パソコン工房 Ryzen 5 2400G・Ryzen 3 2200G搭載2モデルをレビュー AMDが誇る最新APUの実力は!?
ゲーミングPC2018.04.26

今回パソコン工房の【LEVEL-M0B3-R5G-VHS・LEVEL-M0B3-R3G-VHS】をお借りしました。
待望のRyzen APUを搭載したエントリーゲーミングPCの実力やいかに。Ryzen 5とRyzen 3の両モデルを比べながらチェックしてみましょう。
スペック
| LEVEL-M0B3-R5G-VHS
| LEVEL-M0B3-R3G-VHS |
サイズ | W190×D410×H356mm |
OS | Windows 10 Home(64ビット) |
CPU | AMD Ryzen 5 2400G ・4コア8スレッド ・3.6/最大3.9GHz | AMD Ryzen 3 2200G ・4コア ・3.5/最大3.7GHz |
メモリ | 8GB(4GB×2 DDR4-2400) |
ストレージ | 240GB SSD |
グラフィクス | Radeon Vega 11 Graphics | Radeon Vega 8 Graphics |
チップセット | AMD B350 チップセット |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
電源 | 350W(80PLUS BRONZE) |
保証 | 1年(最大4年) |
価格 | 69,980円(税込)~
| 62,980円(税込)~ |
付属品 | ・各種マニュアル ・電源ケーブル ・キーボード/マウス
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※2018年4月26日時点での内容です。製品仕様・販売価格については変更となる可能性があります。
外観
シンプルながら凝ったデザイン

Mシリーズということで、小ぶりのミニタワーケースとなっています。ミドルタワーよりも高さ・奥行きが一回り小さく、どこにでも気軽に置けるのがポイント。


ブラック&レッドのいかにもなゲーミングカラー。フロントパネルのヘアライン模様も相まって、スマートな印象を受けます。写真だとわかりづらいですが、赤の部分はやや光沢っぽい感じになっています。

サイドには電源ボタンやインターフェースが配置され、電源ボタンは光るギミック付き。さらにエアインテークはブロックパターンになっており、細かいところに遊び心を感じさせます。
高い通気性

ミニタワーケースですが、フロント・サイドに大きく通気口が設置されており、通気性はバツグン。この2か所から吸気し、背面の12cmファンと電源ファンの2か所から排気するスムーズなエアフローを実現しており、熱がこもる心配はありません。
ちなみに吸気ファンは設置されていませんが、吸気ファンはあくまでも補助用なので、特になくても問題ありません。エアフローさえしっかりしておけば万事OK。むしろファンが少ないので静かなのがいいですね。

ちなみに底面にはこの通り、通気口は設置されていません。
お値段以上のインターフェース


ミニタワーケースながら、ミドルタワーケース並みのインターフェースを搭載しています。グラボは非搭載のため、背面はシンプルそのもの。
USB端子は、USB3.0・USB2.0がフロント・背面あわせて計8ポートも搭載されています。そのうち背面の2ポートは最新のUSB3.1 Gen.2となっており、最大10Gbpsの高速転送に対応しています。これだけみても格安モデルとは思えません。
しかもPS2ポートも付いているので、古いキーボードなどを再利用することもできます。映像端子はDVI-D・D-sub・HDMIの3つで、レガシー規格が充実している印象。DisplayPortは非搭載なので注意。
内部
拡張性◎

内部を見てみると、グラボ非搭載ということもあり、非常にすっきりしています。ミニタワーモデルらしく、電源は上置き。ケーブルの裏配線には対応していませんが、余ったスペースできれいにまとまられています。

ミニタワーながら拡張性は下手なミドルタワーケースなみに確保されており、5インチベイが2基に3.5インチベイが4基(内2基は2.5インチベイと共用)の計6基も拡張ベイが用意されています。シンプルなねじ止め式なので、交換増設もお手のもの。
ASUS B350M-A搭載

ミニタワーケースのため、マザーボードは一回り小さいmicro ATX規格のものを搭載しています。チップセットはAMDのB350で、メーカーはASUS製の【B350M-A】となっています。
B350M-Aはスタンダードなマザーボードながら耐久性に優れているのがポイント。【5X Protection III】とよばれる5つの機能では、過電圧や過電流対策、拡張スロットの強化などが施されており、安心してPCを使えるようになっています。

もちろん、最大DDR4-3200対応の高速メモリスロットや、PCIe対応のM.2スロットもしっかり装備。さらにLED電飾まで搭載するこだわりようです。
CPUクーラーはAMD謹製の【Wraith Stealth】クーラーを搭載。ぱっと見普通のトップフロー式CPUクーラーですが、冷却能力が高く、おまけにとても静かです。AMDの新型標準クーラーWraithシリーズはお飾りではなく、実用面もかなり優秀です。

電源はBTOでは標準的なブロンズクラス電源で、容量は350Wと少なめ。ただグラボを搭載していないので、十分すぎる容量ですね。メーカーはアクベル製で、デルタ・FSPなどと肩を並べるBTOの定番メーカーです。
温度
こちらはドラクエ10のベンチマークを実行した際の各パーツの温度です。なお、室温は25℃です。
インテルのCore i5並みのTDP65WのCPUですが、どちらも40℃後半とかなり低めの温度で落ち着いています。AMD純正のCPUクーラーでしっかり冷却できているようです。動作音も静かで余裕を感じさせます。
ベンチマーク
各種ベンチマークソフトでゲームでの性能をチェックしてみましょう。
スペックをチェック

CPUにはAMDのRyzen世代のAPU【Ryzen 5 2400G・Ryzen 3 2200G】を搭載しています。
APUとはざっくりいうとCPUと高性能のグラフィック機能をひとまとめにしたものです。グラフィック機能が高く、軽い3Dゲームを動かせる性能を持っています。一度で二度おいしいのが特徴。なおAPUの仕様上、メモリクロックが上がると性能が向上します。
Ryzen 5は4コア8スレッド、Vega 11グラフィクスを搭載。Ryzen 3は4コア、Vega 8グラフィクスを搭載しています。
8GBメモリに、高速ストレージのSSDが搭載された充実したスペックで、格安ながら実用的なモデルに仕上がっています。
CINEBENCH
3Dグラフィックのレンダリングソフト「CINEBENCH」で、CPUのシングル・マルチでの性能をチェックしてみました。

Ryzenベースというだけあり、APUながら性能はとても優秀。Ryzen 3ですら第7世代のCore i5に匹敵する性能となっており、Ryzen 5も最新第8世代のCore i5の約80%と高い性能です。いずれもフルHDのゲーミングであれば十分なCPUパワーとなっています。
なおRyzen 5とRyzen 3の性能差ですが、スレッド数の違いがそのままスコアに直結し、約42%と大きく差が開いています。
3DMARK
3DMARKは、グラフィックボードやCPUを含めたグラフィック能力を総合的に測定するベンチマークソフト。
DirectX 9(Ice Storm)・DirectX 10(Cloud Gate)・DirectX 11(Sky Diver/Fire Strike)、そして最新のDirectX 12(Time Spy)それぞれの条件で測定することができます。

Time SpyとFire Strikeのスコアをピックアップしてみました。当然といえば当然ですが、最新の内蔵グラフィックよりも圧倒的に性能が高くなっています。
Ryzen 5とRyzen 3の性能差は約15%ほど。エントリーグラボ【GT 1030】に迫る性能のRyzen 5が魅力的です。
ドラクエ10
3Dゲームのベンチマークもチェックしてみましょう。軽めのゲームから順にチェックしていきます。
グラフィック品質にこだわらなければ、ノートPCでもプレイできるほどの軽さが特徴です。スコア5500以上で平均60fpsをキープし、滑らかにゲームを楽しめます。
結果はいずれもフルHD・最高品質でスコア8000オーバー。内蔵GPUにしては破格の性能です。
PSO2
エピソード4にてグラフィック描写が「設定6」に引き上げられましたが、それでもやはり軽いことに変わりありません。スコア4500以上で平均60fpsをキープできます。
フルHD・設定6だと、どちらもカクカク。ワンランク設定を落とした設定5では、Ryzen 5がスコア5009なのに対し、Ryzen 3ではスコア4409と4500を下回ってしまいます。PSO2レベルになるとはっきり明暗が分かれてしまいますね。
モンスターハンターフロンティアZ
こちらも軽めのゲームとなっており、スコア6000以上で平均60fpsをキープできます。
フルHDだと、いずれもスコア6000に届かず。HD(1280×720)に落としてようやく滑らかになるレベルです。
ドラゴンズドグマ オンライン
このゲームもPSO2と同じく、軽めのゲームです。スコア7000以上で「とても快適」となります。スコア5800以上で平均60 FPSをキープできます。
軽めとはいえど、どちらもHD(1280×720)・標準品質でやっとこさスコア5800を超えてきます。ここまで見てきてわかることは、APUで太刀打ちできるのはドラクエ10・PSO2レベルの特に軽いゲームのみということです。
FF14
ゲーミングPC業界において、ある意味「標準ベンチマークソフト」ともいえるFF14ベンチマーク。
DirectX 11・フルHD解像度・最高品質という重量級のグラフィック設定で、スコア7000以上の「非常に快適」をマークできれば、現行オンラインゲームを幅広くプレイできるスペックだと判断することができます。
60fpsをキープして快適にプレイするにはスコア9000以上必要ですが、HD(1280×720)・標準品質に設定を落としても、スコア9000オーバーならず。
ただ一番低い設定といえども、Ryzen 5が「非常に快適」をマークしているので、内蔵GPUにしては破格の性能ということは確かです。
FF15
「ファイナルファンタジー」シリーズ第15番目の最新作「ファイナルファンタジーXV WINDOWS EDITION」のベンチマークです。スコア6000以上で【快適】評価で、平均60fps以上でプレイできます。
FF14と同じくDirectX 11ですが、オープンワールド&4K/8K解像度に公式対応していることもあり、ケタ違いに重くなっています。推奨GPUにGTX 1060(グラフィックメモリ6GB)を要求してくるレベルです。
結果はご覧の通り、いずれもHD(1280×720)で一応動かせるといったレベルです。
PUBG

人気沸騰中のバトルロイヤルゲーム【PUBG】のスコアも測ってみました。重量級のグラフィックでゲーミングPC泣かせのタイトルです。
測定条件
解像度はフルHD
時間帯は日中、快晴
パラシュート降下後、1分間のダッシュ&屋内探索
Ryzen 5 | ウルトラ | 高 | 中 | 低 |
平均fps | ー | ー | ー | 28fps |
最低fps | ー | ー | ー | 6fps |
最高fps | ー | ー | ー | 43fps |