がCore i7よりも約18%も速く変換を終え、なんとも言えない結果となっています。。
H.265 | 2Pass | 1Pass | QSV |
Core i7-10710U | 1:20:27 | 41:05 | 6:43 |
Core i5-10210U | 1:27:22 | 45:11 | 5:35 |
重量級のH.265でも同じような傾向となり、ソフトウェアエンコードではCore i7が約8~9%、ハードウェアエンコードではCore i5が約17%それぞれ早く変換を終えています。
画像変換
【Lightroom Classic CC】を使い、200枚のRAW画像(5760×3840ドット、CR2形式)をDNG形式に変換する時間と最高画質のJPEG画像に書き出す時間をそれぞれ計測しました。
JPEG書き出しの際は“スクリーン用・標準”のシャープネスを適用しています。シャープネス処理が意外とCPUに負担をかけるため、特にCPUの性能が重要になります。
CR2→DNG | CR2→JPEG | |
Core i7-10710U | 1:37 | 4:35 |
Core i5-10210U | 2:13 | 5:10 |
画像変換ではCore i7がコンスタントに有利。Core i5に対し、軽めのDNG変換では約17%、重量級のJPEG変換でも約11%早く変換を終えています。
基本性能を総括してみると、テストによってはCore i5と僅差か、逆転される場面もあり、6コア12スレッドにしてはやはり物足りない印象です。これならCore i5でも十分ですね。
ドラクエ10
グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 標準品質 | 低品質 | |
HD | 8606 | 10397 | 12471 |
フルHD | 4516 | 6089 | 7648 |
この通り、フルHDでも標準品質であれば平均60fps以上をキープできますが、最高品質だとスコア5500に届かず、まだまだ内蔵グラフィックでオンラインゲームは厳しい感じです。
PSO2
こちらはやや軽めのゲームです。エピソード4にてグラフィック描写が「設定6」に引き上げられましたが、それでもやはり軽いことに変わりありません。スコア4500以上で平均60fpsをキープできます。
設定6 | 設定5 | 設定4 | 設定3 | |
HD | 1305 | 3777 | 4564 | 7282 |
フルHD | 436 | 1558 | 1611 | 2660 |
PSO2もかなり軽めのゲームではありますが、フルHDはスコア4500に遠く及ばず、HDで設定をガッツリ落としてようやく超えるといったレベルです。
FF14
おなじみの重量級ベンチマークです。スコア7000以上で【非常に快適】となり、スコア9000以上で平均60fpsをキープできます。
最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
HD | 2235 | 3253 | 4694 |
フルHD | 1136 | 1700 | 2551 |
PSO2の時点で厳しいので、FF14なら言わずもがなです。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy/Night Raid)それぞれの条件で測定することができます。PCの性能指標として、参考まで。
総合スコア | Graphics Score | CPU/Physics Score | Combined Score | |
Time Spy | 408 | 355 | 2862 | ー |
Fire Strike | 1041 | 1135 | 8242 | 356 |
Night Raid | 4786 | 4835 | 4532 | ー |
Sky Diver | 4033 | 3733 | 7130 | 3850 |
Cloud Gate | 7687 | 8685 | 5483 | ー |
Ice Storm | 58545 | 67096 | 40488 | ー |
CrystalDiskMark
【CrystalDiskMark】は、ストレージの読み書きの転送速度をチェックソフトです。ポイントはランダムデータ(4Kと書いてある項目)の転送速度。これが速いほど、ブラウジングやアプリの動作が速くなり、実用的なストレージといえます。
このモデルは超容量の1TB SSDを搭載したシングルストレージ構成となっています。容量が非常に多く、動画や画像編集でも安心。SSDは通常のSSDよりも4~5倍速いNVMeタイプのSSDで、内部にキャッシュ用のSSD”Intel Optane Memory”を内蔵した、ハイブリッドタイプとなっています。メーカーはもちろんインテル製です。
肝心の速度ですが、シーケンシャル(連続データ)の読み書きは一部を除いて1000MB/sを超え、NVMeらしい速度をマーク。注目すべきはランダムで、読み書きともに良く伸び、Optane Memoryの真価を遺憾なく発揮していますね。
実際の動作も快適で、OSの起動からブラウジングや各種アプリの動作にいたるまでサクサク動きます。
温度
FF14実行時の温度を測定してみました。なお、室温は25℃です。
6コア12スレッドのCPUですが、45Wで出力を抑えているためか、ピーク時でも60℃台前半の非常に低い温度をキープ。発熱が低めなので、夏場でも安心ですね。
動作音
FF14実行時のPC正面でノイズを測ってみました。※防音室や無響室での測定ではないので、あくまでも参考までにどうぞ


50デシベルを超えるとノイズが気になるようになりますが、ピーク時で52.7デシベル上回り、ファンノイズはしっかり感じられます。が、耳障りな甲高いノイズは控えめなので、数値ほどうるさく感じないのはいいですね。
ちなみに最小時では46.7デシベルとありますが、アイドルなのでほぼ無音です。
バッテリー持続時間
「bbench」でバッテリーの持続時間を調べてみました。条件は4つで、実際の使用感に近い設定にしています。
- 電源設定:dynabook標準、ecoモード、より良いバッテリー
- バックライト:40%
- 10秒ごとにキー入力
- 1分ごとに無線LAN経由でネット接続
結果は約10時間10分とモバイルノートの目安である10時間をきっちり超えています。なお、ecoモードを使わないと、約6時間30分まで大幅に持続時間が落ちるので、ぜひ活用しましょう。
便利なユーティリティー機能
パソコンの設定ツールとして”dynabook セッティング”が用意されています。設定項目はいろいろありますが、特に便利な機能をピックアップするのであれば、”ecoユーティリティー”と”Webカメラ機能”ですね。
”ecoユーティリティー”はその名の通り省エネ設定に関する項目です。上のバッテリー持続時間でチェックしたとおり、これをONにするだけで、バッテリーの持ちが大幅に向上します。スライダでお好みの設定に調整できるのもポイント。
”Webカメラ機能”では、WebカメラのON/OFFをデバイス上で切り替えることができます。使わないときはOFFにすることで、カメラへの不正アクセスを防ぐことができ、セキュリティ面も安心です。
充実した保証&サポート
保証やサポートの充実ぶりもdynabookの魅力の一つです。
保証メニューには自然故障だけでなく、落下や水濡れなどの物損事故にも対応できる【dynabook プレミアム保証】を用意。物損保証は高くなりがちですが、価格は14,400円(3年版)~とかなり安め。最長5年まで延長でき、お気に入りの一台を末永く使うことができます。
持ち運びの際にうっかり落とした、コーヒーをこぼした…なんて場合には通常の保証だとカバーできず、修理費用も高額になりがち。それこそ新品1台分かかるなんてこともあります。。万が一のことを考えると、これはありがたいですね。
そのほか、使い方や技術的な質問に関する電話サポートはもちろん無料。また有償にはなりますが、出張サービスや引き取り点検サービスなども実施しており、初心者の方には特に安心です。
まとめ&関連モデル
やはり700~800g台ともなると本当に軽いですね。片手で軽々持てるので、とても持ち運びがしやすく、さらに耐久性も非常に高いので、普段使いでも安心。手厚い保証やサポートも用意されており、持ち運ぶ機会の多いモバイルノートでは、特におすすめのモデルです。
なお、Core i7の性能はそこまで高くないので、特にこだわりが無ければCore i5搭載モデルでも十分です。
GZ63/M・W6GZ63CMLB[Core i5搭載最軽量モデル]
【スペック】
■OS:Windows 10 Home
■ディスプレイ
13.3インチ フルHD ノングレア IGZO
■CPU:Core i5-10210U
■メモリ:8GB(DDR4-2666)
■グラフィック:UHD Graphics(CPU内蔵)
■ストレージ:SSD 256GB
■【会員価格】142,000円(税込・送料込)
インテルの第10世代4コア8スレッドCPU・Core i5-10210Uを搭載した、スタンダードモデル。8GBメモリに256GB SSDのポイントをおさえた初期構成で、ブラウジングやオフィスなどの軽作業から、動画・画像編集までサクサクこなせます。
なお、このモデルの重さは約779gの最軽量モデルとなります。
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