- RTX 2060 SUPERから約30~40%性能が向上し、WQHDでのゲーミングに最適
- RT性能も大きくパワーアップしたものの、4Kでは力不足
- 搭載パソコンの予算目安は16~20万円台
低価格で高性能!RTX 2080 SUPERを超えるパフォーマンスに進化した、RTX 3060 Tiの実力とおすすめBTOパソコンをチェックしてみましょう。
RTX 3060 Tiのスペックまとめ
リアルタイムレイトレーシング対応
RTX 3000シリーズでも引き続き、RT(リアルタイムレイトレーシング)に対応しています。GPU内部にレイトレーシング専用ユニット【RTコア】を搭載することで、従来よりもさらにリアルな映像描写が可能になっています。
上の画像はBattlefield Vのデモムービーですが、従来のGPUとの違いは一目瞭然。炎の描写が車体にもしっかり表現され、よりリアルになっているのがわかりますね。
さらにRTコアのほか、AI機能に対応した【Tensorコア】を搭載しているのもポイント。
Tensorコアを活用した”DLSSモード”では、低い解像度でレンダリングした映像をアップスケーリングし、さらにアンチエイリアスを最適化することで、フレームレートを大幅に向上させることができます。ゲームの快適性が目に見えて上がるので、とても便利ですね。
なお、RT・DLSSいずれも対応したゲームでないと動作しない点に注意!
RTX 3060 Tiの仕様
RTX 3060 Ti | RTX 3070 | RTX 2080 SUPER | RTX 2060 SUPER | |
コア | GA104(Ampere) | GA104(Ampere) | TU104(Turing) | TU106(Turing) |
プロセスルール | 8nm | 8nm | 12nm FinFET | 12nm FinFET |
CUDAコア数 | 4864基 | 5888基 | 3072基 | 2176基 |
RTコア数 | 38基 | 46基 | 48基 | 34基 |
Tensorコア数 | 152基 | 184基 | 384基 | 272基 |
動作クロック | 1410MHz | 1500MHz | 1650MHz | 1470MHz |
ブーストクロック | 1665MHz | 1725MHz | 1815MHz | 1650MHz |
メモリークロック | 14GHz | 14GHz | 15.5GHz | 14GHz |
メモリータイプ | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 |
メモリーインターフェース | 256bit | 256bit | 256bit | 256bit |
メモリーバス幅 | 448GB/s | 448GB/s | 496GB/s | 448GB/s |
メモリー搭載量 | 8GB | 8GB | 8GB | 8GB |
TDP | 200W | 220W | 250W | 175W |
PCI Express | 4.0 | 4.0 | 3.0 | 3.0 |
NVLink SLI | ー | ー | 〇 | ー |
外部電源 | 12ピン | 12ピン | 8ピン+6ピン | 8ピン |
製造プロセスは12nmから8nmへさらに微細化。GPUコアは上位のRTX 3070と同じくGA104を採用していますが、SM(Streaming Multiprocessor)が一部無効化されており、CUDAコア数はRTX 3070の約83%にとどまっています。
それでも前世代からはしっかり底上げされており、CUDAコアは、RTX 2070 SUPER比で約1.6倍、RTX 2060 SUPER比で約2.2倍と大幅に増加。アッパーミドルクラスながら、前世代のハイエンドクラスの性能を手に入れています。
なお、あくまでもRTX 3070のデチューン版ということで、VRAM(グラフィックメモリ)はGDDR6のまま据え置きとなっており、メモリー規格からメモリー容量にいたるまで、RTX 3070どころかRTX 2060 SUPERと同等。ただ、このグレードでVRAM容量が8GBというのはグッドですね。
なお、RTX 3070以下はTDPが控えめで、RTX 3060 Tiでは200Wに抑えています。さすがにRTX 2060 SUPER並みとはいかないものの、RTX 2080 SUPERよりも50W低くなっており、ワットパフォーマンスは上々です。
そのほかのポイントとして、PCI Express 4.0をサポートしています。
従来のPCI Express 3.0との性能差ですが、ゲーミングではほとんど差はなく、あっても2~3%とごくわずか。PCI Express 4.0に対応したAMD製CPU(X570&B550チップセットのみ)と、PCI Express 3.0で据え置きのインテル製CPUのどちらを選ぶかは、お好み次第です。
ベンチマーク
Ryzen 9 5900X・16GBメモリ(DDR4-3200)の組み合わせで実際の性能をチェックしてみましょう。
3DMark
おなじみのベンチマークソフトです。
まずDirectX11をベースにしたFire Strikeですが、RTX 3060 TiはRTX 2060 SUPERに対し、フルHDでは約34%、WQHDでは約39%、4Kでは約42%とその差は圧倒的。さすがに1.6倍とはいかないものの、RTX 2080 SUPERを追い越し、約5~8%上回っています。
なお、上位のRTX 3070との性能差は約12~15%程度。さほど差はついていない感じですが、4Kだとこの差が意外と効いてきます。
次に最新のDirectX12をベースにしたTime Spyをチェック。
RTX 3060 TiはRTX 2060 SUPERに対しWQHDでは約37%、4Kでは約42%と大きく差をつけています。やはりRTX 2080 SUPERを上回り、約3~9%の差をつけています。
なお、RTX 3070との性能差は約13~15%となり、Fire Strikeとほぼ同じような傾向となっています。
最後はRT(リアルタイムレイトレーシング)性能を測定するPort Royalをチェック。
RTコアそのものは、RTX 2060 SUPERから4基増えただけとなっていますが、第2世代にアップグレードされており、約39%パフォーマンスが向上。RTX 2080 SUPERを下回っていますが、その差はあってないようなものです。
なお、RTX 3070との性能差は約16%程度ですが、4K×RTだとはっきり言って厳しいです。最低でもRTX 3070、できればRTX 3080あると安心ですね。
FF14漆黒のヴィランズ
続いて実際のゲームでチェックしていきましょう。
まずはおなじみのMMORPGゲームから。
RTX 3060 TiはRTX 2060 SUPERに対し、フルHDでは約14%差と小さいものの、WQHDでは約33%、4Kではなんと約43%差にもなり、高解像度での性幅に向上しています。RTX 2080 SUPERと差は約4~5%ながら、しっかり上回っています。
なお、上位のRTX 3070との差は、フルHD・WQHDでは約2~6%程度ですが、4Kでは約10%とやや差がつきます。
Far Cry New Dawn
DirectX11ベースの重量級FPSゲームです。
RTX 3060 TiとRTX 2080 SUPERは見事に互角となっていますが、RTX 2060 SUPERとの差は歴然としています。フルHDこそCPUがボトルネックなので、ほとんど差はありませんが、平均fpsはWQHDで約16%、4Kでは約36%にもなります。
なお、RTX 3070との差ですが、WQHDでは約3%ですが、4Kでは約11%と明確に差がつき、ワンランク上の安定性を実現しています。ともあれ、4Kでは平均60fpsをキープしており、4KでのゲーミングならまずRTX 3060 Tiは押さえておきたいところですね。
Borderlands 3
DirectX12ベースの超重量級FPSゲームです。
とてもヘビーなゲームということで、全ての解像度で大きく差がつき、RTX 3060 TiはRTX 2060 SUPERに対し、平均fpsは約27~42%もの差がつきます。このゲームでもRTX 2080 SUPERを上回りますが、約7~8%とやはり小さめ。
なお、RTX 3070との性能差は、約12~18%とやや大きめですが、このグレード4Kでは厳しいですね。4KならRTX 3080は欲しいところ。
BIOHAZARD RE:3
DirectX12ベースの重量級TPSゲームですね。
RTX 2060 SUPERと比較すると、すべての解像度で差が大きくつき、平均fpsは約48~52%差にもなります。RTX 2080 SUPERに対しては、フルHDこそ約13%と大きく差をつけていますが、それ以上では約5~6%差と小さめです。
なお、RTX 3070に対しては約6~7%差まで詰め寄っています。
Call of Duty : Black Ops Cold War
RTに対応した、DirectX12ベースの重量級ゲームです。RT設定は”最高”で計測しています。
RTはとにかくヘビー。RTX 3060 TiとRTX 2060 SUPERでは雲泥の差がつき、フルHDでの平均fpsは約50%、WQHDでは約62%、4Kでは約71%にもなります。RTX 2080 SUPERとの差は約3~9%ほどと、他のゲームとほぼほぼ同じような傾向です。
なお、RTX 3070と比較すると、フルHDでは約34%、4Kでは約22%差になり、他のテストよりも大きく差がつくようになります。
DLSSを有効にした際のベンチマークで、DLSS設定は”品質”にしています。
DLSSを有効にするだけで大幅にfpsが向上し、上げ幅は最大約40%にもなります。RTX 2060 SUPERに対しては、フルHDでの平均fpsは約43%、WQHDで約56%、4Kでは約55%高いfpsをマークし、まさに圧倒的。RTX 2080 SUPERとの差は変わらず、約6~8%程度です。
なお、RTX 3070との性能差は、約8~9%となり、RTオンリーよりも差が縮まります。平均60fps近くまで伸ばせていることを考えると、RTなら最低でもRTX 3070は欲しいところですね。
BATTLEFIELD V
同じくDirectX12をベースにした重量級ゲームですが、RT&DLSSに対応しています。
RTX 3060 TiはRTX 2060 SUPERに対し、フルHDでは平均fpsが約37%、WQHDでは約57%、4Kでは約50%も高くなっています。なお、RTX 2080 SUPERとの差は約3~7%程度です。
また、RTオンリーではRTX 3070との差が大きくつき、最大約23%にもなります。
RTに加え、DLSS機能を有効にした際の結果となります。
RTオンリーの時と変わらず、RTX 2060 SUPERに対し、平均fpsは約50%も向上。大きくパフォーマンスが上がっているものの、それでも平均51fps止まりとなり、RTではやはり厳しいですね。
なお、RTX 3070は約20%fpsが高く、平均60fpsを突破。ここ一番での性能がRTX 3060 Tiとは一味違います。
消費電力
Time Spy実行時の消費電力を計測しました。
RTX 2060 SUPERから大幅にパワーアップしているにもかかわらず、消費電力は約8%の上昇にとどまっています。また、RTX 2080 SUPERとほぼ互角の性能で、約8%ほど消費電力が少なくなっており、RTX 3070同様ワットパフォーマンスは上々です。
結局RTX 3060 Tiはどうなの?
RTX 2060 SUPERから約30~40%性能が向上し、RTX 2080 SUPERを上回るまでに進化しています。上位のRTX 3070との差もおおむね約10%前後となっており、4Kでのゲーミングにも対応。アッパーミドルにしてはかなりおいしい性能です。
ただ、RTの性能も大幅に向上しているとは言うものの、RTX 3070に大きめの差をつけられ、4K×RTには力不足といったところ。あくまでも4K入門モデルといったポジションですね。
なお、搭載モデルの価格は16万円台~と、RTX 3070よりもかなり安く、コスパ◎。予算を抑えつつ性能にもこだわるならおすすめ。
RTX 3060 Ti搭載のおすすめゲーミングPC
GALLERIA/ガレリア XA7C-R36T 第13世代Core搭載(ドスパラ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-13700F
■チップセット:B760チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 3060 Ti
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe)
■電源:650W(80PLUS BRONZE)
■大型空冷式CPUクーラー搭載
■価格:209,980円(税込)~
※実機モデルではCore i7-12700を搭載しています。
高品質ケースを採用したコスパモデル
インテルの第13世代16コア24スレッドCPU・Core i7-13700FとRTX 3060 Tiを搭載した、WQHDでのゲーミングに最適なミニタワーモデル。16GBメモリに1TB SSDの非常に充実した初期構成で、冷却性能が高い大型空冷式CPUクーラーを装備しています。
曲線を用いた美しいケースは、裏配線&チャンバー構造を採用することで、高いエアフローを実現。さらに、LEDイルミネーションやクリアサイドパネルを搭載するこだわりようです。トータルでの完成度を重視する方におすすめ。
基本的にはカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームとデータ類の保存先を分けることができ、さらに便利になります。
GALLERIA/ガレリア RM5C-R36T 第13世代Core搭載(ドスパラ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i5-13400F
■チップセット:B760チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 3060 Ti
■ストレージ:SSD 500GB(PCie NVMe)
■電源:650W(80PLUS BRONZE)
■大型空冷式CPUクーラー搭載
■価格:174,980円(税込)~
先に紹介したドスパラのモデルを、インテル第13世代10コア16スレッドCPU・Core i5-13400F&ミニタワーケースにしたバージョンで、WQHDでのゲーミングに最適。予算重視ならおすすめです。
基本的にカスタマイズ不要ですが、ゲームそのものの容量も増えているので、SSDを1TBに増やすとより安心。また、HDDを追加してデュアルストレージ構成にすると、ゲームとデータの保存先を分けることができ、さらに便利になります。
LEVEL-M06M-124-SAX(パソコン工房)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i5-12400
■チップセット:B660チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 3060 Ti
■ストレージ:SSD 500GB(PCIe NVMe)
■電源:700W(80PLUS BRONZE)
■価格:164,800円(税込)~
激安のRTX 3060搭載モデル
インテルの第12世代6コア12スレッドCPU・Core i5-12400とRTX 3060を搭載した、フルHD~WQHDでのゲーミングに対応したミニタワーモデル。16GBメモリに500GB SSDの充実した初期構成となっています。
Core i5-12400はCore i5-13400よりも約30%ほど性能が低いのですが、性能が十分高く、とにかく安さを求めるならおすすめ。
基本的にはカスタマイズ不要ですが、最近のゲームは容量が増えているので、1TBあるとより安心。また、HDDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームとデータ類の保存先を分けることができ、さらに便利になります。
G-Tune HM-B-3060Ti-LC(G-Tune)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-12700F
■チップセット:B660チップセット
■メモリ:32GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 3060 Ti
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe)
■電源:700W(80PLUS BRONZE)
■水冷式CPUクーラー搭載
■価格:279,800円(税込)~
保証&サポート重視ならG-Tuneがおすすめ
インテルの第12世代12コア20スレッドCPU・Core i7-12700FとRTX 3060 Tiを搭載した、WQHDでのゲーミングに最適なミニタワーモデル。32GBメモリに1TB SSDの特盛構成で、冷却性能が非常に高い水冷式CPUクーラーを装備しています。
また、ケースの完成度が高いのもポイント。ケース内部は電源とストレージを上部に集約した、”チャンバー構造”になっており、エアフローがとてもスムーズ。さらに、フロント部分にHDMI端子がついているので、VR機器の取り回しもかんたん。
ちなみに、G-Tuneは保証が充実しているのもポイント。G-Tuneでは延長保証が定額制で安く、例えば3年延長保証+センドバック修理保証に7,700円(税込)で加入することができます。また、24時間365日の電話サポート&96時間以内で修理完了が標準メニューとして用意されており、万が一でも安心です。
サポート&保証重視ならおすすめ。
基本的にカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームとデータを別々に保存でき、より便利になります。
ゲーミングPCは高い…とお悩みの方 必見!

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