- RTX 2080 Tiよりも最大約30%性能が向上し、4Kでバツグンの安定感
- RT性能もしっかり底上げされ、4Kでも実用的なパフォーマンスを発揮
- 搭載パソコンの予算目安は27~35万円台
NVIDIAのアーキテクチャが約2年ぶりに刷新!4K&RT性能が大幅に強化された、RTX 3080の実力とおすすめBTOパソコンをチェックしてみましょう。
RTX 3080のスペックまとめ
リアルタイムレイトレーシング対応
RTX 3000シリーズでも引き続き、RT(リアルタイムレイトレーシング)に対応しています。GPU内部にレイトレーシング専用ユニット【RTコア】を搭載することで、従来よりもさらにリアルな映像描写が可能になっています。
上の画像はBattlefield Vのデモムービーですが、従来のGPUとの違いは一目瞭然。炎の描写が車体にもしっかり表現され、よりリアルになっているのがわかりますね。
さらにRTコアのほか、AI機能に対応した【Tensorコア】を搭載しているのもポイント。
Tensorコアを活用した”DLSSモード”では、低い解像度でレンダリングした映像をアップスケーリングし、さらにアンチエイリアスを最適化することで、フレームレートを大幅に向上させることができます。ゲームの快適性が目に見えて上がるので、とても便利ですね。
なお、RT・DLSSいずれも対応したゲームでないと動作しない点に注意!
RTX 3080の仕様
新世代では、仕様からして異次元レベル。前世代から大幅な進化を遂げています。
RTX 3090 | RTX 3080 | RTX 2080 Ti | RTX 2080 SUPER | |
コア | GA102(Ampere) | GA102(Ampere) | TU102(Turing) | TU104(Turing) |
プロセスルール | 8nm | 8nm | 12nm FinFET | 12nm FinFET |
CUDAコア数 | 10496基 | 8704基 | 4352基 | 3072基 |
RTコア数 | 82基 | 68基 | 68基 | 48基 |
Tensorコア数 | 328基 | 272基 | 544基 | 384基 |
動作クロック | 1395MHz | 1440MHz | 1350MHz | 1650MHz |
ブーストクロック | 1695MHz | 1710MHz | 1545MHz | 1815MHz |
メモリークロック | 19GHz | 19GHz | 14GHz | 15.5GHz |
メモリータイプ | GDDR6X | GDDR6X | GDDR6 | GDDR6 |
メモリーインターフェース | 384bit | 320bit | 352bit | 256bit |
メモリーバス幅 | 936GB/s | 760GB/s | 616GB/s | 496GB/s |
メモリー搭載量 | 24GB | 10GB | 11GB | 8GB |
TDP | 350W | 320W | 250W | 250W |
PCI Express | 4.0 | 4.0 | 3.0 | 3.0 |
NVLink SLI | 〇 | ー | 〇 | 〇 |
外部電源 | 12ピン | 12ピン | 8ピン+8ピン | 8ピン+6ピン |
製造プロセスは12nmから8nmへさらに微細化。グラフィック描写の要となるCUDAコアは、RTX 2080 SUPER比で約2.8倍、RTX 2080 Ti比でも2倍とまさに圧倒的です。
VRAM(グラフィックメモリ)も強化され、最新のGDDR6X規格を採用しています。メモリーインターフェースは320bitと広く、メモリークロックも19GHzとかなり高速なため、メモリーバス幅はなんと760GB/sと、RTX 2080 SUPERの約1.5倍の広さを実現しています。
が、VRAM容量が10GBと中途半端なのが気になりますね。最近のゲームは4K、特にRTともなるとVRAMをガッツリ使うので、できればRTX 2080 Tiと同じ11GBかそれ以上は欲しかったところです。。
ちなみに消費電力ですが、性能が向上した分だけ大きく上がり、TDPは300W越えの大喰らい。前世代のように省エネとはいきません。
そのほかのポイントとして、接続規格にPCI Express 4.0をサポートしています。メインとなるインテルの第11・12世代CPU、AMDの第3・4世代CPUともにPCI Express 4.0に対応しているので、グラボの性能をしっかり引き出すことができます。
VRAM 12GBが登場
RTX 3080にも、VRAM12GB版が登場しました。10GB版からの変更点は次の通りです。
- CUDAコア数:8704基⇒8960基
- RTコア数:68基⇒70基
- ベースクロック:1440MHz⇒1260MHz
- メモリーインターフェース:320bit⇒384bit
- メモリーバス幅:760GB/s⇒912GB/s
- メモリー搭載量:10GB⇒12GB
- TDP:320W⇒350W
メモリーの規格が上位のRTX 3080 Tiと同等に強化される一方で、CUDAコアは約3%とわずかな増加にとどまっています。実際に、RTX 3080 10GBとの差はよくて約5%と、だいぶ控えめ。
肝心の搭載モデルの価格ですが、RTX 3080 10GBよりも約5~6万円も高く、性能差を考えるとコスパはかなり悪くなっています。それこそ、RTX 3080 Tiを選んだ方がいいくらいです。4K・RTでゴリゴリゲームをするならRTX 3080 Ti、そうでなければRTX 3080 10GBでうまく調整するくらいがおすすめ。
ベンチマーク
Ryzen 9 3900X・16GBメモリ(DDR4-3200)の組み合わせで実際の性能をチェックしてみましょう。
3DMark
おなじみのベンチマークソフトです。
まずDirectX11をベースにしたFire Strikeですが、RTX 3080はRTX 2080 SUPERに対し、フルHDでは約47%、WQHDでは約54%、4Kでは約61%の差をつけ、大幅にパワーアップ。その実力は、RTX 2080 Tiを軽く超えるほどで、約23~33%ほど性能が高く、高解像度になるにつれその差が開きます。
なお、最上位のRTX 3090との性能差は約4~8%程度と小さく、スペックほどの差はついていません。
次に最新のDirectX12をベースにしたTime Spyをチェック。
RTX 3080はRTX 2080 SUPERに対しWQHDでは約54%、4Kでは約67%の差をつけ、やはり解像度が上がるにつれて性能差が大きくなります。また、RTX 2080 Tiとの性能差は約26~35%、RTX 3090との性能差は約5~6%となり、Fire Strikeとあまり変わらない結果です。
最後はRT(リアルタイムレイトレーシング)性能を測定するPort Royalをチェック。
RTX 2000シリーズではイマイチ物足りなかったRT性能ですが、RTX 3080はRTX 2080 SUPERに対し約64%、RTX 2080 Tiに対し約31%高くなり、実用的な水準まで一気に押し上げています。
ちなみに、RTX 3090との性能差は約12%とあまり差がつかず、モンスター級の仕様にしては、ちょっと物足りない感じ。。
FF14漆黒のヴィランズ
続いて実際のゲームでチェックしていきましょう。
まずはおなじみのMMORPGゲームから。
RTX 3080はRTX 2080 SUPERに対し、フルHD・WQHDでは約9%程度とさほど差がつきませんが、4Kではなんと約39%と大きく差をつけています。
また、RTX 2080 Tiとでは、フルHD・WQHDでは10%以内と差は小さめですが、4Kでは約19%と大きく差がつきます。フルHDやWQHDではグラフィックの負荷が軽いため、CPUがボトルネックとなり、RTX 3080が十分にパフォーマンスを発揮できないようですね。
なお、上位のRTX 3090との差は、約3~5%とわずかです。
Far Cry New Dawn
DirectX11ベースの重量級FPSゲームです。
このゲームは性能差がつきにくく、フルHDとWQHDではほとんど横並び。ただ、4KではRTX 3080が頭一つ抜け出し、RTX 2080 SUPERに対し平均fpsは約29%高くなり、なんとRTX 3090とほぼ互角のパフォーマンスを発揮します。
Boederlands 3
DirectX12ベースの超重量級FPSゲームです。
このゲームはグラフィックの負荷がとにかく重いため、フルHD・WQHDでも大きく差がつき、RTX 3080はRTX 2080 SUPERに対し、平均fpsは約30%高くなっています。さらに、4Kでは約54%も高くなり、平均60fps手前まで迫るほど。とにかく重い”バッドアス”設定でこの性能は驚きですね。
また、RTX 2080 Tiに対し平均fpsは約14~26%高く、解像度が上がるにつれ、きっちり差をつけています。なお、イマイチ振るわないRTX 3090ですが、RTX 3080に対し4Kでは約16%の差をつけ、4Kでは平均60fpsをきっちりキープ。最上位グラボの面目躍如といったところですね。
BIOHAZARD RE:3
DirectX12ベースの重量級TPSゲームですね。
フルHDではRTX 2080 SUPERに対し、平均fpsは約7%ほど高く、RTX 2080 Tiと同等レベルとなっています。が、フルHD以上ではその差がとても大きくなり、WQHDでは約47%、4Kでは約68%もfpsが高くなっています。とにかくRTX 3080は高解像度に強い!
なお、RTX 3090との差は約3~6%程度とやはり小さめですね。
BATTLEFIELD V
同じくDirectX12をベースにした重量級ゲームですが、RT&DLSSに対応しています。
RTは特に重いこともあり、フルHDから大きく差がつきます。RTX 3080はRTX 2080 SUPERに対し、フルHDでは平均fpsが約63%、WQHDでは約70%、4Kでは約71%も高くなり、4Kで平均60fpsをしっかりキープ。また、RTX 2080 Tiよりも約35~39%高く、見事に実用的な水準までのせてきました。
なお、RTX 3090との差はほとんどなし…影が薄いです。。
RTに加え、DLSS機能を有効にした際の結果となります。
フレームレートのアシスト機能としてはとても優秀で、RTX 3080のRTオンリーよりも、平均fpsは約19%も向上し、安定感が格段に上がります。
なお、RTX 2080 SUPERに対し約54%、RTX 2080 Tiに対し約24%と大きく差をつけ、RTX 2080 Tiだとやっとこさ平均60fpsというレベル。RT性能についてはもはや比べるまでもありません。
Metro Exodus
同じくDirectX12をベースにした重量級ゲームで、RT&DLSSに対応しています。
まずRTからチェックしていきますが、RTX 3080とRTX 2080 SUPERとの差は歴然としており、フルHDでは平均fpsが約49%、WQHDでは約54%、4Kでは約52%と大きく差がつきます。RTX 2080 Tiとの性能差は約28~33%ですが、このゲームのRTはとんでもなく重いので、WQHDの時点で平均60fpsを下回ってしまいます。
なお、RTX 3090との差は、最大約19%にもなり、WQHDでは平均60fpsをキープできます。
RTに加え、DLSS機能を有効にした際の結果となります。
RTX 3080のRTオンリーと比べると、平均fpsはWQHDで約16%、4Kでは約50%も向上しています。ただ、それでも4Kでは平均60fpsには至らず、超重量級ともなるとまだまだ厳しいといったところですね。上位のRTX 3090は約9~15%ほど高くなっていますが、4Kで物足りないのは変わらずです。
消費電力
Time Spy実行時の消費電力を計測しました。
RTX 2080 SUPERからTDPが70Wも上がっているため、実際の消費電力は123Wも大きくなっています。500Wオーバーはなかなかインパクトある数値ですが、割合で換算すると約31%となり、性能分だけ順当に上がっているといったところですね。
結局RTX 3080はどうなの?
アーキテクチャの刷新やコア&メモリの増強がしっかり効いており、RTX 2080 SUPERに比べ最大約60%性能が向上。RTX 2080 Tiと比べてみても、最大約30%ほど性能か向上しており、特に4Kでさらに高いパフォーマンスを発揮します。
RTX 2000シリーズではイマイチなRT性能もしっかり上がり、4Kでも実用的な性能に底上げされています。ワンランク上のRTX 3090との性能差はおおむね10%以内と小さく、4Kでゲームを安定して楽しみたいのであればRTX 3080がまずおすすめ。
なお、予算に余裕があるなら、RTX 4070 Ti搭載モデルを選ぶのもいいでしょう。
RTX 3080搭載のおすすめゲーミングPC
GALLERIA/ガレリア ZA7C-R38 RTX 3080 第13世代Core搭載(ドスパラ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-13700KF
■チップセット:Z790チップセット
■メモリ:16GB(DDR5-4800)
■グラボ:RTX 3080(VRAM 10GB)
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe Gen.4)
■電源:750W(80PLUS GOLD)
■水冷式CPUクーラー搭載
■価格:319,980円(税込)~
高品質ケース採用のコスパモデル
インテルの第13世代16コア24スレッドCPU・Core i7-13700KFとRTX 3080(VRAM 10GB)を搭載した、ワンランク上の4K性能が魅力のミドルタワーモデル。
16GBメモリに1TB SSDの非常に充実した初期構成で、SSDは爆速のPCIe Gen.4タイプを採用。さらに、冷却性能が非常に高い水冷式CPUクーラーのほか、電源には最大90%の電力変換効率を誇る、省エネ・低発熱のゴールドクラス電源を搭載する徹底ぶりです。
曲線を用いた美しいケースは、裏配線&チャンバー構造を採用することで、高いエアフローを実現。さらに、LEDイルミネーションやクリアサイドパネルを搭載するこだわりようです。
基本的にはカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームとデータ類の保存先を分けることができ、さらに便利になります。
GALLERIA/ガレリア ZA9C-R38 第13世代Core搭載(ドスパラ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i9-13900KF
■チップセット:Z790チップセット
■メモリ:16GB(DDR5-4800)
■グラボ:RTX 3080(VRAM 10GB)
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe Gen.4)
■電源:850W(80PLUS GOLD)
■水冷式CPUクーラー搭載
■価格:359,980円(税込)~
※実機モデルではCore i9-12900K&アルミケースを搭載しています。
先に紹介したドスパラのモデルを、インテルの第13世代24コア32スレッドCPU・Core i9-13900KFにしたバージョンです。Core i7-13700KFよりも約30%性能が高く、とことん性能にこだわるならおすすめ。
基本的にはカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームとデータ類の保存先を分けることができ、さらに便利になります。
ゲーミングPCは高い…とお悩みの方 必見!

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