- RTX 3090とほぼ同等の性能
- DLSS 3に対応し、4K・レイトレーシングで高い安定感を発揮
- 搭載パソコンの予算目安は26~40万円台
RTX 4000シリーズの第3弾となる、ハイスペッククラスのRTX 4070 Tiの実力と、おすすめモデルをチェックしてみましょう。
RTX 4070 Tiのスペックまとめ
レイトレーシング&DLSS対応
RTXシリーズでは、”RTコア”と”Tensorコア”を搭載しています。
RTコアは”レイトレーシング技術(RT)”に対応しており、反射・影・ライティングなどをリアルに再現可能。ゲームでのイメージを見てもわかるように、炎の描写が車体にもしっかり表現され、従来よりもさらに臨場感が増しています。
また、AI機能のTensorコアは”DLSSモード”に対応しており、低い解像度でレンダリングした映像をアップスケーリングし、さらにアンチエイリアスを最適化することで、フレームレートを大幅に向上させることができます。ゲームの快適性が目に見えて上がり、とても便利。
そのほか、RTXシリーズはOptiXにも対応しているのもポイント。Blenderなどの3DCG作成ソフトでは、RTコアを活用した高速レンダリングや、Tensorコアを活用した高速のノイズ除去機能を搭載し、ヘビーなCG作成作業で高いパフォーマンスを発揮します。
RTX 4070 Tiの仕様
当初はVRAM 12GB版のRTX 4080として販売予定でしたが、RTX 4080が2タイプあるのは紛らわしいとの理由で、RTX 4070 Tiとして発売されるに至っています。
RTX 4080 | RTX 4070 Ti | RTX 3080 | RTX 3070 Ti | |
コア | AD103(Ada Lovelace) | AD104(Ada Lovelace) | GA102(Ampere) | GA104(Ampere) |
プロセスルール | 4nm | 4nm | 8nm | 8nm |
CUDAコア数 | 9728基 | 7680基 | 8704基 | 6144基 |
RTコア数 | 76基 | 60基 | 68基 | 48基 |
Tensorコア数 | 304基 | 240基 | 272基 | 192基 |
動作クロック | 2210MHz | 2310MHz | 1440MHz | 1575MHz |
ブーストクロック | 2505MHz | 2610MHz | 1710MHz | 1770MHz |
メモリークロック | 22.4GHz | 21GHz | 19GHz | 19GHz |
メモリータイプ | GDDR6X | GDDR6X | GDDR6X | GDDR6X |
メモリーインターフェース | 256bit | 192bit | 320bit | 256bit |
メモリーバス幅 | 716GB/s | 504GB/s | 760GB/s | 608GB/s |
メモリー搭載量 | 16GB | 12GB | 10GB | 8GB |
L2キャッシュ | 64MB | 48MB | 5MB | 4MB |
TDP | 320W | 285W | 320W | 290W |
PCI Express | 4.0 | 4.0 | 4.0 | 4.0 |
外部電源 | 16ピン | 16ピン | 12ピン | 12ピン |
製造プロセスは8nmから4nmへさらに微細化。グラフィック描写の要となるCUDAコア数は、RTX 3070 Tiから25%増加しています。
VRAM(グラフィックメモリ)の規格はGDDR6Xで変わらないものの、容量は12GBと4GB増え、特にVRAMを使いがちな4K・RTモードにもしっかり対応できます。また、動作クロックやメモリクロックが大きく引き上げられているのもポイントです。
その一方で、メモリーインターフェースやメモリーバス幅はいずれも下回り、メモリーインターフェースに至ってはRTX 3060レベル。ただし、それらは高いメモリクロック&大容量のL2キャッシュでカバーする設計に変更されています。
レイトレースエンジンの”RT Core”は第3世代へ進化し、RTX 3070 TiからRT Coreは25%増加。
シェーダー処理を最適化する”Shader Execution Reordering”や、複雑なジオメトリのレンダリングを高速化する”Micro-Mesh Engine”、不透明な物体の処理を高速化する”Opacity Micro-Map Engine”などの新機能が追加れ、大幅な性能向上を実現しています。
AI処理エンジン”Tensor Core”は第4世代へ進化し、Tensor Core数も25%増加。DLSSも第3世代の”DLSS 3”へ進化しています。
GPUコアに内蔵された”Optical Flow Accelerator”を使い、映像のフレーム間に中間フレームを補完することで、描写の負荷を大きく軽減し、フレームレートを大幅に上げることが可能。ウルトラヘビー級のゲーム・Cyberpunk 2077では、約4倍以上もパフォーマンスが向上しています。
なお、TDPは285WとRTX 3070 Tiからほぼ据え置きなので、ワットパフォーマンスは良好です。
ベンチマーク
Core i7-13700K・32GBメモリ(DDR5-6000)の組み合わせで実際の性能をチェックしてみましょう。
3DMark
おなじみのベンチマークソフトで、まずはDirectX11をベースにしたFire Strikeをチェック。
「元」RTX 4080ということで性能はかなり高く、前世代のハイエンドグラボ・RTX 3090を上回り、約12~16%差をつけています。なお、上位のRTX 4080との差は約22~25%となり、CUDAコアの差がきっちりついています。
次に最新のDirectX12をベースにしたTime Spyをチェック。
こちらもRTX 3090を上回り、RTX 4070 TiはRTX 3090より約17~21%高いスコアをマーク。なお、上位のRTX 4080との差は約22~23%と、ほぼ変わりません。
そしてRT(リアルタイムレイトレーシング)性能を測定するPort Royalをチェック。
RTコアの進化により、RT性能もしっかり向上。RTX 4070 TiはRTX 3090よりもRTコアが少ないのですが、約11%高いスコアをマークしています。
ちなみに、RTX 4080との差は約25%となり、コンスタントに差をつけています。
最後はDLSS性能を測るDLSS feature testをチェック。現状DLSS 3はRTX 4000シリーズの専用機能なので、RTX 4000シリーズのみDLSS 3モードを有効にしています。
その実力ですが、fpsの伸び幅はノーマルモードの2.4~3倍!RTX 3090の約1.8~2倍にもなり、フレームの補完で大きく変わることが分かりますね。なお、DLSSは解像度が高いほど効果を発揮するのがポイントです。
ちなみに、RTX 4080との差は約19~20%となっています。
FF14暁月のフィナーレ
続いて実際のゲームでチェックしていきますが、まずはおなじみのMMORPGゲームから。スコア9000以上で平均60fpsをキープできるようになります。
RTX 3090を上回るスコアをマークしていますが、その差は約5~9%と小さめ。なお、RTX 4080との差はフルHD・WQHDでは約14~15%ですが、4Kでは約25%まで拡大。4KではVRAMが弱めということで、フレームレートの伸びがやや悪くなる傾向です。
Overwatch 2
DirectX11ベースの軽量級FPSゲームです。
WQHDまではRTX 4070 TiがRTX 3090を上回っているものの、4Kでは逆転され、平均fpsで約4%差をつけられています。性能そのものは高いのですが、やはり高解像度ではVRAMがボトルネックになる感じですね。
なお、RTX 4080との差は約18~28%と、解像度が上がるにつれ大きくなります。
Tiny Tina’s Wonderlands
DirectX12ベースの超重量級FPSゲームです。
Overwatch 2と同じく4Kで逆転され、その差は平均fpsで約4%となっています。また、RTX 4080との差は約18~25%と、解像度が上がるにつれ大きくなります。
Far Cry 6
DirectX12ベースの重量級FPSゲームです。
RTX 4070 TiとRTX 3090との差は平均fpsで約1~2%と非常に小さく、ほぼ互角レベル。また、RTX 4080との差は約6~17%と、やはり解像度が高くなるにつれ大きくなります。
余談ですが、このゲームはCPUへの負荷が非常に高いため、低解像度だとCPUがボトルネックとなり、特にフルHDでは差がつきにくくなっています。
Call of Duty: Modern Warfare II
DirectX12ベースの重量級FPSゲームです。
こちらはRTX 3090にきっちり差をつけており、平均fpsで約20~25%上回っています。VRAMの影響次第で結果がだいぶ違ってくることがわかりますね。なお、RTX 4080との差は約8~13%となっています。
Cyberpunk 2077
DirectX12をベースにした、ウルトラヘビー級のFPSゲーム。レイトレーシングを有効にしており、DLSS設定は”バランス”で計測しています。
DLSS 3の効果が非常に大きく、ノーマルモードよりも約3.8倍もfpsが向上。4K×RTでのプレイも実用的なレベルに進化しています。
その実力はDLSS 2のRTX 3090を約50%上回っており、安定感バツグン。なお、RTX 4080との差は約19%となっています。
消費電力
Time Spy実行時の消費電力を計測しました。
RTX 3090とほぼ同等の性能ながら、ピーク時では約15%も消費電力が少なく、ワットパフォーマンスはかなり良好です。
RTX 4070 Tiの性能まとめ
VRAMの弱さが玉に瑕ですが、RTX 3090とほぼ同等のパフォーマンスを発揮し、4Kでのゲーミングに最適。DLSS 3対応ゲームではレイトレーシングを有効にしつつ、快適にプレイすることも可能です。
搭載モデルの価格は26万円~と、RTX 4080に比べだいぶ割安。4K・レイトレーシング込みでゲームをプレイするならおすすめです。なお、予算重視ならRTX 4070もあり。
RTX 4070 Ti搭載のおすすめゲーミングPC
LEVEL-R779-LC137KF-UL9X(パソコン工房)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-13700KF
■チップセット:Z790チップセット
■メモリ:32GB(DDR5-4800)
■グラボ:RTX 4070 Ti
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe)
■電源:800W(80PLUS GOLD)
■水冷式CPUクーラー搭載
■価格:299,800円(税込)~
高性能の格安モデル
インテルの第13世代16コア24スレッドCPU・Core i7-13700KFとRTX 4070 Tiを搭載した、4Kでのゲーミングに最適なミドルタワーモデル。
32GBメモリに1TB SSDの特盛構成で、冷却性能が非常に高い水冷式CPUクーラーのほか、電源には最大90%の電力変換効率を誇る、省エネ・低発熱のゴールドクラス電源を搭載する徹底ぶりです。
コスパが非常に高く、RTX 4070 Ti搭載モデルならまずおすすめ。
基本的にはカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームとデータ類の保存先を分けることができ、さらに便利になります。
GALLERIA/ガレリア XA7C-R47T 第13世代Core搭載(ドスパラ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-13700F
■チップセット:B760チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 4070 Ti
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe)
■電源:750W(80PLUS GOLD)
■大型空冷式CPUクーラー搭載
■価格:284,980円(税込)~
※実機モデルはCore i7-13700KFを搭載した上位モデルとなります。
高品質ケース採用の予算重視モデル
インテルの第13世代16コア24スレッドCPU・Core i7-13700FとRTX 4070 Tiを搭載した、4Kでのゲーミングに最適なミドルタワーモデル。
16GBメモリに1TB SSDの非常に充実した初期構成で、SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプを採用。さらに、冷却性能が高い大型空冷式CPUクーラーのほか、電源には最大90%の電力変換効率を誇る、省エネ・低発熱のゴールドクラス電源を搭載する徹底ぶりです。
曲線を用いた美しいケースは、裏配線&チャンバー構造を採用することで、高いエアフローを実現。さらに、LEDイルミネーションやクリアサイドパネルを搭載しており、トータルでの完成度が高い一台に仕上がっています。
予算重視ならおすすめ。
基本的にはカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームとデータ類の保存先を分けることができ、さらに便利になります。
LEVEL-R779-LC127-UL9X(パソコン工房)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-12700
■チップセット:Z790チップセット
■メモリ:16GB(DDR5-4800)
■グラボ:RTX 4070 Ti
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe)
■電源:800W(80PLUS GOLD)
■水冷式CPUクーラー搭載
■価格:264,800円(税込)~
先に紹介したパソコン工房のモデルを、インテルの第12世代12コア20スレッドCPU・Core i7-12700したバージョンです。
Core i7-13700との性能差は約20%程度ですが、十分性能が高く、特に予算を重視するならおすすめです。
基本的にはカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームとデータ類の保存先を分けることができ、さらに便利になります。
GALLERIA/ガレリア ZA9C-R47T 第13世代Core搭載(ドスパラ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i9-13900KF
■チップセット:Z790チップセット
■メモリ:16GB(DDR5-4800)
■グラボ:RTX 4070 Ti
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe Gen.4)
■電源:850W(80PLUS GOLD)
■水冷式CPUクーラー搭載
■価格:369,980円(税込)~
先に紹介したドスパラのモデルを、インテルの第13世代24コア32スレッドCPU・Core i9-13900KFにしたバージョン。Core i7-13700Kよりも約30%性能が高く、とことん性能にこだわるならおすすめ。SSDは爆速のPCIe Gen.4タイプを採用しているのもポイントです。
基本的にカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージ構成にすると、ゲームとデータの保存先を分けることができ、さらに便利になります。
G-Tune FZ-I7G7T(G-Tune)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-13700KF
■チップセット:Z790チップセット
■メモリ:32GB(DDR5-4800)
■グラボ:RTX 4070 Ti
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe Gen.4)
■電源:1000W(80PLUS PLATINUM)
■水冷式CPUクーラー搭載
■価格:409,800円(税込)~
※レビューモデルではRTX 2080 Tiを搭載しています。本体イメージの確認におすすめ。
サポート&保証重視ならG-Tuneがおすすめ
インテルの第13世代16コア24スレッドCPU・Core i7-13700KFとRTX 4070 Tiを搭載した、4Kでのゲーミングに最適なフルタワーモデル。
32GBメモリに1TB SSDの特盛仕様で、SSDはNVMeタイプでも特に高速の”Gen.4規格”を採用。さらに、最大92%の電力変換効率を誇るプラチナクラス電源のほか、水冷式CPUクーラーを搭載するこだわりよう。文句なしのパーフェクト構成です。
ケースのフロント部分は強化ガラス製でとてもスタイリッシュ。ケース自体の完成度も高く、ケース内部は電源とストレージを分離配置した”チャンバー構造”になっており、エアフローがとてもスムーズです。とことんクオリティにこだわる方におすすめ。
ちなみに、G-Tuneは保証が充実しているのもポイント。G-Tuneでは延長保証が定額制で安く、例えば3年延長保証+センドバック修理保証に7,700円(税込)で加入することができます。また、24時間365日の電話サポート&96時間以内で修理完了が標準メニューとして用意されており、万が一でも安心。
サポート&保証重視ならおすすめ。
基本的にカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージ構成にすると、ゲームとデータの保存先を分けることができ、さらに便利になります。
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