- GTX 1650 Tiから約30~40%性能が向上
- RTX 3050とともにフルHD入門に最適
- 搭載パソコンの予算目安は11万円台
NVIDIAの最新世代となる”Ampere”に、ようやくエントリークラスのGPUが登場。RTXシリーズに格上げされたRTX 3050 Tiの実力と、おすすめモデルをチェックしてみましょう。
RTX 3050 Tiのスペックまとめ
RTX 3050 Tiの特徴と性能をサクッとチェックしてみましょう。
レイトレーシング&DLSS対応
RTXシリーズでは、”RTコア”と”Tensorコア”を搭載しています。
RTコアは”レイトレーシング技術(RT)”に対応しており、反射・影・ライティングなどをリアルに再現可能。ゲームでのイメージを見てもわかるように、炎の描写が車体にもしっかり表現され、従来よりもさらに臨場感が増しています。
また、AI機能のTensorコアは”DLSSモード”に対応しており、低い解像度でレンダリングした映像をアップスケーリングし、さらにアンチエイリアスを最適化することで、フレームレートを大幅に向上させることができます。ゲームの快適性が目に見えて上がり、とても便利。
そのほか、RTXシリーズはOptiXにも対応しているのもポイント。Blenderなどの3DCG作成ソフトでは、RTコアを活用した高速レンダリングや、Tensorコアを活用した高速のノイズ除去機能を搭載し、ヘビーなCG作成作業で高いパフォーマンスを発揮します。
RTX 3050 Tiの性能をチェック
RTX 3060 | RTX 3050 Ti | RTX 3050 | RTX 2060 | GTX 1660 Ti | GTX 1650 Ti | GTX 1650 | |
アーキテクチャ | Ampere | Ampere | Ampere | Turing | Turing | Turing | Turing |
製造プロセス | 8nm | 8nm | 8nm | 12nm | 12nm | 12nm | 12nm |
CUDAコア数 | 3840基 | 2560基 | 2048基 | 1920基 | 1536基 | 1024基 | 1024基 |
動作クロック | 1283MHz | 1035MHz | 1057MHz | 960MHz | 1140MHz | 1350MHz | 1395MHz |
ブーストクロック | 1703MHz | 1695MHz | 1740MHz | 1200MHz | 1590MHz | 1450MHz | 1560MHz |
メモリータイプ | GDDR6-14000MHz | GDDR6-12000MHz | GDDR6-12000MHz | GDDR6-14000MHz | GDDR6-12000MHz | GDDR6-12000MHz | GDDR5 GDDR6 8000MHz |
メモリーインターフェース | 192bit | 128bit | 128bit | 192bit | 192bit | 128bit | 128bit |
メモリーバス幅 | 336GB/s | 192GB/s | 192GB/s | 336GB/s | 288GB/s | 192GB/s | 128GB/s |
メモリー搭載量 | 6GB | 4GB | 4GB | 6GB | 6GB | 4GB | 4GB |
TGP | 60~115W | 35~95W | 35~95W | 65~115W | 60~80W | 50~80W | 35~50W |
RTX 3050 Tiは、GTX 1650 Tiの上位となるエントリークラスのGPUです。ついにこのグレードでも、RTXシリーズに格上げされました。
性能の要となるCUDAコアは、GTX 1650 Tiの2.5倍と大きく増加していますが、VRAM(グラフィックメモリ)は据え置き。規格と容量はGDDR6・4GBのまま、メモリーインターフェースやバス幅も全く同じになっており、いかにもエントリークラスといったところですね。
最近ではVRAMを多く使うゲームが増えており、容量はGTX 1660 TiやRTX 3060クラス、6GBあるとやはり安心。ゲームによっては、グラフィック設定を妥協する必要があり、その辺りは割り切りが必要です。
以下、毎度おなじみのベンチマークソフト・3DMarkで性能を比較してみましょう。
まず、DirectX 11・フルHD相当のテスト・Fire Strikeをチェック。
実際の性能ですが、GTX 1650 Tiよりも約31%性能が向上しており、さすがに仕様ほどではないにしろ、しっかりパワーアップしています。ただし、前世代のミドルクラスGPU・GTX 1660 Tiには約12%ほど及ばず、やはりフルHD入門レベルといったところですね。
ちなみに、RTX 3050 Tiと下位のRTX 3050との性能差は約8%と小さく、予算を抑えつつ、性能にもこだわるならRTX 3050 Tiがおすすめ。
次に、DirectX 12・WQHD相当のテスト・Time Spyをチェック。
Fire Strikeよりもスコアがよく伸び、GTX 1650 Tiより約46%高いスコアをマークしています。なお、GTX 1660 Tiを下回り、RTX 3050との差は約10%と、Fire Strikeとほぼ同じ傾向となっています。
RT機能テスト・Port Royalの結果をまとめたものとなります。
レイトレーシングは負荷がとにかく重く、目安としてはスコア6000以上をキープしたいところ。しかし、RTX 3050 Tiはあくまでもエントリークラスということで、レイトレーシング性能は最低限。RTX 3050同様に、スコア1000にも届かず、実質DLSS専用といったところですね。
実際のゲーミング性能をチェック

結局RTX 3050 Tiはどうなの?
コアの増加が性能に直結し、GTX 1650 Tiから約30~40%パワーアップ。それでもGTX 1660 Tiには及ばず、VRAMが4GBと少ないこともあり、RTX 3050と同じくフルHD入門、従来の軽めのゲームを楽しむならおすすめです。
ちなみに、フルHDでのパフォーマンスを重視するなら、RTX 4050がまずおすすめ。RTX 3050 Tiより約50~60%も性能が高く、VRAMが6GBということもあり、安定感が段違いです。
【参考】CPU性能指標
CPUの性能指標をサクッとまとめてみました。CPUのパフォーマンスを測るのに最適なレンダリングソフト・CINEBENCH R23の結果となります。
最近ではCPUの性能が飛躍的に向上しており、ゲーム目的ならCore i5やRyzen 5で十分です。
ただし、より多くのコア・スレッドに最適化されたゲームも多くなってきているので、フレームレートにこだわるのであれば、8コア16スレッドのCore i7やRyzen 7以上がおすすめ。もちろん、動画や画像編集などクリエイティブ作業もはかどります。


CPUにはインテルとAMD製CPUがありますが、性能重視なら基本的にインテルCPU、特にHXシリーズがおすすめ。
第12世代から設計を一新し、性能重視のP-コアと電力効率重視のE-コアの2タイプを搭載。タスクによって各コアを使い分け、場合によっては併用することにより、効率よく処理できるのが強みです。ハイエンドのHXシリーズではコア・スレッド数がさらに増え、より高いパフォーマンスを発揮します。
ライバルのRyzenシリーズとの差は一目瞭然。ミドルクラスのCore i5-12500Hが、ハイエンドのRyzen 9 6900HXに匹敵する性能となっています。ただし、最新のRyzen 7000シリーズ最上位CPU・Ryzen 9 7945HXだけは別格。モデル数はごくわずかですが、とことん性能にこだわるならRyzen 9 7945HXがおすすめ。


なお、Ryzenシリーズの武器は価格の安さ。インテルCPU搭載モデルよりも割安なので、予算重視ならおすすめ。性能も十分高く、ゲーム用途なら全く問題ありません。
ちなみに、最新のRyzen 7000シリーズは搭載モデルがかなり少ないので、今後の普及待ちです。
RTX 3050 Ti搭載のおすすめゲーミングノート
Victus 15-fb0000[RTX 3050 Ti搭載](HP)
【スペック】
■OS:Windows 11
■ディスプレイ
15.6インチ フルHD ノングレア IPS 144Hz 250nit
■CPU:Ryzen 7 5800H
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 3050 Ti
■ストレージ:SSD 512GB(PCIe NVMe)
■【セールでさらにおトク】220,000円(税込)~
大画面のコスパモデル
ノート用のAMD第5世代8コア16スレッドCPU・Ryzen 7 5800HとRTX 3050 Tiを搭載した、エントリーモデル。16GBメモリに512GB SSDの充実した初期構成となっています。
格安モデルながら装備も充実しており、高速の144Hz出力に対応しているほか、白色LED内蔵キーボードを搭載。セール時では11万円台と非常に安く、コスパが非常に優れています。
このモデルはカスタマイズに対応していません。
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