- GTX 1660 Ti+αの性能で、フルHDでのゲーミングに最適
- DLSSでfpsの底上げが可能
- 搭載パソコンの予算目安は13~16万円台
RTX 3000シリーズにも、ついにエントリークラスモデルが登場。お手軽にRT&DLSSを使えるRTX 3050の実力と、おすすめBTOパソコンをチェックしてみましょう。
RTX 3050のスペックまとめ
リアルタイムレイトレーシング対応
RTX 3000シリーズでも引き続き、RT(リアルタイムレイトレーシング)に対応しています。GPU内部にレイトレーシング専用ユニット”RTコア”を搭載することで、従来よりもさらにリアルな映像描写が可能になっています。
上の画像はRTに対応したBattlefield Vのデモムービーですが、従来のGPUとは異なり、炎の描写が車体に反射しているのがわかります。また、反射だけでなく、影や光の描写も豊かになり、より自然なグラフィックを実現しているのもポイントです。
さらに、RTコアのほか、AI機能に対応した”Tensorコア”を搭載しています。
Tensorコアを活用した”DLSSモード”では、低い解像度でレンダリングした映像をアップスケーリングし、さらにアンチエイリアスを最適化することで、フレームレートを大幅に向上させることができます。ゲームの快適性が目に見えて上がるので、とても便利ですね。
なお、RT・DLSSいずれも対応したゲームでないと動作しない点に注意!
RTX 3050の仕様
RTX 3060 | RTX 3050 | GTX 1660 Ti | GTX 1650 | RX 6500 XT | |
コア | GA106(Ampere) | GA106(Ampere) | TU116(Turing) | TU117(Turing) | Navi 24(RDNA 2) |
プロセスルール | 8nm | 8nm | 12nm FinFET | 12nm FinFET | 6nm |
シェーダプロセッサ数 | 3584基 | 2560基 | 1536基 | 896基 | 1024基 |
レイトレーシングユニット数 | 28基 | 20基 | ー | ー | 16基 |
Tensorコア数 | 112基 | 80基 | ー | ー | ー |
動作クロック | 1320MHz | 1552MHz | 1500MHz | 1485MHz | ー |
ゲームクロック | ー | ー | ー | ー | 2610MHz |
ブーストクロック | 1777MHz | 1777MHz | 1770MHz | 1665MHz | ー |
ブースト最大クロック | ー | ー | ー | ー | 2815MHz |
メモリークロック | 15GHz | 14GHz | 12GHz | 8GHz | 18GHz |
メモリータイプ | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR5 | GDDR6 |
メモリーインターフェース | 192bit | 128bit | 192bit | 128bit | 64bit |
メモリーバス幅 | 360GB/s | 224GB/s | 288GB/s | 288GB/s | 144GB/s |
メモリー搭載量 | 12GB | 8GB | 6GB | 4GB | 4GB |
TDP | 170W | 130W | 120W | 75W | 107W |
PCI Express | 4.0 | 4.0 | 3.0 | 3.0 | 4.0 |
外部電源 | 8ピン | 8ピン | 8ピン | ー | 6ピン |
性能の要となるCUDAコア数は、上位のRTX 3060の約70%と、フルHDでのゲーミングを想定した仕様となっています。なお、RTコアやTensorコア数も、RTX 3060の約70%となっており、レイトレーシングやDLSS性能も入門クラスといったところです。
また、VRAM(グラフィックメモリ)は、8GBと多めに搭載しているので、最新ゲームでもVRAM不足で困る心配はありません。ただし、50番台のエントリーグラボということで、メモリーインターフェースは128bitと貧弱。高解像度ではボトルネックとなるため、やはりフルHDが適正レベルですね。
なお、ライバルとしてAMDのRX 6500 XTがありますが、シェーダプロセッサが少なく、VRAMの仕様が最低限(メモリーインターフェース64bit・容量4GB)ということで、ライバルというよりも下位モデルというポジションです。
ベンチマーク
Ryzen 9 5900X・16GBメモリ(DDR4-3200)の組み合わせで実際の性能をチェックしてみましょう。
3DMark
おなじみのベンチマークソフトです。
まずDirectX11をベースにしたFire Strikeからチェックしてみると、RTX 3050のライバルはGTX 1660 Tiといったところで、両者の差は約1~3%とほぼ互角。GTX 1650との差は、約68~77%にもなり、もはや比較するまでもありません。
上位のRTX 3060には、フルHD・WQHDで約41%と大きく差をつけられ、特に4KではVRAMの仕様がダイレクトに響き、その差は約55%にもなります。
なお、RX 6500 XTは、RTX 3050にFire Strikeで約2%差にまで迫り、4Kでは約10%差をつけて逆転するなど、意外と健闘しています。
次に最新のDirectX12をベースにしたTime Spyをチェック。
このテストでも、RTX 3050とGTX 1660 Tiとの差は、約1~2%と僅差。上位のRTX 3060との性能差は約40~45%となり、4Kだとスコアの差がやや大きくなります。
Fire Strikeでは健闘したRX 6500 XTですが、このテストではRTX 3050に約20~23%ときっちり差をつけられています。
最後はRT(リアルタイムレイトレーシング)性能を測定するPort Royalをチェック。
RTX 3050はRTコアを搭載しているので、非搭載のGTX 1660 Tiに2倍以上の差をつけています。ただ、RTを使うなら、最低でもスコア4000は欲しいので、基本的にはDLSS専用といったところです。
なお、RTX 3060は、RTX 3050に約43%もの差をつけ、スコア5000を突破。RTでのゲーミングなら、最低でもRTX 3060を選ぶようにしましょう。
FF14暁月のフィナーレ
続いて実際のゲームでチェックしていきますが、まずはおなじみのMMORPGゲームから。スコア9000以上で平均60fpsをキープできるようになります。
GTX 1660 TiがRTX 3050をコンスタントに上回り、最大約10%差まで開きます。ただし、従来のゲームということで、WQHDまでならスコア9000をしっかり超えることができます。なお、上位のRTX 3060との差は約27~50%と、やはり解像度が上がるほど大きくなる傾向にあり、特にWQHDでの安定感が光ります。
もちろん、ライバルのRX 6500 XTには、約27~45%と大きく差をつけており、格の違いをしっかり見せつけています。あくまでもRX 6500 XTはフルHD入門クラスですね。
Apex Legends
DirectX11ベースのFPSゲームで、グラフィック負荷はやや軽め。
こちらはRTX 3050がGTX 1660 Tiを上回るものの、その差は約2~6%とほぼ変わらず、両者ともフルHDで平均100fpsを超えるパフォーマンスを発揮。フルHDならこのクラスあると安心です。
一方、RTX 3060は、RTX 3050に約33~36%差をつけ、WQHDでは平均100fpsを軽く突破。やはりWQHDでの安定感が一味違います。
MONSTER HUNTER RISE
DirectX12ベースのTPSゲームで、グラフィック負荷はかなり軽め。
RTX 3050は、GTX 1660 Tiを平均fpsで約4~10%上回り、解像度によってはやや差が付く感じ。これだけ軽いゲームだと、WQHDでも平均100fpsを超えることができます。
なお、RTX 3060とRTX 3050との差は約22~40%と、解像度が高くなるにつれ差が大きくなり、4Kで平均60fpsを大きく超える安定ぶりを発揮します。
Halo Infinite
DirectX12ベースの重量級FPSゲームです。
RTX 3050がGTX 1660 Tiを上回っていますが、平均fpsで約4~8%程度となっています。このクラスのゲームだと、フルHDでも平均60fpsを超えるのがやっとなので、fpsを上げるには設定を落とす必要があります。
なお、RTX 3060は、RTX 3050よりも約33~36%高いfpsをマーク。フルHDでも平均80fps台と安定しており、最新ゲームを楽しむなら、RTX 3060があるとやはり安心です。
Far Cry 6
RTに対応した、DirectX12ベースの重量級FPSゲームです。RT設定は”最大”、HD Textures”OFF”で計測しています。
RTX 3050はGTX 1660 Tiを上回っており、その差は平均fpsで約3~6%となっています。また、RTX 3060との差も約29~36%と、ほかのゲームと同じような傾向です。
RT効果はシャドウと反射で比較的軽めですが、RTX 3050はフルHDで平均60fpsに届かず、実用には厳しい性能ですね。RT性能については、あくまでもエントリーレベルなので、最低でもRTX 3060は欲しいところ。
消費電力
Time Spy実行時の消費電力を計測しました。
RTX 3050の消費電力は、GTX 1660 Tiから約5%上がっており、性能差・TDPの差を考えると、順当といったところですね。
なお、RTX 3060とRTX 3050との差は約23%となり、性能差を考えると、RTX 3050のワットパフォーマンスはイマイチといった感じ。
結局RTX 3050はどうなの?
RTX 3050の性能は、GTX 1660 Ti+αということで、フルHDでのゲーミングに最適な性能となっています。RTの性能はほぼ期待できないものの、DLSSが使えるので、ゲームによってはfpsを底上げできるのも魅力です。
ただし、搭載モデルの価格は13万円台~と性能のわりに割高なのがネック。RTX 3060搭載モデルに近い価格設定なので、もう少し予算を追加して、RTX 3060を選ぶのがおすすめです。
RTX 3050搭載のおすすめゲーミングPC
LEVEL-M06M-124-NAX(パソコン工房)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i5-12400
■チップセット:B660チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 3050
■ストレージ:SSD 500GB(PCIe NVMe)
■電源:700W(80PLUS BRONZE)
■価格:144,800円(税込)~
コスパに優れた格安モデル
インテルの第12世代6コア12スレッドCPU・Core i5-12400とRTX 3050を搭載した、フルHDでのゲーミングに最適なミニタワーモデル。
16GBメモリに500GB SSDの充実した初期構成となっており、SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプを採用しています。価格が14万円台と非常に安く、格安のRTX 3050搭載モデルとしておすすめ。
基本的にカスタマイズ不要ですが、ゲームそのものの容量も増えているので、SSDを1TBに増やすとより安心。また、HDDを追加してデュアルストレージ構成にすると、ゲームとデータの保存先を分けることができ、さらに便利になります。
GALLERIA/ガレリア RM5C-R35 第12世代Core搭載(ドスパラ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i5-12400
■チップセット:B660チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 3050
■ストレージ:SSD 500GB(PCIe NVMe)
■電源:650W(80PLUS BRONZE)
■大型CPUクーラー搭載
■価格:159,980円(税込)~
ワンランク上の高機能ケースモデル
インテルの第12世代6コア12スレッドCPU・Core i5-12400とRTX 3050を搭載した、フルHDでのゲーミングに最適なミニタワーモデル。標準で大型CPUクーラーが搭載されており、CPUの冷却は万全です。
16GBメモリに500GB SSDの充実した初期構成で、SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプを採用。曲線を用いた美しいケースは、裏配線&チャンバー構造を採用することで、高いエアフローを実現。さらに、LEDイルミネーションやクリアサイドパネルを搭載しており、トータルでの完成度が高い一台に仕上がっています。
基本的にカスタマイズ不要ですが、ゲームそのものの容量も増えているので、SSDを1TBに増やすとより安心。また、HDDを追加してデュアルストレージ構成にすると、ゲームとデータの保存先を分けることができ、さらに便利になります。
LEVEL-M0P5-R45-NAX(パソコン工房)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Ryzen 5 4500
■チップセット:B550チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 3050
■ストレージ:SSD 500GB(PCIe NVMe)
■電源:700W(80PLUS BRONZE)
■価格:135,800円(税込)~
先に紹介したパソコン工房のモデルを、AMDの第3世代6コア12スレッドCPU・Ryzen 5 4500にしたバージョンです。
CPUは前世代のものになりますが、エントリーのRTX 3050クラスであれば、性能をしっかり引き出すことができます。価格は13万円台とかなり安く、とにかく予算を重視するならおすすめ。
基本的にカスタマイズ不要ですが、ゲームそのものの容量も増えているので、SSDを1TBに増やすとより安心。また、HDDを追加してデュアルストレージ構成にすると、ゲームとデータの保存先を分けることができ、さらに便利になります。
ゲーミングPCは高い…とお悩みの方 必見!

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