- GTX 1050 Tiよりも最大約50%性能が向上し、GTX 1060に迫るケースも
- フルHD入門におすすめ
- 搭載パソコンの予算目安は10~12万円台
”Turing世代”のGTXシリーズにエントリークラスのグラボが登場。大幅にパワーアップしたその実力をチェックしてみましょう。
GTX 1650のスペックまとめ
GTX 1650の仕様
GTX 1650は、NVIDIAの最新世代となる”Turing”のエントリーGPUで、GTX 1050・GTX 1050 Tiの後継モデルとなります。
GTX 1660 | GTX 1650 | GTX 1060 3GB | GTX 1050 Ti | GTX 1050 2GB | |
アーキテクチャ | Turing | Turing | Pascal | Pascal | Pascal |
プロセスルール | 12nm FinFET | 12nm FinFET | 16nm FinFET | 14nm FinFET | 14nm FinFET |
CUDAコア数 | 1408基 | 896基 | 1152基 | 768基 | 768基 |
動作クロック | 1530MHz | 1485MHz | 1506MHz | 1290MHz | 1354MHz |
ブーストクロック | 1785MHz | 1665MHz | 1708MHz | 1392MHz | 1455MHz |
メモリークロック | 8GHz | 8GHz | 8008MHz相当 | 7008MHz相当 | 7008MHz相当 |
メモリータイプ | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 |
メモリーインターフェース | 192bit | 128bit | 192bit | 128bit | 128bit |
メモリーバス幅 | 192GB/s | 128GB/s | 192GB/s | 112GB/s | 112GB/s |
メモリー搭載量 | 6GB | 4GB | 3GB | 4GB | 2GB |
TDP | 120W | 75W | 120W | 75W | 75W |
外部電源 | 8ピン | ー | 6ピン | ー | ー |
その仕様ですが、GTX 1050 Tiの発展改良版といった感じです。GPUの製造プロセスは、最新世代ということで12nmとなり、前世代の14nmから微細化されています。
グラフィック描写の要となるCUDAコアは、GTX 1050 Tiよりも約17%増え、動作クロックも大きく引き上げられています。コア自体の性能も上がっており、大幅なパワーアップを実現しているのがポイント。そのほかはGTX 1050 Tiそのまま。補助電源不要なのはもちろん、メモリ周りも従来のGDDR5で据え置きとなっています。
なお消費電力はGTX 1050 Tiと同じTDP75Wですが、最大約10Wの差がつきます。コア数の増加がそのまま消費電力の上昇につながっているということですね。
ベンチマーク
Core i7-8700K・16GBメモリ(DDR4-2666)の組み合わせで実際の性能をチェックしてみましょう。
3DMark
現在主流のDirectX11をベースにしたテストです。
GTX 1050 Tiと比較してみると、フルHD・WQHDでは約112~117%の性能となっています。CUDAコアの分だけパワーアップした感じでしょうか。ただ4Kではパワー不足になり、誤差レベルですがGTX 1050 Tiよりも低いスコアをマーク。やはり4Kだと荷が重いですね。
一方GTX 1060に対しては約66~78%の性能となり、大きく差をつけられています。特に4Kの差が大きく、地力の差がもろに出ています。
こちらは今後主流になるであろうDirectX12のテストです。
Fire Strikeから様相がガラッと変わり、GTX 1060比で約85~91%の性能と大きく差を縮め、GTX 1050 Ti比では約135~143%と大きく差をつけます。
Turing世代全般に言えることですが、最新のDirectX12環境にめっぽう強いので、今後さらに輝く可能性を秘めています。
Rainbow Six Siege
まずはDirectX11をベースにした軽めのFPSゲームをチェック。かなり軽いため、レンダリング解像度を”100”にし、負荷を上げて測定しています。
フルHDでのパフォーマンスがグンと上がり、GTX 1050 Tiに対し約141~147%と圧倒的。平均60fpsをキープできるようになっています。
一方GTX 1060に対し、フルHDでは平均fpsが約92%とやや低い程度で、最低fpsは約120%と逆転。WQHD・4Kともなるとほぼ変わらず、新世代のCUDAコア&VRAM4GBのパワーをいかんなく発揮しています。
Apex Legends
こちらもDirectX11をベースにした軽めのFPSゲームです。
このゲームではGTX 1060とほぼ同等のfpsをマーク。4KではついにGTX 1060を追い越していることを考えると、CUDAコアのパワーアップよりも、むしろVRAM4GBの効果が大きいと考えられます。
基本的に、軽めのゲームであればGTX 1650≒GTX 1060と言っていいでしょう。
Far Cry New Dawn
お次は同じくDirectX11ベースですが、重量級のFPSゲームです。
やはりエントリークラスなだけあり、重量級のゲームではフレームレートが落ち込んでしまい、フルHDでは平均60fpsに届きません。それでもGTX 1050 Ti比で約130~131%となり、大きくパワーアップしていることがわかります。
なおGTX 1060に対しては約85~89%となっており、フルHDでの安定したパフォーマンスということであれば、やはりGTX 1060が強いですね。
BIOHAZARD RE:2
こちらは最新のDirectX12をベースにした、重量級のゲームです。
ということで比較的フレームレートが伸び、フルHDではGTX 1050 Ti比で約128~132%と大きく差がつき、GTX 1060比では約91~94%と肉薄しています。まさに最新のゲームに強い設計&VRAM4GBの賜物といえるでしょう。
ただ、それでも平均60fpsに届かないので、グラフィック設定の変更は必須です。
BATTLEFIELD V
BIOHAZARDよりもさらに重い、DirectX12ベースのの重量級FPSゲームです。リアルタイムレイトレーシング(RT)に対応していますが、GTXシリーズでは全く歯が立たないので省略しています。
このクラスにもなると、CUDAコアの少なさ&メモリ帯域幅の狭さが災いし、フルHDでも平均60fpsに届かず。GTX 1050 Ti比では約117~121%と、その差は控えめです。
一方GTX 1060比では約72~74%と大きく差をつけられています。設定さえ変更すれば平均60fpsも十分狙えるので、フルHDならやはりGTX 1060レベルは欲しいところですね。
結局GTX 1650はどうなの?
GTX 1050 Tiから最大約50%も性能が向上し、一部ゲームではGTX 1060に迫るほどのパフォーマンスを発揮します。補助電源無しでこの性能は、まさに破格レベルといってもいいでしょう。
ただし、あくまでもGTX 1060に「迫る」レベルなので、フルHD入門のグレードは変わらずといったところ。フルHDでの安定性、特に重量級のゲームともなると、やはりGTX 1060に軍配が上がります。
なお、現状ではGTX 1060搭載モデルが終了しているので、フルHDでのゲーミングならGTX 1660 SUPERやRTX 3050がまずおすすめです。
GTX 1650搭載のおすすめゲーミングPC
Magnate/マグネイト MH(ドスパラ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i5-12400
■チップセット:H610チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:GTX 1650
■ストレージ:SSD 500GB(PCIe NVMe)
■電源:450W(80PLUS BRONZE)
■価格:129,980円(税込)~
12万円台のコスパモデル
インテルの第12世代6コア12スレッドCPU・Core i5-12400とGTX 1650を搭載した、フルHD入門に最適なミニタワーモデル。
16GBメモリに500GB SSDの充実した初期構成で、SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプを採用しています。なお、このモデルは一般向けのデスクトップなので、光学ドライブ・マウス・キーボードが標準で付属しています。
この内容で10万円と非常に安く、ゲーミングPC入門モデルとしておすすめ。
基本的にカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージ構成にすると、ゲームとデータの保存先を分けることができ、より便利になります。
Lightning/ライトニング AH5(ドスパラ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Ryzen 5 4500
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラフィック:GTX 1650
■ストレージ:SSD 500GB(PCIe NVMe)
■電源:450W(80PLUS BRONZE)
■無線LAN:有線のみ
■DVDドライブ搭載/有線キーボード&マウス付属
■価格:99,980円(税込)~
予算重視の激安モデル
上のモデルを、AMDの第3世代6コア12スレッドCPU・Ryzen 5 4500にしたバージョン。Core i5-12400よりも約20%ほど性能が低いですが、GTX 1650のパワーをしっかり引き出せます。価格がほぼ10万円と安く、予算重視ならおすすめ。
基本的にカスタマイズ不要ですが、編集用途でも使うのであれば、HDDを追加してデュアルストレージにするのがおすすめ。
ゲーミングPCは高い…とお悩みの方 必見!

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