- RTX 3070よりも約20~30%性能が高く、RTX 3080とほぼ同等の性能
- DLSS 3に対応し、4Kでのゲーミングにまずおすすめ
- 搭載パソコンの予算目安は19~26万円台
RTX 4000シリーズの第4弾となる、ハイスペッククラスのRTX 4070の実力と、おすすめモデルをチェックしてみましょう。
RTX 4070のスペックまとめ
レイトレーシング&DLSS対応
RTXシリーズでは、”RTコア”と”Tensorコア”を搭載しています。
RTコアは”レイトレーシング技術(RT)”に対応しており、反射・影・ライティングなどをリアルに再現可能。ゲームでのイメージを見てもわかるように、炎の描写が車体にもしっかり表現され、従来よりもさらに臨場感が増しています。
また、AI機能のTensorコアは”DLSSモード”に対応しており、低い解像度でレンダリングした映像をアップスケーリングし、さらにアンチエイリアスを最適化することで、フレームレートを大幅に向上させることができます。ゲームの快適性が目に見えて上がり、とても便利。
そのほか、RTXシリーズはOptiXにも対応しているのもポイント。Blenderなどの3DCG作成ソフトでは、RTコアを活用した高速レンダリングや、Tensorコアを活用した高速のノイズ除去機能を搭載し、ヘビーなCG作成作業で高いパフォーマンスを発揮します。
RTX 4070の仕様
RTX 4070 Ti | RTX 4070 | RTX 3080 | RTX 3070 | |
コア | AD104(Ada Lovelace) | AD104(Ada Lovelace) | GA102(Ampere) | GA104(Ampere) |
プロセスルール | 4nm | 4nm | 8nm | 8nm |
CUDAコア数 | 7680基 | 5888基 | 8704基 | 5888基 |
RTコア数 | 60基 | 46基 | 68基 | 46基 |
Tensorコア数 | 240基 | 184基 | 272基 | 184基 |
動作クロック | 2310MHz | 1920MHz | 1440MHz | 1500MHz |
ブーストクロック | 2610MHz | 2475MHz | 1710MHz | 1725MHz |
メモリークロック | 21GHz | 21GHz | 19GHz | 14GHz |
メモリータイプ | GDDR6X | GDDR6X | GDDR6X | GDDR6 |
メモリーインターフェース | 192bit | 192bit | 320bit | 256bit |
メモリーバス幅 | 504GB/s | 504GB/s | 760GB/s | 448GB/s |
メモリー搭載量 | 12GB | 12GB | 10GB | 8GB |
L2キャッシュ | 48MB | 36MB | 5MB | 4MB |
TDP | 285W | 200W | 320W | 220W |
PCI Express | 4.0 | 4.0 | 4.0 | 4.0 |
外部電源 | 16ピン | 16ピン | 12ピン | 16ピン |
同じくAD104をベースにしたRTX 4070 Tiのデチューン版といったところで、グラフィック描写の要となるCUDAコア数はRTX 4070 Tiの約77%、RTX 3070と同数になっています。なお、動作クロックが引き上げられ、メモリーのL2キャッシュ増加により実効性能が向上しているので、性能はRTX 3070からしっかり向上しています。
VRAM(グラフィックメモリ)の規格はGDDR6Xで変わらないものの、容量は12GBとRTX 3070から4GB増え、4Kでのゲーミングにもしっかり対応できます。一方で、メモリーインターフェースやメモリーバス幅はいずれも下回り、メモリーインターフェースに至ってはRTX 3060レベルとなっています。
ただし、それらは先に紹介した大容量のL2キャッシュでカバーする設計となっており、その容量は36MBと、RTX 3070の9倍にもなります。
レイトレースエンジンの”RT Core”は第3世代へ進化し、CUDAコア数と同じくRTX 4070 Tiの約77%、RTX 3070と同数になっています
シェーダー処理を最適化する”Shader Execution Reordering”や、複雑なジオメトリのレンダリングを高速化する”Micro-Mesh Engine”、不透明な物体の処理を高速化する”Opacity Micro-Map Engine”などの新機能が追加れ、大幅な性能向上を実現しています。
AI処理エンジン”Tensor Core”は第4世代へ進化し、DLSSも第3世代の”DLSS 3”へ進化しています。ちなみに、Tensor Coreの数もRTX 4070 Tiの約77%、RTX 3070と同数で変わりなし。
GPUコアに内蔵された”Optical Flow Accelerator”を使い、映像のフレーム間に中間フレームを補完することで、描写の負荷を大きく軽減し、フレームレートを大幅に上げることが可能。ウルトラヘビー級のゲーム・Cyberpunk 2077では、約4倍以上もパフォーマンスが向上しています。
なお、TDPは200WとRTX 3070より少なく、ワットパフォーマンスはとても良好です。
ベンチマーク
Core i7-13700K・32GBメモリ(DDR5-6000)の組み合わせで実際の性能をチェックしてみましょう。
3DMark
おなじみのベンチマークソフトで、まずはDirectX11をベースにしたFire Strikeをチェック。
RTX 3070と比較すると、約18~30%高いスコアをマークし、RTX 3080とほぼ同等の性能に進化しています。ただし、4KではVRAMがネックになり、RTX 3080に約9%とやや差をつけられ、高解像度ではL2キャッシュでもカバーできていないようですね。
なお、上位のRTX 4070 Tiとの差は約15~30%となり、特に4KではVRAMの差がもろに出ています。さすがにRTX 4070 Tiは「元」RTX 4080なだけあり、性能はかなり高いです。
次に最新のDirectX12をベースにしたTime Spyをチェック。
RTX 3070よりも約30~33%高く、RTX 3080相当のスコアをマークしています。4KだとRTX 3080を下回るのはこのテストでも同じ。なお、上位のRTX 4070 Tiとの差は約19~24%となっています。
そしてRT(リアルタイムレイトレーシング)性能を測定するPort Royalをチェック。
RTコアの進化により、RT性能もしっかり向上。RTX 3070と同じコア数ながら、約37%高いスコアをマークしています。なお、RTX 3080にはわずかながら及ばず、RTコアは進化しているものの、コア数の差(22基)をカバーできていない感じ。
ちなみに、RTX 4070 Tiとの差は約23%となり、コンスタントに差をつけています。
最後はDLSS性能を測るDLSS feature testをチェック。現状DLSS 3はRTX 4000シリーズの専用機能なので、RTX 4000シリーズのみDLSS 3モードを有効にしています。
DLSS 3の効果てきめんといったところで、fpsの伸び幅はノーマルモードの2.5~3.2倍!RTX 3080に約46~52%差をつけており、フレームの補完で大きく変わることが分かりますね。なお、DLSSは解像度が高いほど効果を発揮するのがポイントです。
ちなみに、RTX 4070 Tiとの差は約20~22%となっています。
FF14暁月のフィナーレ
続いて実際のゲームでチェックしていきますが、まずはおなじみのMMORPGゲームから。スコア9000以上で平均60fpsをキープできるようになります。
RTX 3070よりも約12~20%高いスコアをマーク。RTX 3080とほぼ同等ですが、4Kだと約9%差をつけられており、やはりVRAMの弱さがネックになっています。なお、RTX 4070 Tiとの差はフルHD・WQHDでは約5~8%と小さいものの、4Kでは約20%まで拡大し、キャッシュの差がしっかり出ていますね。
Overwatch 2
DirectX11ベースの軽量級FPSゲームです。
RTX 3070よりも平均fpsは約17~30%高いものの、高解像度でVRAMがネックになり、伸びはイマイチ。いずれの解像度でもRTX 3080を下回り、WQHDでは約8%、4Kでは約15%も差をつけられています。
なお、RTX 4070 Tiとの差は約27~28%となっています。
Tiny Tina’s Wonderlands
DirectX12ベースの超重量級FPSゲームです。
RTX 3070よりも平均fpsは約19~30%高くなっており、やはり4Kでの伸びがイマイチ。RTX 3080とはWQHDまではほぼ互角ですが、4Kでは約12%差をつけられています。また、RTX 4070 Tiとの差は約25~27%と、変わらず大きめです。
Call of Duty: Modern Warfare II
DirectX12ベースの重量級FPSゲームです。
このゲームではRTX 3070より約35~38%と大きく差をつけ、RTX 3080をコンスタントに上回り、ゲーム次第で結果が異なることがわかりますね。なお、RTX 4070 Tiとの差は約23~27%となっています。
Hogwarts Legacy
DirectX12をベースにした、ウルトラヘビー級のアクションゲーム。レイトレーシングを有効にしており、DLSS設定は”バランス”で計測しています。
RTX 3070から約24~32%fpsが向上。WQHDまではRTX 3080を超えるものの、4Kで逆転されるパターンですね。なお、いずれの解像度でも平均60fpsを下回っており、DLSSは必須です。
DLSS 3(フレーム補完)の効果が非常に大きく、4Kでは約3.4倍もfpsが向上。平均72fpsをマークしており、かろうじて平均60fpsのRTX 3080とは安定感が一味違います。
なお、RTX 4070 Tiは約18%さらに高くなっており、平均85fpsと安定感◎。4K・レイトレーシングで余裕を持たせるならRTX 4070 Tiがおすすめ。
Cyberpunk 2077
ホグワーツに勝るとも劣らない、ウルトラヘビー級のFPSゲーム。レイトレーシングを有効にしており、DLSS設定は”バランス”で計測しています。
4K・レイトレーシングともなると、グラフィック負荷だけでなくVRAM使用量も大きく上がるため、VRAMが10GB以下だとパフォーマンスが大幅に低下。RTX 4070とRTX 3080との差は2倍と、圧倒的な差がついています。
なお、4K・WQHDではいずれも平均60fpsを下回っており、DLSSは必須です。
やはりDLSS 3(フレーム補完)の効果が非常に大きく、4Kでは約4.1倍もfpsが向上。平均60fpsを超えており、4Kでもレイトレーシングを有効にして楽しむことができます。RTX 3080もRTコアがかなり多いので、fpsは大幅に向上しますが、平均60fpsに届かず。フレーム補完の重要性がわかりますね。
なお、RTX 4070 Tiとの差は4Kで約25%、平均83fpsと安定感の高さが光ります。
消費電力
Time Spy実行時の消費電力を計測しました。
RTX 3080とほぼ同等の性能ながら、ピーク時では約21%も消費電力が少なく、RTX 3070よりもさらに省エネ。ワットパフォーマンスはかなり良好です。
RTX 4070の性能まとめ
RTX 3070から約20~30%性能が向上し、RTX 3080クラスの性能に進化。VRAM周りの弱さで4Kでのパフォーマンスがやや落ちるものの、容量が12GBと多く、DLSS 3にも対応しており、4Kの適正はだんぜん上。搭載モデルの価格は19万円~と、RTX 4070 Tiよりもかなり安く、4Kでのゲーミングならまずおすすめ。
なお、4Kでパフォーマンスを重視するなら、ワンランク上のRTX 4070 Tiがおすすめ。4K・レイトレーシングの安定感がグンと上がります。
RTX 4070搭載のおすすめゲーミングPC
GALLERIA/ガレリア XA7C-R47(ドスパラ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-13700F
■チップセット:B760チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 4070
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe)
■電源:650W(80PLUS BRONZE)
■大型空冷式CPUクーラー搭載
■価格:239,980円(税込)~
高品質ケース採用の予算重視モデル
インテルの第13世代16コア24スレッドCPU・Core i7-13700FとRTX 4070を搭載した、4K対応のミドルタワーモデル。16GBメモリに1TB SSDの非常に充実した初期構成で、冷却性能が高い大型空冷式CPUクーラーを搭載しています。
曲線を用いた美しいケースは、裏配線&チャンバー構造を採用することで、高いエアフローを実現。さらに、LEDイルミネーションやクリアサイドパネルを搭載しており、トータルでの完成度が高い一台に仕上がっています。
コスパに優れた高性能モデルとしておすすめ。
基本的にはカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームとデータ類の保存先を分けることができ、さらに便利になります。
LEVEL-R779-LC137KF-TLX(パソコン工房)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-13700KF
■チップセット:Z790チップセット
■メモリ:32GB(DDR5-4800)
■グラボ:RTX 4070
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe Gen4)
■電源:800W(80PLUS GOLD)
■水冷式CPUクーラー搭載
■価格:289,800円(税込)~
充実した装備が魅力のコスパモデル
インテルの第13世代16コア24スレッドCPU・Core i7-13700KFとRTX 4070を搭載した、4K対応のミドルタワーモデル。
32GBメモリに1TB SSDの特盛仕様で、SSDは爆速のPCIe Gen.4タイプを採用。さらに、冷却性能に優れた水冷式CPUクーラーや、最大92%の電力変換効率を誇るプラチナクラス電源を搭載する徹底ぶりです。
ケースの完成度も高く、ケース内部は裏配線&チャンバー構造を採用しており、エアフローはとてもスムーズ。拡張性もしっかり確保され、シンプルながら機能的なモデルに仕上がっています。予算重視ならまずおすすめ。
基本的にはカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームとデータ類の保存先を分けることができ、さらに便利になります。また、ゲーム専用のSSDを追加するのもあり。
LEVEL-M76M-134-TLX(パソコン工房)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i5-13400
■チップセット:B660チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 4070
■ストレージ:SSD 500GB(PCIe NVMe)
■電源:700W(80PLUS BRONZE)
■価格:199,800円(税込)~
先に紹介したパソコン工房のモデルを、RTX 4070&ミニタワーケース&ブロンズクラス電源にしたバージョンです。19万円台はRTX 4070搭載モデルでは底値でかなりお得。
ちなみに、ミニタワーケースの構造や拡張性は、ミドルタワーケースと共通ですが、マザーボードはコンパクトなmicroATX規格となります。
基本的にカスタマイズ不要ですが、最近のゲームは容量そのものも増えているので、SSDは1TBあると安心。また、HDDを追加してデュアルストレージ構成にすると、ゲームとデータの保存先を分けることができ、さらに便利になります。
G-Tune DG-I7G70(G-Tune)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-13700F
■チップセット:B760チップセット
■メモリ:32GB(DDR5-4800)
■グラボ:RTX 4070
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe Gen.4)
■電源:750W(80PLUS BRONZE)
■水冷式CPUクーラー搭載
■価格:259,800円(税込)~
※実機モデルではRTX 3060を搭載しています。本体イメージの確認におすすめ。
保証&サポート重視ならG-Tuneがおすすめ
インテルの第13世代16コア24スレッドCPU・Core i7-13700FとRTX 4070を搭載した、4K対応のミニタワーモデル。32GBメモリに1TB SSDの特盛構成で、SSDは爆速のPCIe Gen.4タイプを採用しています。さらに、冷却性能が非常に高い水冷式CPUクーラーを搭載しており、冷却面も万全。
また、ケースの完成度も高く、内部は裏配線&チャンバー構造になっており、スムーズなエアフローを実現。さらに、フロント部分にHDMI端子がついているので、VR機器の取り回しもかんたんです。
ちなみに、G-Tuneは保証が充実しているのもポイント。G-Tuneでは延長保証が定額制で安く、例えば3年延長保証+センドバック修理保証に7,700円(税込)で加入することができます。また、24時間365日の電話サポート&96時間以内で修理完了が標準メニューとして用意されており、万が一でも安心。
サポート込みでコスパがとても高くなっています。
基本的にカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージ構成にすると、ゲームとデータを別々に保存でき、さらに便利になります。
G-GEAR GA7J-H230/ZB(ツクモ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-13700
■チップセット:Z690チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 4070
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe)
■電源:750W(80PLUS GOLD)
■価格:264,800円(税込)~
高品質マザーボード搭載のコスパモデル
インテルの第13世代16コア24スレッドCPU・Core i7-13700とRTX 4070を搭載した、4K対応のミドルタワーモデル。16GBメモリに1TB SSDの非常に充実した初期構成で、電源は最大90%の電力変換効率を誇るゴールドクラス電源を搭載しています。
さらに、マザーボードには、高い耐久性と信頼性を誇るASUSの【TUF GAMING Z690-PLUS】を採用。チョークコイルやコンデンサなど重要部品をはじめ、金属プレートで補強された拡張スロットなど、各パーツが軍事規格に準拠しており、とにかくタフ。
フロントにメッシュパネルを採用したケースは通気性がとても高く、トータルで高いクオリティを実現しています。
基本的にはカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームとデータ類の保存先を分けることができ、さらに便利になります。また、CPUの発熱対策として、大型CPUクーラーにするのもあり。
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