- RTX 3090から最大約10%性能が向上
- 4K&RTでバツグンのパフォーマンスを発揮
- 搭載パソコンの予算目安は49~58万円台
RTX 3000シリーズ最高峰のグラボが登場。ロマンの塊ともいえるRTX 3090 Tiの実力と、おすすめモデルをチェックしてみましょう。
RTX 3090 Tiのスペックまとめ
リアルタイムレイトレーシング対応
RTX 3000シリーズでも引き続き、RT(リアルタイムレイトレーシング)に対応しています。GPU内部にレイトレーシング専用ユニット”RTコア”を搭載することで、従来よりもさらにリアルな映像描写が可能になっています。
上の画像はBattlefield Vのデモムービーですが、従来のGPUとの違いは一目瞭然。炎の描写が車体にもしっかり表現され、よりリアルになっているのがわかりますね。
さらに、RTコアのほか、AI機能に対応した”Tensorコア”を搭載しています。
Tensorコアを活用した”DLSSモード”では、低い解像度でレンダリングした映像をアップスケーリングし、さらにアンチエイリアスを最適化することで、フレームレートを大幅に向上させることができます。ゲームの快適性が目に見えて上がるので、とても便利ですね。
なお、RT・DLSSいずれも対応したゲームでないと動作しない点に注意!
RTX 3090 Tiの仕様
RTX 3090 Ti | RTX 3090 | RTX 3080 Ti | |
コア | GA102(Ampere) | GA102(Ampere) | GA102(Ampere) |
プロセスルール | 8nm | 8nm | 8nm |
CUDAコア数 | 10752基 | 10496基 | 10240基 |
RTコア数 | 84基 | 82基 | 80基 |
Tensorコア数 | 336基 | 328基 | 320基 |
動作クロック | 1560MHz | 1395MHz | 1365MHz |
ブーストクロック | 1860MHz | 1695MHz | 1665MHz |
メモリークロック | 21GHz | 19.5GHz | 19GHz |
メモリータイプ | GDDR6X | GDDR6X | GDDR6X |
メモリーインターフェース | 384bit | 384bit | 384bit |
メモリーバス幅 | 1008GB/s | 936GB/s | 912GB/s |
メモリー搭載量 | 24GB | 24GB | 12GB |
TDP | 450W | 350W | 350W |
PCI Express | 4.0 | 4.0 | 4.0 |
NVLink SLI | 〇 | 〇 | ー |
外部電源 | 12ピン | 12ピン | 12ピン |
GA102をベースにしたRTX 3090のフルスペックバージョンで、性能の要となるCUDAコアのほか、RTコアやTensorコアが約2%増加しています。さらに、動作クロックやメモリクロックも強化されており、トータルで性能が底上げされています。
ただ、TDPが450Wと非常に大食らい。RTX 3090から約29%も増加しており、ワットパフォーマンスがかなり悪化しているのがネックです。
ベンチマーク
Ryzen 9 5900X・16GBメモリ(DDR4-3200)の組み合わせで実際の性能をチェックしてみましょう。
3DMark
おなじみのベンチマークソフトです。
まずDirectX11をベースにしたFire Strikeですが、RTX 3090 TiはRTX 3090よりも約6~10%高いスコアをマークし、特に4Kで大きく差がついているのがポイント。メモリ帯域幅の強化がしっかり効いている感じです。
なお、RTX 3080 Tiとの差は約6~11%となっています。RTX 3090とRTX 3080 Tiは横並びですが、やはり最上位モデルらしく、きっちり差をつけていますね。
次に最新のDirectX12をベースにしたTime Spyをチェック。
RTX 3090 TiはRTX 3090よりも約10~11%高いスコアをマーク。また、RTX 3080 Tiとの差も同じく約10~11%となっており、やはり高解像度で高いパフォーマンスを発揮します。
最後はRT(リアルタイムレイトレーシング)性能を測定するPort Royalをチェック。
RTX 3090 TiはRTX 3090よりも約10%高いスコアをマーク。RTコアは微増ですが、メモリ帯域幅の強化で、意外と大きく差がついています。
ちなみに、RTX 3080 Tiとの差は約11%となっています。
FF14暁月のフィナーレ
続いて実際のゲームでチェックしていきますが、まずはおなじみのMMORPGゲームから。スコア9000以上で平均60fpsをキープできるようになります。
RTX 3090 TiはRTX 3090よりも約1~6%程度高いスコアをマークし、やはり4Kで差が大きくなります。なお、RTX 3080 Tiとの差も約2~7%となっています。
Borderlands 3
DirectX12ベースの超重量級FPSゲームです。
FF14と同じような結果となり、RTX 3090 TiとRTX 3090の差は平均fpsで約1~7%となり、10%台には届かず。なお、RTX 3080 Tiとの差も約1~8%とあまり変わりません。
Halo Infinite
DirectX12ベースの重量級FPSゲームです。
RTX 3090 TiとRTX 3090との差は、平均fpsで約5~7%と変わらず、RTX 3090 Tiのメリットはさほど感じられません。ただ、RTX 3080 Tiには約8~14%と大きく差をつけています。
Far Cry 6
RTに対応した、DirectX12ベースの重量級FPSゲームです。RT設定は”最大”、HD Textures”ON”で計測しています。
RTX 3090 TiとRTX 3090との差は平均fpsで約2~7%とほぼ変わりませんが、RTX 3080 Tiとの差は約4~12%と大きめです。なお、HD TexturesはVRAMを非常に多く使いますが、12GBのRTX 3080 Tiでも問題なく対応できますね。
Cyberpunk 2077
DirectX12をベースにした、超重量級のFPSゲームで、RT&DLSSに対応しています。RT設定は”サイコ”、DLSS設定は”バランス”で計測しています。
Far Cru 6に近い傾向となり、RTX 3090 TiとRTX 3090との差は約6~8%、RTX 3080 Tiとの差は約10~16%となっています。4Kではこのクラスでも平均60fpsのハードルが高く、DLSSの設定をバランスやパフォーマンスに上げる必要があります。
消費電力
Time Spy実行時の消費電力を計測しました。
ピーク時の消費電力は、RTX 3090から約10%ほど上がり、性能分だけきっちり増えています。600W台後半ということで、電源は800W以上入れておきたいところです。
結局RTX 3090 Tiはどうなの?
最高峰のグラボということですが、RTX 3090からの性能の上げ幅は10%以内と控えめ。それでいて価格は50万円台~と信じられないくらいに高く、コスパは度外視レベルとなっています。
まさにマニア用といったところで、とにかく性能にこだわるなら選ぶのもあり。ゲーマーならRTX 3080 Tiを入れておけば十分ですね。
RTX 3090 Ti搭載のおすすめゲーミングPC
FRGBZ690/39A(FRONTIER)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-12700KF
■チップセット:Z690チップセット
■メモリ:32GB(DDR5-4800)
■グラボ:RTX 3090 Ti
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe)
■電源:1200W(80PLUS PLATINUM)
■大型CPUクーラー搭載
■価格:499,800円(税込)~
フル装備&高コスパモデル
インテルの第12世代12コア20スレッドCPU・Core i7-12700KFとRTX 3090 Tiを搭載した、ド安定の4K&RT性能が魅力のフルタワーモデル。CPUクーラーは空冷式ですが、ツインタワーの大型クーラーとなっており、発熱の高いK付きCPUをしっかり冷却します。
32GBメモリに1TB SSDの特盛仕様で、SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプを採用。さらに、最大92%の電力変換効率を誇るプラチナクラス電源を搭載するこだわりようです。
ケースの完成度も高く、シースルーのガラス製サイドパネルに、見栄えのするLEDラインを搭載。また、フロントパネルは全面メッシュで、ケース内部もチャンバー&裏配線構造を採用しており、通気性はバツグン。もちろん、拡張性もしっかり確保されています。
価格はほぼ50万円と群を抜いて安く、予算重視ならまずおすすめ。
基本的にはカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームとデータ類の保存先を分けることができ、さらに便利になります。また、ゲーム専用のSSDを追加するのもあり。
LEVEL-R769-LC127K-ZAX(パソコン工房)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-12700K
■チップセット:Z690チップセット
■メモリ:32GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 3090 Ti
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe)
■電源:1200W(80PLUS PLATINUM)
■水冷式CPUクーラー搭載
■価格:560,980円(税込)~
保証&冷却重視ならおすすめ
インテルの第12世代12コア20スレッドCPU・Core i7-12700KFとRTX 3090 Tiを搭載した、ド安定の4K&RT性能が魅力のミドルタワーモデル。
32GBメモリに1TB SSDの特盛仕様で、SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプを採用。さらに、冷却性能に優れた水冷式CPUクーラー(24cmラジエーター)や、最大92%の電力変換効率を誇るプラチナクラス電源を搭載する徹底ぶりです。
ケースの完成度も高く、ケース内部は裏配線&チャンバー構造を採用しており、エアフローはとてもスムーズ。拡張性もしっかり確保され、シンプルながら機能的なモデルに仕上がっています。ちなみに、FRONTIERとは異なり、最大4年の延長保証が用意され、特に保証面を重視する方におすすめです。
基本的にはカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームとデータ類の保存先を分けることができ、さらに便利になります。また、ゲーム専用のSSDを追加するのもあり。
ゲーミングPCは高い…とお悩みの方 必見!

関連リンク
ほかのグラフィックボードもチェック
GeForce
Radeon
あわせて知りたい
おトクなセール情報もチェック!



