パソコン工房 LEVEL-S337-LCi7K-TXVIをレビュー 第8世代Core i7とGTX 1070 Tiを搭載した静音モデル
ゲーミングPC2018.07.04

今回パソコン工房の「LEVEL-S337-LCi7K-TXVI」をお借りしました。
静音ケースを採用した【Sシリーズ】のミニタワーモデルです。第8世代Core i7とGTX 1070 Ti、さらに水冷式CPUクーラー…などなど全部盛りのプレミアムモデルをチェックしてみましょう。
スペック
| LEVEL-S337-LCi7K-TXVI |
サイズ | W190×D449×H375mm |
OS | Windows 10 Home(64ビット) |
CPU | インテル Core i7-8700K (6コア12スレッド 3.7/最大4.7GHz) |
メモリ | 32GB(16GB×2、DDR4-2666) |
ストレージ | 500GB SSD+2TB HDD |
グラフィクス | GeForce GTX 1070 Ti(GDDR5 8GB) |
チップセット | インテル Z370 チップセット |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
電源 | 500W(80PLUS SILVER) |
保証 | 1年(最大4年) |
価格 | 234,980円(税込)~
|
付属品 | ・各種マニュアル ・電源ケーブル ・キーボード/マウス |
※2018年7月4日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
外観
シンプルなデザイン

フロントのロゴからもわかるように、クーラーマスター製のミニタワー型静音ケース【Silencio 352】を採用しています。ベーシックな静音ケースとして根強い人気があります。
装飾などの類は一切なく、落ち着きのあるデザインとなっており、使う人を選びません。シンプルながら、フロントパネルの電源ボタンやインターフェースの配置はなかなかオシャレですね。
密閉&防塵構造

静音ケースなので、防音対策はぬかりなし。

音が漏れないように密閉構造を採用しているのがポイント。通気口は前面スリット・天板・背面・底面の4か所ですが、天板部分は基本的にカバーがつけられており、実質3か所のみと最小限に抑えられています。

密閉構造ではありますが、前後2基のファンでスムーズなエアフローを確保しています。


そして、フロントパネル・左右サイドパネルの内側には吸音シートが貼られ、各パーツの動作音をしっかり吸音できるようになっています。肝心の静音性ですが、通常のケースとの違いはあとでチェックしてみましょう。

パソコンの天敵といえばやはりホコリですが、防塵対策もバッチリ。外気を取り込むフロントパネル内側と底面の電源部には防塵フィルターが設置され、完全シャットアウト!まさに密閉構造だからこそできること。通常のケースとはやはり一味違います。

ちなみに、いずれのフィルターもワンタッチで取り外し可能。丸ごと水洗いもお手の物です。
ポイントをおさえたインターフェース
小ぶりのケースながら、インターフェースは一通りそろっています。
USB端子USB3.0・2.0があわせて計9ポートも搭載されています。またフロント部分にはSDスロット、背面には古いキーボードやマウスを再利用できるPS2ポートが搭載されており、ポイントはしっかりおさえてあります。
グラフィックボードの映像出力端子は、DVI-D、HDMI、DisplayPort×3と現在主流のものは一通りそろっています。DVIがあるので、古めのモニターにも直接つなげられるのはいあ外と便利ですね。
内部
高い拡張性

自作用のケースらしく、電源下置きの一般的なパーツ配置です。

ミニタワーながら余ったスペースをフル活用し、拡張性が非常に高くなっています。5インチベイ1基に3.5インチベイ2基とここまでは標準的ですが、なんと2.5インチ設置スペースが4つも用意されています。

2.5インチSSDを全部取り付けるとこんな感じになります。一昔前とは異なり、今では大容量の2.5インチSSDがお手頃価格になってきているので、これはありがたいですね。

もちろん最近のトレンドである、裏配線にも対応。裏配線とは、ケース裏側の配線用スペースにかさばるケーブル類をまとめることで、エアフローを向上させる一種の手法です。
ただこのケースは吸音シートの分だけ裏配線スペースが狭く、細めのケーブルのみ裏に配線してあります。太めのケーブルは正面の空きスペースを活用して、エアフローの妨げにならないよう、きれいにまとめてあります。
水冷式CPUクーラー搭載

ミニタワーケースなので、各種パーツを取り付けるマザーボードは小型のMicro-ATXサイズとなっています。ボードはMSI製の【Z370M-S01】というモデルで、高速のNVMeに対応したM.2スロットもしっかり完備。サムスンの960 EVOが搭載されています。
そして、このモデルではCPUの発熱対策として、水冷式CPUクーラーを標準装備しているのがポイント。
水冷式は、冷却液をポンプで循環させ、CPUの熱をラジエーターで発散する仕組み。標準の小型クーラーよりも冷却能力が圧倒的に高く、ピーク時には約20~30℃も低い冷却能力を発揮します。ただでさえ熱い6コア12スレッドのCore i7-8700Kを強力に冷やします。
また、CPUの熱をダイレクトに外部へ排熱できるのも水冷式のいいところ。このモデルでは左サイドのラジエーターから直接排気するので、内部に熱がこもらないのも◎。
ブロワファンタイプのGTX 1070 Ti搭載

グラボは4K入門に最適なGTX 1070 Tiを搭載しています。GTX 1080に匹敵する性能ながら、割安なので非常にコスパに優れたグラボです。
ブロワファンを搭載した一般的なモデルで、これまたMSI製のボードとなっています。ブロワファンは大口径のファンを搭載したものよりも冷却性能は落ちますが、強制的に背面に排熱するので、内部のエアフローを乱さないという点では優れています。
PCの心臓ともいえる電源には、電力変換効率最大88%を誇る500Wのシルバークラス電源を搭載。コンセントからの電力を効率よく変換できる、省エネ・低発熱の優れものです。メーカーは定番のFSP製で、品質面も安心。
なお、電源は底面から吸気して背面に直接排熱するので、グラボと同じく内部のエアフローを乱さないのはグッド。
温度


こちらはFF14ベンチマークを実行した際の各パーツの温度です。なお、室温は25℃です。
コア・スレッド数1.5倍で前世代のCore i7よりもさらに熱くなったCore i7-8700Kですが、CPUの温度は50℃前後で良く冷えています。また、グラボは80℃ちょっとで、ブロワファンタイプの標準的な温度におさまっています。
またNVMeタイプのSSDは発熱が高めですが、50℃程度におさまっているので、特に熱暴走の心配はありません。
密閉式のケースですが、通常のケースとほぼ変わらない冷却性能をもち、内部に熱がこもる心配はありません。
静音性のチェック

同じくFF14のベンチマークにて、実際の騒音値を測定してみました。ミドルタワーの【Rシリーズ(空冷式CPUクーラー搭載)】と比較してみましょう。※無響室・防音室での測定ではないので、あくまで参考までにどうぞ
ケースの左側面にて計測した結果です
アイドル時では両者ともにほぼ同じですが、「ピーク時で50デシベルを超えない」のが静音ケースの強みであることがわかります。
数字だけだと大して差が無いように感じてしまいますが、体感としてはピーク時の風切り音がマイルドになり、気にならなくなるといった感じです。耳障りなノイズが大幅にカットされるのは数値以上の効果ですね。
ベンチマーク
CINEBENCH
CPUは最新のインテル第8世代【Core i7-8700K】を搭載しています。第7世代のCore i7では4コア8スレッドでしたが、6コア12スレッドになり大幅にパワーアップ。さらに「K」付きなので、より高いパフォーマンスを発揮します。
3Dグラフィックのレンダリングソフト「CINEBENCH」で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみると、この通りCore i7-7700Kよりも約45%も性能が向上しています。ゲームはもちろん、実況配信さらには動画編集何でもこなせるオールラウンダーCPUですね。
FF14

ゲーミングPC業界において、ある意味「標準ベンチマークソフト」ともいえるFF14ベンチマーク。
DirectX 11・フルHD解像度・最高品質という重量級のグラフィック設定で、スコア7000以上の「非常に快適」をマークできれば、現行オンラインゲームを幅広くプレイできるスペックだと判断することができます。
ただし、平均60fpsをキープして快適にということであれば、スコア9000以上は欲しいです。