- RTX 3070をやや下回る性能で、4K入門に最適
- DXR性能は低く、DLSSにも非対応
- 搭載パソコンの予算目安は17~24万円台
AMDのハイスペックグラボ・RX 6700 XTが登場。RTX 3070のライバルモデルの実力と、おすすめBTOパソコンをチェックしてみましょう。
RX 6700 XTのスペックまとめ
RX 6700 XTの仕様
RX 6800 XT | RX 6700 XT | RX 6600 XT | RTX 3070 | RTX 3060 | |
コア | Navi 21(RDNA 2) | Navi 22(RDNA 2) | Navi 23 XT(RDNA 2) | GA104(Ampere) | GA106(Ampere) |
プロセスルール | 7nm | 7nm | 7nm | 8nm | 8nm |
シェーダプロセッサ数 | 4608基 | 2560基 | 2048基 | 5888基 | 3584基 |
レイトレーシングユニット数 | 72基 | 40基 | 32基 | 46基 | 28基 |
Tensorコア数 | ー | ー | ー | 184基 | 112基 |
動作クロック | ー | ー | ー | 1500MHz | 1320MHz |
ゲームクロック | 2015MHz | 2424MHz | 2359MHz | 1725MHz | 1777MHz |
ブーストクロック | ー | ー | ー | 1725MHz | 1777MHz |
ブースト最大クロック | 2250MHz | 2581MHz | 2589MHz | ー | ー |
メモリークロック | 16GHz | 16GHz | 16GHz | 14GHz | 15GHz |
メモリータイプ | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 |
メモリーインターフェース | 256bit | 192bit | 128bit | 256bit | 192bit |
メモリーバス幅 | 512GB/s | 384GB/s | 256GB/s | 448GB/s | 360GB/s |
メモリー搭載量 | 16GB | 16GB | 8GB | 8GB | 12GB |
TDP | 300W | 230W | 160W | 220W | 170W |
PCI Express | 4.0 | 4.0 | 4.0 | 4.0 | 4.0 |
外部電源 | 8ピン+8ピン | 8ピン+6ピン | 8ピン | 12ピン | 8ピン |
RX 6700 XTは、RDNA 2アーキテクチャをベースにしたGPUで、コアには”Navi 22”を採用。上位のRX 6800 XTと比較すると、性能の要となるシェーダプロセッサ数は、RX 6800 XTの約55%程度と大きく差が開いており、WQHD~4K入門に最適な性能となっています。
GeForceとは設計が異なるので、単純には比較できませんが、トランジスタの規模的にRTX 3070がライバルとなります。RTX 3070に比べ、コアの動作クロックが高く、グラフィックメモリを多く搭載しているのがポイント。特に、最近のゲームはグラフィックメモリをガッツリ使うので、16GBという大容量は頼もしい限りです。
なお、メモリーインターフェースが192bitに抑えられているのがネックですが、”Infinity Cache”を搭載することで、メモリアクセス性能を向上させ、広い帯域幅を確保しています。なお、キャッシュ容量は96MBとなっており、RX 6800 XTの75%相当と、多めに搭載されています。
ちなみに、RX 6700 XTでは、リアルタイムレイトレーシングを処理する”Ray Accelerator”を搭載しており、こちらもRX 6800 XTの約55%となっています。ただし、RTX 3000シリーズに比べると性能は低く、Tensorコアを搭載していないため、DLSS対応ゲームでフレームレートを底上げできないのがウィークポイントです。
余談にはなりますが、DLSSに近い機能として、”FidelityFX Super Resolution(FSR)”というのがあります。これはDLSSと同じくフレームレートを向上させる機能ですが、Tensorコアを必要とせず、Radeonでも使える汎用性の高さが魅力の機能となっています。
リリース当初は、画像処理が粗さがネックでしたが、最近ではDLSSに匹敵するレベルに精度が向上。対応ゲームも増えてきており、予算重視ならRadeonシリーズを選ぶのもありです。
ベンチマーク
Ryzen 9 5900X・16GBメモリ(DDR4-3200)の組み合わせで実際の性能をチェックしてみましょう。
3DMark
おなじみのベンチマークソフトです。
まずDirectX11をベースにしたFire Strikeからチェックしてみると、RX 6700 XTはRX 6800 XTに約35~48%差をつけられ、特に高解像度ではコア数の差がもろに出ています。一方、ライバルのRTX 3070とは、ほぼ互角のスコアをマークしています。
次にDirectX12をベースにしたTime Spyをチェック。
このテストでも、RX 6700 XTとRX 6800 XTとの差は約37~43%と、Fire Strikeとほぼ同じような傾向となっています。両者の差は最大50%近くになり、シェーダプロセッサ数の差だけきっちりついていますね。
なお、このテストではGeForce系が強く、RTX 3070に約11~12%差をつけられています。
最後はDXR(リアルタイムレイトレーシング)性能を測定するPort Royalをチェック。
RTX 6700XTとRX 6800 XTの差は約52%となり、やはりレイトレーシングユニットの差がスコアにしっかり反映されています。
なお、DXRはやはりイマイチで、RTX 3070に約37%も差をつけられています。RX 6800 XTもスコアが振るわず、RTX 3070に約10%差まで迫られるほど。次世代では性能の底上げを期待したいところです。
FF14暁月のフィナーレ
続いて実際のゲームでチェックしていきますが、まずはおなじみのMMORPGゲームから。スコア9000以上で平均60fpsをキープできるようになります。
GeForce系が有利のゲームなので、Radeon系のスコアの伸びはイマイチですね。
RX 6700 XTとRX 6800 XTの差は、フルHDこそ約6%程度ですが、WQHDでは約10%、4Kでは約47%まで開き、やはり4Kで大きく差が付きますね。4Kではスコア9000ぎりぎりと、苦戦しているのが伺えます。
なお、RTX 3070はRTX 6700 XTをコンスタントに上回り、約17~21%差をつけ、フルHDとWQHDではRX 6800 XTを上回るほどのハイスコアをマークしています。
Apex Legends
DirectX11ベースのFPSゲームで、グラフィック負荷は割と軽め。
RX 6700 XTとRX 6800 XTとの差は、平均fpsで約23~37%と、解像度が大きくなるにつれ大きくなります。4Kで高リフレッシュレートディスプレイを生かすなら、RX 6800 XTクラスは欲しいところです。
なお、このゲームもGeForceがやや有利といったところで、RTX 3070がRX 6700 XTを上回り、約14~23%差をつけています。この差はかなり大きく、4Kで平均100fpsをキープできるのは魅力的ですね。
Borderlands 3
DirectX12ベースの超重量級FPSゲームです。
RX 6700 XTとRX 6800 XTの差はコンスタントに大きく、平均fpsは約20~40%差となり、4Kで大きく差がつくのは変わらず。コアの差もさることながら、メモリの帯域幅が狭いこともあり、高解像度だとRX 6800 XTにおいて行かれてしまいますね。
なお、またしてもRTX 3070がRX 6700 XTを上回り、約10~17%差をつけています。やはりRTX 3070はメモリの帯域幅が広いので、意外と4Kでfpsが伸びます。
Watch Dogs Legion
DirectX12をベースにした、超重量級のTPSゲームで、DXRに対応しています。
RX 6700 XTとRX 6800 XTでは、高解像度で非常に大きな差がつき、フルHDでは約29%、WQHDでは約44%、4Kともなると約56%にまで拡大します。ほかのゲームと同じく、高解像度で伸び悩む傾向にあります。
RTX 3070はRX 6700 XTを上回っており、フルHDでは約10%の差が、WQHDと4Kでは約20~22%になり、メモリ帯域がボトルネックとなっています。
こちらはDXRモードにした際の結果で、設定は”最高”で計測しています。
DXRモードは特に負荷が高いのですが、傾向は変わらず、RX 6700 XTとRX 6800 XTとの差はフルHDでは約20%、4Kでは約47%となります。
なお、DXRに強いRTX 3070がRX 6700XTよりも有利で、WQHDまでは約20~29%上回り、RX 6800 XTに迫るほど。ただし、4Kではグラボがボトルネックとなるので、ほぼ互角となります。
BIOHAZARD VILLAGE
DirectX12ベースの重量級TPSゲームですね。設定は”最高”で計測しています。
上のゲームから一転、割と軽めのレイトレーシングということで、フレームレートの伸びは良好。RX 6700 XTとRX 6800 XTとの差はかなり大きく、約51~61%にもなります。
なお、RTX 3070はRX 6700 XTを約25~34%上回っており、4Kでも平均60fpsをキープできます。4K性能ならRTX 3070に分がありますね。
消費電力
Time Spy実行時の消費電力を計測しました。
RX 6700 XTとRX 6800 XTとの消費電力の差は約18%で、性能差を考えると、ワットパフォーマンスはさほど良くはありません。なお、RTX 3070よりも約5%ほど少なくなっています。
結局RX 6700 XTはどうなの?
RX 6700 XTの性能は、RX 6800 XTの50~70%程度と大きく差をつけられ、メモリ帯域の狭さもあり、ライバルのRTX 3070を下回るパフォーマンスとなっています。WQHDでのゲーミングに最適な性能で、4Kはあくまでも入門レベルといったところですね。
また、RTX 6700 XTに限らずRadeon全般に言えることですが、DXR性能が低く、DLSSにも非対応というのもネック。RTX 3070に比べ、どうにも見劣りしてしまいます。
そのため、搭載モデルの価格は17~24万円台と、RTX 3070よりも割安。予算重視のハイスペックモデルとしておすすめです。
RX 6700 XT搭載のおすすめゲーミングPC
GALLERIA/ガレリア XA5R-67XT(ドスパラ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Ryzen 5 5600X
■チップセット:B550チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RX 6700 XT
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe)
■電源:650W(80PLUS BRONZE)
■大型CPUクーラー搭載
■価格:204,980円(税込)~
性能と価格のバランスに優れたモデル
AMDの第4世代6コア12スレッドCPU・Ryzen 5 5600XとRX 6700 XTを搭載した、4K入門に最適なミドルタワーモデル。Ryzen 5 5600Xは、ミドルクラスCPUながらゲーミング性能が高く、上位のRyzen 7 5800Xに匹敵する高い性能を発揮します。
16GBメモリに1TB SSDの非常に充実した初期構成で、SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプを採用。さらに、大型CPUクーラーを搭載しているので、冷却面も万全です。
曲線を用いた美しいケースは、裏配線&チャンバー構造を採用することで、高いエアフローを実現。さらに、LEDイルミネーションやクリアサイドパネルを搭載しており、トータルでの完成度が高い一台に仕上がっています。ワンランク上のミドルクラスモデルとしておすすめ。
基本的にはカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームとデータ類の保存先を分けることができ、さらに便利になります。
GALLERIA/ガレリア RM5R-67XT 3600搭載(ドスパラ)
【スペック】
■OS:Windows 10
■CPU:Ryzen 5 3600
■チップセット:A520チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-2666)
■グラボ:RX 6700 XT
■ストレージ:SSD 500GB(PCie NVMe)
■電源:650W(80PLUS BRONZE)
■大型CPUクーラー搭載
■価格:179,980円(税込)~
予算重視の低価格モデル
AMDの第3世代6コア12スレッドCPU・Ryzen 5 3600とRX 6600 XTを搭載した、4K入門に最適なミニタワーモデル。
大容量の16GBメモリに大容量SSDの充実した初期構成で、SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプを採用。さらに、大型CPUクーラーを搭載しているので、冷却面も万全です。
曲線を用いた美しいケースは、裏配線&チャンバー構造を採用することで、高いエアフローを実現。さらに、LEDイルミネーションやクリアサイドパネルを搭載しており、トータルでの完成度が高い一台に仕上がっています。予算重視でケースのクオリティにもこだわりたい方におすすめ。
基本的カスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームとデータの保存先を分けることができ、とても便利。
LEVEL-R969-127-DUX(パソコン工房)
【スペック】
■OS:Windows 10
■CPU:Core i7-12700
■チップセット:Z690チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RX 6700 XT
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe)
■電源:700W(80PLUS BRONZE)
■大型CPUクーラー搭載
■価格:242,980円(税込)~
高性能CPU搭載モデル
インテルの第12世代12コア20スレッドCPU・Core i7-12700とRX 6700 XTを搭載した、4K入門に最適なミドルタワーモデル。第12世代のCore i7は、Wコアシステムを採用することにより、大幅に性能が向上しています。
16GBメモリに1TB SSDの非常に充実した初期構成で、SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプを採用。さらに、大型CPUクーラーを搭載しており、冷却面も万全です。
ケースの完成度も高く、シースルーのガラス製サイドパネルを装備するほか、ケース内部は裏配線構造を採用しており、エアフローはとてもスムーズ。拡張性もしっかり確保され、本格的なモデルに仕上がっています。
基本的にはカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームとデータ類の保存先を分けることができ、さらに便利になります。
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