- GTX 1650 Tiから最大約50%性能が向上し、GTX 1660 Tiに近い性能を発揮
- フルHDでのゲーミングに最適
- 搭載パソコンの予算目安は12~16万円台
NVIDIAの最新世代となる”Ampere”に、ようやくエントリークラスのGPUが登場。RTXシリーズに格上げされたRTX 3050 Tiの実力と、おすすめモデルをチェックしてみましょう。
RTX 3050 Tiのスペックまとめ
RTX 3050 Tiの特徴と性能をサクッとチェックしてみましょう。
リアルタイムレイトレーシング対応
ゲーミングモデルの最重要パーツであるGPUには、NVIDIAのRTXシリーズを搭載。
RTXシリーズでは従来のGTXシリーズと異なり、リアルタイムレイトレーシング技術(DXR)に対応しています。GPU内部にレイトレーシング専用ユニット”RTコア”を搭載することで、従来よりもさらにリアルな映像描写が可能になっています。
上の画像はDXRに対応したBattlefield Vのデモムービーですが、従来のGPUとの違いは一目瞭然。炎の描写が車体にもしっかり表現され、よりリアルになっているのがわかりますね。
さらに、RTコアのほか、AI機能に対応した”Tensorコア”を搭載。AI機能を活用したアップスケーリング&アンチエイリアス技術の”DLSSモード”で、対応したゲームであればより高いパフォーマンスを発揮することが可能です。
RTX 3050 Tiの性能をチェック
RTX 3060 | RTX 3050 Ti | RTX 3050 | RTX 2060 | GTX 1660 Ti | GTX 1650 Ti | GTX 1650 | |
アーキテクチャ | Ampere | Ampere | Ampere | Turing | Turing | Turing | Turing |
製造プロセス | 8nm | 8nm | 8nm | 12nm | 12nm | 12nm | 12nm |
CUDAコア数 | 3840基 | 2560基 | 2048基 | 1920基 | 1536基 | 1024基 | 1024基 |
動作クロック | 1283MHz | 1035MHz | 1057MHz | 960MHz | 1140MHz | 1350MHz | 1395MHz |
ブーストクロック | 1703MHz | 1695MHz | 1740MHz | 1200MHz | 1590MHz | 1450MHz | 1560MHz |
メモリータイプ | GDDR6-14000MHz | GDDR6-12000MHz | GDDR6-12000MHz | GDDR6-14000MHz | GDDR6-12000MHz | GDDR6-12000MHz | GDDR5 GDDR6 8000MHz |
メモリーインターフェース | 192bit | 128bit | 128bit | 192bit | 192bit | 128bit | 128bit |
メモリーバス幅 | 336GB/s | 192GB/s | 192GB/s | 336GB/s | 288GB/s | 192GB/s | 128GB/s |
メモリー搭載量 | 6GB | 4GB | 4GB | 6GB | 6GB | 4GB | 4GB |
TGP | 60~115W | 35~95W | 35~95W | 65~115W | 60~80W | 50~80W | 35~50W |
RTX 3050 Tiは、GTX 1650 Tiの上位となるエントリークラスのGPUです。ついにこのグレードでも、RTXシリーズに格上げされました。
性能の要となるCUDAコアは、GTX 1650 Tiの2.5倍と大きく増加していますが、VRAM(グラフィックメモリ)は据え置き。規格と容量はGDDR6・4GBのまま、メモリーインターフェースやバス幅も全く同じになっており、いかにもエントリークラスといったところですね。
最近ではVRAMを多く使うゲームが増えており、容量はGTX 1660 TiやRTX 3060クラス、6GBあるとやはり安心。ゲームによっては、グラフィック設定を妥協する必要があり、その辺りは割り切りが必要です。
以下、毎度おなじみのベンチマークソフト・3DMarkで性能を比較してみましょう。
まず、DirectX 11・フルHD相当のテスト・Fire Strikeをチェック。
実際の性能ですが、GTX 1650 Tiよりも約31%性能が向上しており、さすがに仕様ほどではないにしろ、しっかりパワーアップしています。前世代のミドルクラスGPU・GTX 1660 Tiの後継ともいえる性能で、その差は約7%と小さく、フルHDでのゲーミングに最適です。
ちなみに、RTX 3050 Tiと下位のRTX 3050との性能差は、約8%となっています。大きな差ではないものの、RTX 3050はMax-Q版のGTX 1660 Tiを下回っており、ちょっと心もとない性能です。フルHDならまずはRTX 3050 Tiがおすすめですね。
次に、DirectX 12・WQHD相当のテスト・Time Spyをチェック。
Fire Strikeよりもスコアがよく伸び、GTX 1650 Tiに比べ約46%もパフォーマンスが向上し、GTX 1660 Tiとほぼ互角の性能となっています。なお、RTX 3050との差は約10%となっており、フルHDでの安定性を重視するなら、RTX 3050 Tiがやはりおすすめ。
DXR機能テスト・Port Royalの結果をまとめたものとなります。
DXRは負荷がとにかく重く、目安としてはスコア4000以上をキープしたいところ。また、最新ゲームでは、以前とは比較にならないほどDXRの負荷が激増しており、スコアは6000以上が理想的です。
が、RTX 3050 Tiはあくまでもエントリークラスということで、DXR性能は最低限。RTX 3050同様に、スコア1000にも届かず、実質DLSS専用といったところですね。
実際のゲーミング性能をチェック

結局RTX 3050 Tiはどうなの?
コアの増加が性能に直結し、GTX 1650 Tiから最大約50%もパワーアップ。GTX 1660 Tiに近いパフォーマンスを発揮し、フルHDでのゲーミングに最適です。RTXシリーズなので、DLSSに対応したゲームであれば、さらに性能を底上げすることができるのもポイント。ポテンシャルはGTX 1660 Tiよりも上ですね。
肝心の価格は14万円台~となっており、15万円以下でパフォーマンス重視なら、RTX 3050 Ti搭載モデルがまずおすすめ。予算重視ならRTX 3050もありといったところです。
ちなみに、フルHDでの安定性を重視するなら、RTX 3060搭載モデルがだんぜんおすすめ。RTX 3050 Tiよりも約40~50%も性能が高く、VRAMが6GBということもあり、最新の重量級ゲームまでまんべんなく楽しむことができます。
【参考】CPU性能指標
CPUの性能指標をサクッとまとめてみました。CPUのパフォーマンスを測るのに最適なレンダリングソフト・CINEBENCH R23の結果となります。
最近ではCPUの性能が飛躍的に向上しており、ゲーム目的なら6コア12スレッドのCore i5やRyzen 5もあれば十分です。
ただし、より多くのコア・スレッドに最適化されたゲームも多くなってきているので、フレームレートにこだわるのであれば、8コア16スレッドのCore i7やRyzen 7以上がおすすめ。もちろん、動画や画像編集などクリエイティブ作業もはかどります。


CPUにはインテルとAMD製CPUがありますが、性能重視なら第12世代インテルCPUがおすすめ。
第12世代では設計を一新し、性能重視のP-コアと電力効率重視のE-コアの2タイプを搭載。タスクによって各コアを使い分け、場合によっては併用することにより、効率よく処理できるのが強みです。また、コア・スレッド数そのものも増えており、ライバルのRyzen 5000&6000シリーズを凌ぐ、高いパフォーマンスを発揮します。


なお、予算重視ならRyzen 5000&6000シリーズがおすすめ。第11世代インテルCPUと同等の性能でありながら、価格が安く、コスパに優れています。
ちなみに、Ryzen 6000シリーズは、5000シリーズのリフレッシュ版です。製造プロセスの微細化、内蔵グラフィックの強化、動作クロックの向上など、マイナーチェンジ程度になっており、若干の性能向上にとどまっています。
RTX 3050 Ti搭載のおすすめゲーミングノート
IdeaPad Gaming 370[RTX 3050 Ti搭載モデル](レノボ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■ディスプレイ
16.1インチ WUXGA ノングレア IPS 165Hz
■CPU:Ryzen 7 6800H
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 3050 Ti
■ストレージ:SSD 512GB(PCIe NVMe)
■価格:129,800円(税・送料込)~
大画面×165Hzディスプレイのコスパモデル
ノート用のAMD第6世代8コア16スレッドCPU・Ryzen 7 6800HとRTX 3050 Tiを搭載した、フルHD推奨モデル。16GBメモリに512GB SSDの充実した初期構成で、SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプを搭載しています。
このモデルでは、16インチ×165Hzディスプレイの大画面・超高速ディスプレイを搭載し、迫力のある大画面で快適にプレイできます。もちろん、白色LED内蔵キーボードをしっかり搭載。
クオリティにできるだけこだわるなら、このモデルがおすすめです。
このモデルではカスタマイズできません。
Legion 570 Pro[RTX 3050 Ti搭載モデル](レノボ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■ディスプレイ
16.0インチ WQXGA ノングレア IPS 165Hz
■CPU:Ryzen 7 6800H
■メモリ:16GB(DDR5-4800)
■グラボ:RTX 3050 Ti
■ストレージ:SSD 512GB(PCIe NVMe)
■価格:148,800円(税・送料込)~
大画面の低価格モデル
ノート用のAMD第6世代8コア16スレッドCPU・Ryzen 7 6800HとRTX 3050 Tiを搭載したフルHD推奨モデル。16GBメモリに512GB SSDの充実した初期構成で、SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプを搭載しています。
上のモデルよりもグレードが高く、16.0インチ&165Hz出力対応WQXGAディスプレイを搭載。WUXGAのワンランク上となる高い解像度で、より精彩で美しい映像を描写することができます。さらに、装備も充実しており、華やかなフルカラーLED内蔵キーボードを搭載する徹底ぶりです。
クオリティを重視するならこのモデルがおすすめです。
このモデルではカスタマイズできません。
Dell G15 プラチナ 5525[RTX 3050 Ti搭載](デル)
【スペック】
■OS:Windows 11
■ディスプレイ
15.6インチ フルHD ノングレア 120Hz
■CPU:Ryzen 7 6800H
■メモリ:16GB(DDR5-4800)
■グラボ:RTX 3050 Ti
■ストレージ:SSD 512GB(PCIe NVMe)
■【クーポン利用】184,980円⇒147,984円(税・送料込)~
※実機ではCore i7&RTX 3060を搭載しています。本体イメージの確認におすすめ。
選べるカラバリが魅力のモデル
ノート用のAMD第6世代8コア16スレッドCPU・Ryzen 7 6800HとRTX 3050 Tiを搭載した、フルHD推奨モデル。
16GBメモリに512GB SSDの充実した初期構成で、SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプを採用。さらに、120Hzディスプレイや白色LED内蔵キーボードを搭載しており、とても実用的な内容となっています。
さらに、このモデルはカラバリが用意され、ファントムグレー・ダークグレー・スペクターグリーンの3色が用意されています。特にグリーンは珍しい色合いで、ミリタリー風のカラバリモデルが欲しい方にもおすすめです。
このモデルではカスタマイズできません。
17インチモデル
迫力ある大画面が魅力のモデル
TUF Gaming A17 FA707RE(ASUS)
【スペック】
■OS:Windows 11
■ディスプレイ
17.3インチ フルHD ノングレア 144Hz
■CPU:Ryzen 7 6800H
■メモリ:16GB(DDR5-4800)
■グラボ:RTX 3050 Ti
■ストレージ:SSD 512GB(PCIe NVMe)
■価格:169,800円(税込)~
貴重な大画面モデル
ノート用のAMD第6世代8コア16スレッドCPU・Ryzen 7 6800HとRTX 3050 Tiを搭載した、フルHD推奨モデル。
16GBメモリに512GB SSDの充実した初期構成で、SSDは通常のSSDよりも4~5倍速いNVMeタイプを搭載。もちろん、高速の144Hzディスプレイとフルカラーキーボードもしっかり装備しています。やや高めではありますが、数少ない17インチモデルとしておすすめ。
なお、このモデルはASUSの”TUFシリーズ”ということで、耐久性に優れているのもポイント。アメリカの軍事装備規格”MIL規格”に適合しており、過酷な環境での使用テストをクリアしています。ハードに使うゲーミングノートとの相性もバツグンで、安心して使うことができます。
このモデルではカスタマイズできません。
ゲーミングノートは高い…とお悩みの方 必見!

関連リンク
ほかのGPUもチェック
- RTX 3080 Ti
- RTX 3080
- RTX 3070 Ti
- RTX 3070
- RTX 3060
- RTX 3050 Ti
- RTX 3050
- GTX 1650
あわせて知りたい
おトクなセール情報もチェック!



