- RTX 3080から最大約60%性能が向上
- DLSS 3に対応し、4Kで優れた安定感を発揮
- 搭載パソコンの予算目安は35~50万円台
RTX 4000シリーズの第2弾となる、ハイエンドクラスのRTX 4080の実力と、おすすめモデルをチェックしてみましょう。
RTX 4080のスペックまとめ
レイトレーシング&DLSS対応
RTXシリーズでは、”RTコア”と”Tensorコア”を搭載しています。
RTコアは”レイトレーシング技術(RT)”に対応しており、反射・影・ライティングなどをリアルに再現可能。ゲームでのイメージを見てもわかるように、炎の描写が車体にもしっかり表現され、従来よりもさらに臨場感が増しています。
また、AI機能のTensorコアは”DLSSモード”に対応しており、低い解像度でレンダリングした映像をアップスケーリングし、さらにアンチエイリアスを最適化することで、フレームレートを大幅に向上させることができます。ゲームの快適性が目に見えて上がり、とても便利。
そのほか、RTXシリーズはOptiXにも対応しているのもポイント。Blenderなどの3DCG作成ソフトでは、RTコアを活用した高速レンダリングや、Tensorコアを活用した高速のノイズ除去機能を搭載し、ヘビーなCG作成作業で高いパフォーマンスを発揮します。
RTX 4080の仕様
RTX 4090 | RTX 4080 | RTX 3090 | RTX 3080 | |
コア | AD102(Ada Lovelace) | AD103(Ada Lovelace) | GA102(Ampere) | GA102(Ampere) |
プロセスルール | 4nm | 4nm | 8nm | 8nm |
CUDAコア数 | 16384基 | 9728基 | 10496基 | 8704基 |
RTコア数 | 128基 | 76基 | 82基 | 68基 |
Tensorコア数 | 512基 | 304基 | 328基 | 272基 |
動作クロック | 2235MHz | 2210MHz | 1395MHz | 1440MHz |
ブーストクロック | 2520MHz | 2505MHz | 1695MHz | 1710MHz |
メモリークロック | 21GHz | 22.4GHz | 19.5GHz | 19GHz |
メモリータイプ | GDDR6X | GDDR6X | GDDR6X | GDDR6X |
メモリーインターフェース | 384bit | 256bit | 384bit | 320bit |
メモリーバス幅 | 1008GB/s | 716GB/s | 936GB/s | 760GB/s |
メモリー搭載量 | 24GB | 16GB | 24GB | 10GB |
L2キャッシュ | 72MB | 64MB | 6MB | 6MB |
TDP | 450W | 320W | 350W | 320W |
PCI Express | 4.0 | 4.0 | 4.0 | 4.0 |
外部電源 | 16ピン | 16ピン | 12ピン | 12ピン |
製造プロセスは8nmから4nmへさらに微細化。グラフィック描写の要となるCUDAコア数は、RTX 3080から約12%増加しています。
VRAM(グラフィックメモリ)の規格はGDDR6Xで変わらず。容量は16GBと6GBも増えているほか、動作クロックやメモリクロックが大きく引き上げられています。4KではVRAMを特に多く使いますが、16GBもあれば容量不足で困ることはまずありません。
その一方で、メモリーインターフェースやメモリーバス幅はいずれも下回り、メモリーインターフェースに至ってはRTX 3070レベルとなっています。ただし、それらは高いメモリクロック&大容量のL2キャッシュでカバーしており、高解像度でも安定して高いパフォーマンスを発揮します。
レイトレースエンジンの”RT Core”は第3世代へ進化し、RTX 3080からRT Coreは約12%増加。
シェーダー処理を最適化する”Shader Execution Reordering”や、複雑なジオメトリのレンダリングを高速化する”Micro-Mesh Engine”、不透明な物体の処理を高速化する”Opacity Micro-Map Engine”などの新機能が追加れ、大幅な性能向上を実現しています。
AI処理エンジン”Tensor Core”は第4世代へ進化し、Tensor Core数も約12%増加。DLSSも第3世代の”DLSS 3”へ進化しています。
GPUコアに内蔵された”Optical Flow Accelerator”を使い、映像のフレーム間に中間フレームを補完することで、描写の負荷を大きく軽減し、フレームレートを大幅に上げることが可能。ウルトラヘビー級のゲーム・Cyberpunk 2077では、約4倍以上もパフォーマンスが向上しています。
なお、TDPは320WとRTX 3080から据え置きなので、ワットパフォーマンスは良好です。
ベンチマーク
Ryzen 9 5900X・32GBメモリ(DDR4-3200)の組み合わせで実際の性能をチェックしてみましょう。
3DMark
おなじみのベンチマークソフトです。
まずDirectX11をベースにしたFire Strikeでは、特に4K&WQHDで大幅に性能が向上し、RTX 4080はRTX 3080に約55~58%差をつけています。一方、フルHDでは約37%差とやや小さく、高解像度で優れたパフォーマンスを発揮します。
なお、上位のRTX 4090はさらにその上を行き、4Kではさらに約43%も高いスコアをマーク。最上位にふさわしい、化け物じみた性能となっています。
次に最新のDirectX12をベースにしたTime Spyをチェック。
Fire Strikeと同じような傾向で、RTX 4080はRTX 3080よりも約59~62%高いスコアをマーク。RTX 3090にも約50%差をつけ、前世代を圧倒しています。なお、RTX 4090の4K性能は非常に高く、さらに約37%上回っています。
そしてRT(リアルタイムレイトレーシング)性能を測定するPort Royalをチェック。
RTコアの進化により、RT性能もしっかり向上。RTX 4080はRTX 3080よりもRTコアが少ないのですが、約55%高いスコアをマーク。さらに、RTコア数の多いRTX 3090よりも約44%高くなっています。一世代変わるだけで、だいぶ進化しますね。
ちなみに、RTX 4090との差は約43%と大きめですが、コア数のわりに伸び幅は控えめ。
最後はDLSS性能を測るDLSS feature testをチェック。RTX 4090のみDLSS 3モードとなっており、現状DLSS 3はRTX 4000シリーズの専用機能となっています。
DLSS 3は4Kで真価を発揮し、fpsはノーマルモードの3倍にもなります。その実力はRTX 3080やRTX 3090の約2.4~2.6倍にもなり、フレームの補完で大きく変わることが分かりますね。
一方、WQHDではDLSS 3での伸び幅は約2.5倍とやや縮小。RTX 3090やRTX 3080 Tiの差も約2.2~2.4倍縮まるものの、圧倒的なのは変わりません。
なお、RTX 4090との差はWQHDで約27%、4Kで約38%となり、やはり4Kにめっぽう強いことが分かります。
FF14暁月のフィナーレ
続いて実際のゲームでチェックしていきますが、まずはおなじみのMMORPGゲームから。スコア9000以上で平均60fpsをキープできるようになります。
RTX 4080はRTX 3080よりも約22~34%、RTX 3090より約17~26%高いスコアをマークし、4Kで大きめの差をつけます。なお、RTX 4090との差は4Kで約19%となる一方、フルHDではCPUがボトルネックとなるため、ほとんど差が付きません。
Borderlands 3
DirectX12ベースの超重量級FPSゲームです。
このゲームはCPUへの負荷が非常に高く、低解像度だとCPUがボトルネックとなります。そのため、WQHD&フルHDでのRTX 4080とRTX 3080の差は、平均fpsで10%以内と小さめ。一方、4Kではグラボの性能をしっかり発揮することができ、両者の差は約37%まで拡大します。
なお、RTX 4090との差はフルHD&WQHDでは約2~3%とかなり小さく、4Kでは約23%と拡大します。
Halo Infinite
DirectX12ベースの重量級FPSゲームです。
このゲームではフルHDでCPUがボトルネックとなり、RTX 4080とRTX 3080との差は平均fpsで約10%、RTX 3090との差も約4%と小さくなっています。それ以上では差が大きくなり、約49~74%差まで拡大します。フルHDで使うにはもったいない性能ですね。
なお、RTX 4090との差は、WQHDまでは約2~6%と小さいものの、4Kでは約32%まで拡大します。
Far Cry 6
DirectX12ベースの重量級FPSゲームです。
やはりCPUがボトルネックとなり、WQHDまでは横並びですね。4Kでは差が大きくなるものの、RTX 3080との差は平均fpsで約27%、RTX 3090との差も約20%と控えめ。4Kでは本領を発揮するものの、なお、RTX 4090との差は4Kでも約6%にとどまっています。
Cyberpunk 2077
DirectX12をベースにした、ウルトラヘビー級のFPSゲーム。レイトレーシングを有効にしており、DLSS設定は”バランス”で計測しています。
DLSS 3の効果が非常に大きく、ノーマルモードよりも約4倍もfpsが向上。4K×RTでのプレイも実用的なレベルに進化しています。
その実力はDLSS 2のRTX 3080やRTX 3090を圧倒し、約1.8~2倍差をつけています。なお、RTX 4090との差は約32%となります。
消費電力
Time Spy実行時の消費電力を計測しました。
TDPがRTX 3080から据え置きということで、実際の消費電力もほぼ同じ。性能の上り幅を考えると、ワットパフォーマンスはかなり良好ですね。
結局RTX 4080はどうなの?
RTX 3080から最大約60%も性能が向上し、DLSS 3対応ゲームでは約2~3倍と、圧倒的なパフォーマンスを発揮します。
なお、搭載モデルの価格は価格は35万円~とかなり高め。予算重視ならワンランク下のRTX 4070 Ti搭載モデルで手を打つのもアリ。絶対妥協したくない方はRTX 4090搭載モデルを選びましょう!
RTX 4080搭載のおすすめゲーミングPC
LEVEL-R779-LC137KF-VLX(パソコン工房)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-13700KF
■チップセット:Z790チップセット
■メモリ:32GB(DDR5-4800)
■グラボ:RTX 4080
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe Gen.4)
■電源:1000W(80PLUS PLATINUM)
■水冷式CPUクーラー搭載
■価格:358,800円(税込)~
予算重視のコスパモデル
インテルの第13世代16コア24スレッドCPU・Core i7-13700KFとRTX 4080を搭載した、ド安定の4K性能が魅力のミドルタワーモデル。
32GBメモリに1TB SSDの特盛構成で、SSDは爆速のPCIe Gen.4タイプを採用。さらに、冷却性能に優れた水冷式CPUクーラーのほか、電源には最大92%の電力変換効率を誇る、省エネ・低発熱のプラチナクラス電源を搭載する徹底ぶりです。
この内容で35万円台と安く、コスパ◎。
基本的にはカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームとデータ類の保存先を分けることができ、さらに便利になります。
GALLERIA/ガレリア ZA7C-R48(ドスパラ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-13700KF
■チップセット:Z790チップセット
■メモリ:16GB(DDR5-4800)
■グラボ:RTX 4080
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe Gen.4)
■電源:1000W(80PLUS PLATINUM)
■水冷式CPUクーラー搭載
■価格:384,980円(税込)~
高品質ケース採用モデル
インテルの第13世代16コア24スレッドCPU・Core i7-13700KFとRTX 4080を搭載した、ド安定の4K性能が魅力のミドルタワーモデル。
16GBメモリに1TB SSDの非常に充実した初期構成で、SSDは爆速のPCIe Gen.4タイプを採用。さらに、冷却性能に優れた水冷式CPUクーラーのほか、電源には最大92%の電力変換効率を誇る、省エネ・低発熱のプラチナクラス電源を搭載する徹底ぶりです。
曲線を用いた美しいケースは、裏配線&チャンバー構造を採用することで、高いエアフローを実現。さらに、LEDイルミネーションやクリアサイドパネルを搭載しており、トータルでの完成度が高い一台に仕上がっています。
ケースのクオリティや保証&サポートを重視するならおすすめ。
基本的にはカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームとデータ類の保存先を分けることができ、さらに便利になります。
GALLERIA/ガレリア XA7C-R48(ドスパラ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-13700F
■チップセット:B760チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 4080
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe)
■電源:850W(80PLUS GOLD)
■大型空冷式CPUクーラー搭載
■価格:364,980円(税込)~
先に紹介したドスパラのモデルをCore i7-13700Fにしたバージョンです。予算重視ならおすすめ。構成のグレードは下がりますが、十分実用的。
基本的にカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージ構成にすると、ゲームとデータの保存先を分けることができ、さらに便利になります。
GALLERIA/ガレリア ZA9C-R48 第13世代Core搭載(ドスパラ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i9-13900KF
■チップセット:Z790チップセット
■メモリ:16GB(DDR5-4800)
■グラボ:RTX 4080
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe Gen.4)
■電源:1000W(80PLUS PLATINUM)
■水冷式CPUクーラー搭載
■価格:444,980円(税込)~
先に紹介したドスパラのモデルを、インテルの第13世代24コア32スレッドCPU・Core i9-13900KFにしたバージョンです。Core i7-13700Kよりも約30%性能が高く、とことん性能にこだわるならおすすめ。
基本的にカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージ構成にすると、ゲームとデータの保存先を分けることができ、さらに便利になります。
G-Tune FZ-I9G80
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i9-13900KF
■チップセット:Z790チップセット
■メモリ:32GB(DDR5-4800)
■グラボ:RTX 4080
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe Gen.4)
■電源:1200W(80PLUS PLATINUM)
■水冷式CPUクーラー搭載
■価格:509,800円(税込)~
※レビューモデルではRTX 2080 Tiを搭載しています。本体イメージの確認におすすめ。
サポート&保証重視ならG-Tuneがおすすめ
インテルの第13世代24コア32スレッドCPU・Core i9-13900KFとRTX 4080を搭載した、ド安定の4K性能が魅力のフルタワーモデル。
32GBメモリに1TB SSDの特盛仕様で、SSDはNVMeタイプでも特に高速の”Gen.4規格”を採用。さらに、最大92%の電力変換効率を誇るプラチナクラス電源のほか、水冷式CPUクーラーを搭載するこだわりよう。文句なしのパーフェクト構成です。
ケースのフロント部分は強化ガラス製でとてもスタイリッシュ。ケース自体の完成度も高く、ケース内部は電源とストレージを分離配置した”チャンバー構造”になっており、エアフローがとてもスムーズです。とことんクオリティにこだわる方におすすめ。
ちなみに、G-Tuneは保証が充実しているのもポイント。G-Tuneでは延長保証が定額制で安く、例えば3年延長保証+センドバック修理保証に7,700円(税込)で加入することができます。また、24時間365日の電話サポート&96時間以内で修理完了が標準メニューとして用意されており、万が一でも安心。
サポート&保証重視ならおすすめ。
基本的にカスタマイズ不要ですが、ゲーム専用のSSDを搭載すると、より便利になります。
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