- RTX 3060から最大約20%性能が向上
- DLSS 3に対応し、フルHD~WQHDでのゲーミングに対応
- 搭載パソコンの予算目安は15~19万円台
RTX 4000シリーズの第6弾となる、ミドルクラスのRTX 4060の実力と、おすすめモデルをチェックしてみましょう。
RTX 4060のスペックまとめ
レイトレーシング&DLSS対応
RTXシリーズでは、”RTコア”と”Tensorコア”を搭載しています。
RTコアは”レイトレーシング技術(RT)”に対応しており、反射・影・ライティングなどをリアルに再現可能。ゲームでのイメージを見てもわかるように、炎の描写が車体にもしっかり表現され、従来よりもさらに臨場感が増しています。
また、AI機能のTensorコアは”DLSSモード”に対応しており、低い解像度でレンダリングした映像をアップスケーリングし、さらにアンチエイリアスを最適化することで、フレームレートを大幅に向上させることができます。ゲームの快適性が目に見えて上がり、とても便利。
そのほか、RTXシリーズはOptiXにも対応しているのもポイント。Blenderなどの3DCG作成ソフトでは、RTコアを活用した高速レンダリングや、Tensorコアを活用した高速のノイズ除去機能を搭載し、ヘビーなCG作成作業で高いパフォーマンスを発揮します。
RTX 4060の仕様
RTX 4060 Ti | RTX 4060 | RTX 3060 Ti | RTX 3060 | |
コア | AD106(Ada Lovelace) | AD107(Ada Lovelace) | GA104(Ampere) | GA106(Ampere) |
プロセスルール | 4nm | 4nm | 8nm | 8nm |
CUDAコア数 | 4352基 | 3072基 | 4864基 | 3584基 |
RTコア数 | 34基 | 24基 | 38基 | 28基 |
Tensorコア数 | 136基 | 96基 | 152基 | 112基 |
動作クロック | 2310MHz | 1830MHz | 1410MHz | 1320MHz |
ブーストクロック | 2535MHz | 2460MHz | 1665MHz | 1777MHz |
メモリークロック | 18GHz | 17GHz | 14GHz | 15GHz |
メモリータイプ | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 |
メモリーインターフェース | 128bit | 128bit | 256bit | 128・192bit |
メモリーバス幅 | 288GB/s | 272GB/s | 448GB/s | 360GB/s |
メモリー搭載量 | 8・16GB | 8GB | 8GB | 8・12GB |
L2キャッシュ | 32MB | 24MB | 3MB | 2.25MB |
TGP | 160W | 115W | 200W | 170W |
PCI Express | 4.0 | 4.0 | 4.0 | 4.0 |
外部電源 | 16ピン | 8ピン | 16ピン | 8ピン |
RTX 4060では、新規に設計されたAD107を採用。RTX 4060 Tiと比較すると、グラフィック描写の要となるCUDAコア数は約71%となっています。その数はRTX 3060を下回り、約86%と前世代から削減されています。
さらに、VRAM(グラフィックメモリ)周りも弱体化され、メモリーインターフェースやメモリーバス幅はいずれもRTX 3060以下。エントリークラスのRTX 3050レベルとなっており、RTX 4060 Ti共々ミドルクラスにしては物足りない印象ですね。
なお、コア・メモリーの削減分は、RTX 3060の約10倍にもなる大容量のL2キャッシュと、動作クロックの引き上げでカバーする設計となっています。また、TGPはRTX 3060から30%減少し、ワットパフォーマンスが大きく向上しているのもポイントです。
レイトレースエンジンの”RT Core”は第3世代へ進化し、CUDAコア数と同じくRTX 4060 Tiの約71%、RTX 3060 の約86%となっています
シェーダー処理を最適化する”Shader Execution Reordering”や、複雑なジオメトリのレンダリングを高速化する”Micro-Mesh Engine”、不透明な物体の処理を高速化する”Opacity Micro-Map Engine”などの新機能が追加れ、大幅な性能向上を実現しています。
AI処理エンジン”Tensor Core”は第4世代へ進化し、DLSSも第3世代の”DLSS 3”へ進化しています。ちなみに、Tensor Coreの数もRTX 4060 Tiの約71%、RTX 3060の約86%と変わりなし。
GPUコアに内蔵された”Optical Flow Accelerator”を使い、映像のフレーム間に中間フレームを補完することで、描写の負荷を大きく軽減し、フレームレートを大幅に上げることが可能。ウルトラヘビー級のゲーム・Cyberpunk 2077では、約4倍以上もパフォーマンスが向上しています。
ベンチマーク
Core i7-13700K・32GBメモリ(DDR5-6000)の組み合わせで実際の性能をチェックしてみましょう。
3DMark
おなじみのベンチマークソフトで、まずはDirectX11をベースにしたFire Strikeをチェック。
RTX 4060とRTX 3060を比較すると、フルHDとWQHDでは約20%高いスコアをマーク。一方、4KではVRAMがネックになり、約12%差と小さくなります。
なお、上位のRTX 4060 Tiとの差は約19~27%、RTX 3060 Tiとの差は約9~29%となり、4Kで特に差が大きくなります。L2キャッシュがさらに減らされていることもあり、4Kはかなりきついですね。
次に最新のDirectX12をベースにしたTime Spyをチェック。
このテストでは、RTX 4060がRTX 3060をコンスタントに上回り、約18~20%差をつけていますが、RTX 3060 Tiとの差は約13~16%とやはり及びません。
なお、RTX 4060 Tiとの差は約26~30%となり、コア数の差がきっちり出ています。
そしてRT(リアルタイムレイトレーシング)性能を測定するPort Royalをチェック。
RTX 4060はRTX 3060よりもRTコアが少ないものの、RTコアの性能そのものが向上しているため、約15%高いスコアをマークし、RTX 3060 Tiに約13%差まで迫るほど。
ちなみに、RTX 4060 Tiとの差は約36%となっています。
最後はDLSS性能を測るDLSS feature testをチェック。現状DLSS 3はRTX 4000シリーズの専用機能なので、RTX 4000シリーズのみDLSS 3モードを有効にしています。
DLSS 3の効果は非常に大きく、fpsの伸び幅はノーマルモードの2.6~3.0倍!前世代を圧倒し、RTX 4060はRTX 3060に約73~89%、RTX 3060 Tiにも約36~39%もの差をつけ、フレームの補完で大きく変わることが分かりますね。
ちなみに、RTX 4060 Tiとの差は約20~34%となり、特に4Kで大きめです。
FF14暁月のフィナーレ
続いて実際のゲームでチェックしていきますが、まずはおなじみのMMORPGゲームから。スコア9000以上で平均60fpsをキープできるようになります。
RTX 4060とRTX 3060との差は約6~8%と小さく、アドバンテージはほとんどなし。RTX 3060 Tiとの差は約5~28%となり、特に4Kではコア・VRAMの差が大きく出ていますね。
なお、RTX 4060 Tiとの差は約8~18%と、解像度が高くなるにつれ大きくなりますが、20%以内に収まっています。
Overwatch 2
DirectX11ベースの軽量級FPSゲームです。
RTX 4060とRTX 3060を比較すると、フルHDでの平均fpsは約25%と大きく差がつく一方、WQHDと4Kでは約13~16%差と小さくなり、フルHDでのパフォーマンスの高さが光ります。RTX 3060 Tiとの差は約17~30%と、WQHD以上で大きくなります。
なお、RTX 4060 Tiとの差は約25~31%と、コンスタントに大きめの差をつけられています。
Fortnite
DirectX12ベースの超重量級FPSゲームです。
Overwatch 2と同じような傾向となり、RTX 4060とRTX 3060を比較すると、フルHDでの平均fpsは約21%と大きく差がつき、WQHDと4Kでは約10~11%差と小さくなります。RTX 3060 Tiとの差は約12~32%と、こちらもWQHD以上で大きくなります。
なお、RTX 4060 Tiとの差は約20~38%となり、特に4Kで大きくなっています。
Call of Duty: Modern Warfare II
DirectX12ベースの重量級FPSゲーム。フレーム補完のない従来のDLSS有効にしており、設定は”バランス”で計測しています。
RTX 4060とRTX 3060を比較すると、フルHDとWQHDでの平均fpsは約22~24%と大きめですが、4Kでは約13%差と小さくなります。高解像度での弱さは変わらずといったところですね。RTX 3060 Tiとの差は約14~19%となり、4Kでも20%以内に収まっています。
なお、RTX 4060 Tiとの差は約21~31%となり、やはり4Kでの差が大きいです。
Cyberpunk 2077
現状では最強クラスとなる、ウルトラヘビー級のFPSゲーム。レイトレーシングを有効にしており、DLSS設定は”バランス”で計測しています。なお、4Kでの負荷が非常高いため、フルHDとWQHDでの結果のみとなります。
RTX 4060とRTX 3060を比較すると、フルHDでの平均fpsは約21%差ですが、WQHDでは約13%差まで小さくなります。ゲームによってはWQHDでも息切れ気味となり、VRAMのインターフェースやバス幅の重要性を実感しますね。
なお、RTX 3060 Tiとの差は約20~24%、RTX 4060 Tiとの差は約34~35%と、きっちり差をつけられています。
やはりDLSS 3(フレーム補完)の効果が非常に大きく、WQHDでは約4.3倍も平均fpsが向上。RTX 4060はRTX 3060を約66~75%上回り、圧倒しています。もちろん、RTX 3060 Tiを上回っていますが、その差は約20~30%と、WQHDで差を詰められます。
なお、RTX 4060 Tiの差は約26~30%と大きく、平均100fpsに迫るほど。WQHDでパフォーマンス重視ならRTX 4060 Tiがおすすめです。
消費電力
Time Spy実行時の消費電力を計測しました。
ピーク時の消費電力ですが、RTX 4060はRTX 3060より約12%少なくなっており、性能向上分を考えると、ワットパフォーマンスはかなり良好です。RTX 4060 TiもRTX 3060レベルということで、RTX 4000シリーズではワットパフォーマンスが大きく向上していることがわかりますね。
RTX 4060の性能まとめ
RTX 3060から最大約20%ほど性能が向上するものの、RTX 3060 Tiには届かず、ややパンチ力に欠ける性能です。VRAMのインターフェースやバス幅が弱いため、ゲームによってはWQHDでも息切れ気味になるのもネックですね。
なお、RTX 4060・RTX 3060のいずれもフルHD~WQHDでのゲーミングに対応しますが、DLSS 3を活用するならRTX 4060搭載モデル、予算重視ならRTX 3060搭載モデルがそれぞれおすすめです。ちなみに、WQHDでパフォーマンスを重視するなら、RTX 4060 Tiがおすすめ。
RTX 4060搭載のおすすめゲーミングPC
GALLERIA/ガレリア RM5C-R46(ドスパラ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i5-13400F
■チップセット:B760チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 4060
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe)
■電源:650W(80PLUS BRONZE)
■大型空冷式CPUクーラー搭載
■価格:159,980円(税込)~
高品質ケース採用の低価格モデル
インテルの第13世代10コア16スレッドCPU・Core i5-13400FとRTX 4060を搭載した、フルHD~WQHDでのゲーミングに対応したミニタワーモデル。16GBメモリに1TB SSDの非常に充実した初期構成で、冷却性能が高い大型空冷式CPUクーラーを搭載しています。
曲線を用いた美しいケースは、裏配線&チャンバー構造を採用することで、高いエアフローを実現。さらに、LEDイルミネーションやクリアサイドパネルを搭載しており、トータルでの完成度が高い一台に仕上がっています。
価格が16万円台と安く、まずおすすめです。
基本的にカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージ構成にすると、ゲームとデータの保存先を分けることができ、さらに便利になります。
GALLERIA/ガレリア XA7C-R46(ドスパラ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-13700F
■チップセット:B760チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 4060
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe)
■電源:650W(80PLUS BRONZE)
■大型空冷式CPUクーラー搭載
■価格:199,980円(税込)~
先に紹介したドスパラのモデルを、インテルの第13世代16コア24スレッドCPU・Core i7-137000F&ミドルタワーケースにしたバージョン。
ミニタワーケースと同じく、LEDイルミネーションやチャンバー&裏配線構造を採用し、拡張性も共通しています。CPUの性能を重視するならおすすめです。
基本的にはカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームとデータ類の保存先を分けることができ、さらに便利になります。
G-GEAR GA7J-HD230/B(ツクモ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-13700F
■チップセット:B660チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 4060
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe)
■電源:750W(80PLUS GOLD)
■価格:185,800円(税込)~
低価格のCore i7搭載モデル
インテルの第13世代16コア24スレッドCPU・Core i7-13700とRTX 4060を搭載した、フルHD~WQHDでのゲーミングに対応したミドルタワーモデル。
16GBメモリに1TB SSDの非常に充実した初期構成で、電源は最大90%の電力変換効率を誇るゴールドクラス電源を搭載しています。フロントにメッシュパネルを採用したケースは通気性がとても高く、トータルで高いクオリティを実現。
Core i7を搭載して価格は18万円台と安く、性能にこだわりつつ予算を抑えたいならおすすめ。
基本的にはカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームとデータ類の保存先を分けることができ、さらに便利になります。また、CPUの発熱対策として、大型CPUクーラーにするのもあり。
G-Tune DG-I5G60(G-Tune)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i5-13400F
■チップセット:B760チップセット
■メモリ:16GB(DDR5-4800)
■グラボ:RTX 4060
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe Gen.4)
■電源:750W(80PLUS BRONZE)
■価格:199,800円(税込)~
※実機モデルではRTX 3060を搭載しています。本体イメージの確認におすすめ。
保証&サポート重視ならG-Tuneがおすすめ
インテルの第13世代10コア16スレッドCPU・Core i5-13400FとRTX 4060 Tiを搭載した、フルHD~WQHDでのゲーミングに対応したミニタワーモデル。16GBメモリに1TB SSDの非常に充実した初期構成で、SSDは爆速のPCIe Gen.4タイプを採用しています。
また、ケースの完成度も高く、内部は裏配線&チャンバー構造になっており、スムーズなエアフローを実現。さらに、フロント部分にHDMI端子がついているので、VR機器の取り回しもかんたんです。
ちなみに、G-Tuneは保証が充実しているのもポイント。G-Tuneでは延長保証が定額制で安く、例えば3年延長保証+センドバック修理保証に7,700円(税込)で加入することができます。また、24時間365日の電話サポート&96時間以内で修理完了が標準メニューとして用意されており、万が一でも安心。
サポート&保証重視ならおすすめ。
基本的にカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージ構成にすると、ゲームとデータを別々に保存でき、さらに便利になります。
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