- RTX 2070 SUPERよりも約20~40%性能が向上し、4Kでのゲーミングに最適
- RT性能も大きくパワーアップしたものの、4Kではやや力不足
- 搭載パソコンの予算目安は20~22万円台
NVIDIAのアーキテクチャが約2年ぶりに刷新!RTX 2080 Tiに匹敵する性能を手に入れた、RTX 3070の実力とおすすめBTOパソコンをチェックしてみましょう。
RTX 3070のスペックまとめ
リアルタイムレイトレーシング対応
RTX 3000シリーズでも引き続き、RT(リアルタイムレイトレーシング)に対応しています。GPU内部にレイトレーシング専用ユニット【RTコア】を搭載することで、従来よりもさらにリアルな映像描写が可能になっています。
上の画像はBattlefield Vのデモムービーですが、従来のGPUとの違いは一目瞭然。炎の描写が車体にもしっかり表現され、よりリアルになっているのがわかりますね。
さらにRTコアのほか、AI機能に対応した【Tensorコア】を搭載しているのもポイント。
Tensorコアを活用した”DLSSモード”では、低い解像度でレンダリングした映像をアップスケーリングし、さらにアンチエイリアスを最適化することで、フレームレートを大幅に向上させることができます。ゲームの快適性が目に見えて上がるので、とても便利ですね。
なお、RT・DLSSいずれも対応したゲームでないと動作しない点に注意!
RTX 3070の仕様
RTX 3080 | RTX 3070 | RTX 2080 Ti | RTX 2070 SUPER | |
コア | GA102(Ampere) | GA104(Ampere) | TU102(Turing) | TU104(Turing) |
プロセスルール | 8nm | 8nm | 12nm FinFET | 12nm FinFET |
CUDAコア数 | 8704基 | 5888基 | 4352基 | 2560基 |
RTコア数 | 68基 | 46基 | 68基 | 40基 |
Tensorコア数 | 272基 | 184基 | 544基 | 320基 |
動作クロック | 1440MHz | 1500MHz | 1350MHz | 1605MHz |
ブーストクロック | 1710MHz | 1725MHz | 1545MHz | 1770MHz |
メモリークロック | 19GHz | 14GHz | 14GHz | 14GHz |
メモリータイプ | GDDR6X | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 |
メモリーインターフェース | 320bit | 256bit | 352bit | 256bit |
メモリーバス幅 | 760GB/s | 448GB/s | 616GB/s | 448GB/s |
メモリー搭載量 | 10GB | 8GB | 11GB | 8GB |
TDP | 320W | 220W | 250W | 215W |
PCI Express | 4.0 | 4.0 | 3.0 | 3.0 |
NVLink SLI | ー | ー | 〇 | 〇 |
外部電源 | 12ピン | 12ピン | 8ピン+8ピン | 8ピン+6ピン |
製造プロセスは12nmから8nmへさらに微細化。グラフィック描写の要となるCUDAコアは、RTX 2070 SUPER比で約2.3倍、RTX 2080 Ti比で約1.4倍と大幅に増加しています。
ただし、VRAM(グラフィックメモリ)は据え置きとなっており、メモリー規格からメモリー容量にいたるまで、RTX 2070 SUPERと同等です。ただ、RTX 3080と同じく、仕様の割にメモリ容量が少ないのが気になるところ。このグレードならRTX 2080 Tiと同じ11GBか、それ以上は欲しいのが本音です。
なお、消費電力は意外にもTDP220Wと小さく、RTX 2070 SUPERとの差はわずか5W!RTX 2080 Tiよりも30Wも少なく、ワットパフォーマンスは良好です。TDP300W越えのRTX 3080とは全くタイプが異なりますね。
そのほかのポイントとして、PCI Express 4.0をサポートしています。
従来のPCI Express 3.0との性能差ですが、ゲーミングではほとんど差はなく、あっても2~3%とごくわずか。PCI Express 4.0に対応したAMD製CPU(X570&B550チップセットのみ)と、PCI Express 3.0で据え置きのインテル製CPUのどちらを選ぶかは、お好み次第です。
ベンチマーク
Ryzen 9 3900X・16GBメモリ(DDR4-3200)の組み合わせで実際の性能をチェックしてみましょう。
3DMark
おなじみのベンチマークソフトです。
まずDirectX11をベースにしたFire Strikeですが、RTX 3070はRTX 2070 SUPERに対し、フルHDでは約29%、WQHDでは約34%、4Kでは約42%と大きく差をつけます。その性能はRTX 2080 Tiに匹敵するほどで、4Kでは約4%上回っています。
なお、上位のRTX 3080との性能差は約26~28%と大きめ。特に4KではRTX 3080が安定したパフォーマンスを発揮します。
次に最新のDirectX12をベースにしたTime Spyをチェック。
RTX 3070はRTX 2070 SUPERに対しWQHDでは約32%、4Kでは約40%の差をつけ、やはり解像度が上がるにつれて性能差が大きくなります。やはりRTX 2080 Tiに近い性能となっており、4KではわずかながらRTX 3070が上回っています。
なお、RTX 3080との性能差は約32~35%にもなり、さすがにハイエンドクラスなだけありますね。
最後はRT(リアルタイムレイトレーシング)性能を測定するPort Royalをチェック。
RTコアそのものは、RTX 2070 SUPERから6基増えただけとなっていますが、第2世代にアップグレードされており、約33%パフォーマンスが向上。RTX 2080 Tiに約9%差まで迫っています。
なお、RTX 3080との性能差は約42%とかなり大きく、4K×RTならまずこのクラスは押さえておきたいところです。
FF14漆黒のヴィランズ
続いて実際のゲームでチェックしていきましょう。
まずはおなじみのMMORPGゲームから。
RTX 3070はRTX 2070 SUPERに対し、フルHD・WQHDでは約5%差と小さいものの、4Kではなんと約23%差にもなり、RTX 2080 Tiに近いスコアをマーク。高解像度にめっぽう強くなっています。
なお、上位のRTX 3080との差は、フルHD・WQHDでは約7~11%ですが、4Kにもなると約27%と大きく開き、パフォーマンスが格段に向上します。
Far Cry New Dawn
DirectX11ベースの重量級FPSゲームです。
このゲームはCPUがボトルネックとなっており、フルHDとWQHDではほとんど差がつきません。しかし、4Kでは一転、RTX 3070はRTX 2070 SUPERに対し、平均fpsは20%高くなり、RTX 2080 Tiに約6%差まで迫ります。4Kで平均60fpsをキープできるのは魅力的ですね。
なお、RTX 3080との差ですが、4Kで約23%とやはり大きめです。
Borderlands 3
DirectX12ベースの超重量級FPSゲームです。
RTX 3070はRTX 2070 SUPERに対し、フルHDの平均fpsで約15%、WQHDでは約30%、4Kでは約26%高くなり、RTX 2080 Tiとほぼ互角となっています。
なお、RTX 3080との性能差は、フルHDでは約21%、WQHDでは約15%、4Kともなると約30%にもなります。4Kで平均60fps近くというのはすごいですね。
BIOHAZARD RE:3
DirectX12ベースの重量級TPSゲームですね。
RTX 2070 SUPERに対し、フルHDでの平均fpsは約17%程度ですが、それ以上ではその差がとても大きくなり、WQHDでは約38%、4Kでは約34%にもなります。ほかのゲームと同じく、RTX 2080 Tiとの差は約2~8%と小さめです。
なお、RTX 3080は高解像度に強く、フルHDではRTX 3070と誤差レベルですが、WQHDでは約27%、4Kでは約49%差となり、平均100fpsオーバーとまさに圧倒的です。
Call of Duty: Modern Warfare
RTに対応した、DirectX12ベースの重量級ゲームです。
RTX 3070はRTX 2070 SUPERに対し、フルHDでの平均fpsは約31%、WQHDでは約40%、4Kでは約41%高く、高解像度で大きく差がつくようになります。また、このゲームだとRTX 2080 Tiを逆転しており、平均fpsは約3~5%とわずかながら上回っています。
なお、RTX 3080との差は約22~30%となり、頭一つ抜けて強いです。
RTモードのベンチマークとなります。グラフィック負荷がとりわけ重いRTですが、このゲームは軽めの部類に入ります。
RTコアがアップグレードされたこともあり、RTX 3070のRT性能は高めですね。RTX 2070 SUPERに対し、フルHDでの平均fpsは約39%、WQHDで約40%、4Kでは約68%と大きく差をつけ、RTX 2080 Tiと互角かやや高めの性能となっています。
ただ、軽めのRTでも4Kでは平均60fpsを下回り、性能面ではちょっと物足りないですね。なお、上位のRTX 3080との性能差は、4Kではなんと約37%にもなり、見事に平均60fpsをきっちりキープ。さすがに格が違います。
BATTLEFIELD V
同じくDirectX12をベースにした重量級ゲームですが、RT&DLSSに対応しています。
RTだと差が開きやすいのはこのゲームでも同じ。RTX 3070はRTX 2070 SUPERに対し、フルHDでは平均fpsが約33%、WQHDでは約54%、4Kでは約50%も高くなっています。RTX 2080 Tiとほぼ互角ですが、やはり4Kでは平均60fpsに届きません。
なお、RTX 3080との差は約24~35%と大きく、4Kではしっかり平均60fpsをキープします。
RTに加え、DLSS機能を有効にした際の結果となります。
フレームレートのアシスト機能としてはとても優秀で、RTX 3070のRTオンリーよりも、平均fpsは約27%も向上し、4Kで平均60fpsをキープするまでになります。
ただ、あくまでも平均60fpsギリギリと余裕がなく、4KでRTモードを使うのであれば、RTX 3080を選ぶのが無難ですね。
消費電力
Time Spy実行時の消費電力を計測しました。
RTX 2080 Tiとほぼ互角の性能にもかかわらず、RTX 2070 SUPERから33W、割合にして約9%しか上がっておらず、とても省エネ。RTX 3080とは打って変わり、ワットパフォーマンスに優れています。
結局RTX 3070はどうなの?
アーキテクチャの刷新やコアの増強により、RTX 2070 SUPERから約20~40%性能が向上し、RTX 2080 Tiに匹敵するレベルにまでパワーアップ。4KでのゲーミングならまずRTX 3070がおすすめ。
ただ、あくまでもRTX 2080 Tiレベルということで、4K×RTモードには力不足。予算のハードルは高くなりますが、4Kでの安定性を特に重視するなら、RTX 3080を選びましょう。なお、RTX 3080は終息のため、RTX 4070 Tiがおすすめです。
RTX 3070搭載のおすすめゲーミングPC
G-GEAR GA7J-E221/B(ツクモ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-12700
■チップセット:B660チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 3070
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe)
■電源:750W(80PLUS GOLD)
■価格:207,700円(税込)~
コスパに優れたRTX 3070搭載モデル
インテルの第12世代12コア20スレッドCPU・Core i7-12700とRTX 3070を搭載した、4Kでのゲーミングに対応したミドルタワーモデル。
16GBメモリに1TB SSDの非常に充実した初期構成で、電源は最大90%の電力変換効率を誇るゴールドクラス電源を搭載しています。前面がメッシュ加工されたケースは、通気性と冷却能力に優れ、拡張性もバツグン。価格も20万円台と安く、コスパに優れています。
基本的にカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージ構成にすると、ゲームとデータの保存先を分けることができ、さらに便利になります。
G-Tune HN-Z(G-Tune)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-12700KF
■チップセット:Z690チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 3070
■ストレージ:SSD 500(PCIe NVMe Gen.4)
■電源:700W(80PLUS BRONZE)
■水冷式CPUクーラー搭載
■価格:229,900円(税込)~
保証&サポート重視ならG-Tuneがおすすめ
インテルの第12世代12コア20スレッドCPU・Core i7-12700KFとRTX 3070を搭載した、4Kでのゲーミングに対応したミドルタワーモデル。
16GBメモリに500GB SSDの充実した初期構成で、SSDは爆速のPCIe Gen.4タイプを採用。さらに、冷却性能が非常に高い水冷式CPUクーラーを搭載するこだわりようです。
また、ケースの完成度が高いのもポイント。ケース内部は電源とストレージを上部に集約した”チャンバー構造”になっており、エアフローがとてもスムーズ。さらに、フロント部分にHDMI端子がついているので、VR機器の取り回しもかんたんです。
ちなみに、G-Tuneは保証が充実しているのもポイント。G-Tuneでは延長保証が定額制で安く、例えば3年延長保証+センドバック修理保証に7,700円(税込)で加入することができます。また、24時間365日の電話サポート&96時間以内で修理完了が標準メニューとして用意されており、万が一でも安心。
予算重視のハイスペックモデルとしておすすめ。
基本的にカスタマイズ不要ですが、最近のゲームは容量そのものも増えているので、SSDは1TBあると安心。また、HDDを追加してデュアルストレージ構成にすると、ゲームとデータの保存先を分けることができ、さらに便利になります。
ゲーミングPCは高い…とお悩みの方 必見!

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