- 前世代から約20~30%性能が向上した、6コア12スレッドのミドルクラスCPU
- 8コア16スレッドのRyzen 7 3700XやCore i7-10700Kに迫る場面も
- RTX 3070~GTX 1650のラインナップに搭載
待望の”ZEN 3”がついに登場!ワンランク上の性能へ進化した、6コア12スレッドCPU・Ryzen 5 5600Xのスペックと、おすすめBTOパソコンをチェックしてみましょう。
Ryzen 5 5600Xのスペックまとめ
Ryzen 7 5800X | Ryzen 5 5600X | Ryzen 7 3700X | Ryzen 5 3600 | Core i5- 10600K | |
コードネーム | Vermeer | Vermeer | Matisse | Matisse | Comet Lake-S |
プロセスルール | 7nm | 7nm | 7nm | 7nm | 14nm++ |
コア/スレッド | 8/16 | 6/12 | 8/16 | 6/12 | 6/12 |
動作クロック | 3.8GHz | 3.7GHz | 3.6GHz | 3.6GHz | 4.1GHz |
最大クロック | 4.7GHz | 4.6GHz | 4.4GHz | 4.2GHz | 4.8GHz |
倍率ロックフリー | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
L3キャッシュ | 32MB | 32MB | 32MB | 32MB | 12MB |
対応メモリー | DDR4-3200 2ch | DDR4-3200 2ch | DDR4-3200 2ch | DDR4-3200 2ch | DDR4-2933 2ch |
PCIeレーン総数 | Gen.4×20 | Gen.4×20 | Gen.4×20 | Gen.4×20 | Gen.3×16 |
内蔵GPU | ー | ー | ー | ー | UHD 630 |
TDP | 105W | 65W | 65W | 65W | 125W |
大幅にパフォーマンスが向上した第3世代の”ZEN 2アーキテクチャ”を改良し、第4世代では”ZEN 3アーキテクチャ”にアップグレードされています。
まず、CPUのユニット”CCX(CPU Complex)”と、それをまとめるシリコンダイ”CCD(CPU Complex Die)”の構成が変更となっています。
従来では、4基のCPUと16MBキャッシュを一つにまとめてCCXを構成し、2基のCCXをCCDにパッケージングしていましたが、最新のRyzenではその枠組みを撤廃。8基のCPUと32MBキャッシュをひとまとめにし、1基のCCXでCCDを構成しています。
2基のCCXを一つにまとめることで、遅延がより少なくなり、性能の底上げにつながるというわけですね。
また、CPUコアそのものにもテコ入れがされ、命令実行ユニットや予測分岐、浮動小数点演算ユニットの拡張などが盛り込まれています。
そのため、IPC(クロックあたりの命令実行数)は約19%も向上し、基本性能はもちろん、ゲーミング性能もいっそう磨きがかかりました。
Ryzen 5 5600Xの性能をチェック


Ryzen 5 5600XはRyzen 5 3600と同じ6コア12スレッド構成で、動作クロック&ブーストクロックが引き上げられています。高クロックCPUなのですが、驚くべきことに、TDPはRyzen 5 3600と同じ65Wに据え置きです。なお、ライバルはインテル第10世代6コア12スレッドCPU・Core i5-10600Kとなります。
以下RTX 3090・16GBメモリ(DDR4-3200)の組み合わせでベンチマークをチェックしてみましょう。
CINEBENCH R20
毎度おなじみ3Dグラフィックのレンダリング性能を測定するソフトです。最新となるR20ではよりマルチコアに最適化された、重量級のテストとなっています。
シングル性能はRyzen 5 3600よりも約23%向上し、ほぼ公称値通りのパフォーマンスアップを実現しています。インテルCPUよりも性能の高さが際立ち、Core i5-10600Kよりも約24%、Core i9-10900Kよりも約9%高くなっています。
マルチ性能もしっかり底上げされ、Ryzen 5 3600よりも約19%高くなり、Core i5-10600Kに約24%差をつけています。なんと、8コア16スレッドのRyzen 7 3700Xに約9%差まで迫るほどで、なかなかインパクトがありますね。
Blender Open Data
こちらも同じく、3Dグラフィックのレンダリング性能を測定するソフトです。時間(秒)で測定しているため、短いほど優秀ということになります。
Ryzen 5 5600XはRyzen 5 3600より約14%、Core i5-10600Kよりも約12%早くテストを終え、順当に時間を短縮。
なお、Ryzen 7 3700XやCore i7-10700Kとの差は約14~17%と大きめです。
7-Zip
マルチスレッドに最適化したファイルの圧縮/展開ツールです。ベンチマーク機能がついており、辞書サイズ・32MBで圧縮・展開スコアを比較しました。


圧縮では、Ryzen 5 5600XはRyzen 5 3600&Core i5-10600Kよりも約30%高いスコアをマークし、Ryzen 7 3700Xを逆転。Core i7-10700Kとほぼ互角のパフォーマンスを発揮します。
一方、展開ではインテルに対して有利で、Ryzen 5 5600XはRyzen 5 3600よりも約22%、Core i5-10600Kよりも約41%高いスコアをマークし、Core i7-10700Kを逆転。ただし、Ryzen 7 3700Xよりもスコアは低く、約7%差をつけられています。
V-Ray Benchmark
こちらはフォトレンダリング処理性能を測定できるベンチマークソフトです。
Ryzen 5 5600XはRyzen 5 3600よりも約30%、Core i5-10600Kよりも約25%高いスコアをマークし、Ryzen 7 3700Xに約4%差まで迫ります。ただ、Core i7-10700Kには約11%とやや大きめの差をつけられています。
x265 HEVC Encoder
動画エンコードのベンチマークソフトです。フルHDのテスト動画をx265形式でエンコードした時間(秒)を測定しており、短いほど高速ということになります。
Ryzen 5 5600XはRyzen 5 3600よりも約12%、Core i5-10600Kよりも約14%早く変換を完了。なお、Ryzen 7 3700X&Core i7-10700Kには約8~9%の差がつき、やはり基本的にはコア・スレッド数が多いほうが有利ですね。
Far Cry New Dawn
シングル性能が上がり、ゲーミング性能もしっかり向上。インテルとそん色ないレベルになっています。
Ryzen 5 5600XはRyzen 5 3600に比べ、平均fpsは約20%、最低fpsは約22%向上し、上位のRyzen 7 5800Xなどに引けを取りません。インテルと比べてみても、Core i5-10600KどころかCore i7-10700Kとほぼ互角となっており、ゲーミングでも実用的なレベルに進化しています。
Rainbow Six Siege
かなり軽いため、レンダリング解像度を”100”にし、負荷を上げて測定しています。
Ryzen 5 5600XはRyzen 5 3600に比べ、平均fpsは約22%、最低fpsは約20%向上し、上位のCPUとほぼ同等レベルのfpsをマークしています。その実力はCore i5-10600Kよりも約12~16%高く、Core i7-10700Kを追い抜くほど。
Borderlands 3
このゲームではfpsの向上が控えめで、Ryzen 5 5600XはRyzen 5 3600に対し、平均fpsは約7%、最低fpsは約9%の向上にとどまっています。Core i5-10600KやCore i7-10700Kよりも下回っているものの、せいぜい5%内と小さく、差はあってないようなものですね。
Watch Dogs Legion
Ryzen 5 5600XはRyzen 5 3600に比べ、平均fpsは約24%、最低fpsは約29%と大きく向上し、上位陣に全く引けを取りません。Core i5-10600Kよりも約5~6%高く、Core i7-10700Kとほぼ同等のパフォーマンスを発揮します。
ゲームに関しては、Ryzen 9やRyzen 7にする必要はなく、Ryzen 5でも十分ですね。
消費電力
先の【Blender Open Data】実行時の消費電力を比較しました。
クロックアップしているにもかかわらず、TDPはRyzen 5 3600と同じく65Wで据え置き。実際の消費電力も8W、割合にしてわずが5%と小さく、ワットパフォーマンスはすこぶる良好。Core i5-10600Kと比べても、約20%ほど消費電力が低くなっています。
結局Ryzen 5 5600Xはどうなの?
シングル性能が強化され、総合力もしっかり向上。Ryzen 5 3600よりも約20~30%性能が高くなり、Core i5-10600Kももはや眼中になし。Ryzen 7 3700XやCore i7-10700Kを超える場面もあります。
そして、ゲーミング性能も強化され、Core i7-10700Kと同等のパフォーマンスを発揮。ゲームといえばインテルでしたが、AMDも実用的なレベルにまで進化しています。ミドルクラスCPUで、基本性能とゲーミング性能の両方にこだわる方におすすめです。
Ryzen 5 5600XのおすすめゲーミングPC
RTX 3070搭載モデル
RTX 2080 Tiに匹敵する性能をもつ4K推奨モデル
G-GEAR GA5A-H204/XT(ツクモ)
【スペック】
■OS:Windows 10
■CPU:Ryzen 5 5600X
■チップセット:X570チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-2666)
■グラボ:RTX 3070
■ストレージ:SSD 500GB(PCIe NVMe)
■電源:700W(80PLUS BRONZE)
■価格:189,800円(税別)~
高品質のハイスペックモデル
AMDの第4世代6コア12スレッドCPU・Ryzen 5 5600XとRTX 3070を搭載した、ド安定の4K性能が魅力のミドルタワーモデル。
大容量の16GBメモリに大容量SSDの充実した初期構成で、SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプを採用。さらに、自作で人気の高耐久マザーボード【X570 Steel Legend】を搭載するこだわりようです。予算重視ならおすすめ。
基本的にカスタマイズ不要ですが、SSDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームとデータの保存先を分けることができ、より便利になります。
RTX 3060 Ti搭載モデル
RTX 2080 SUPERに匹敵する性能の4K入門モデル
LEVEL-R0X6-R56X-SAXH(パソコン工房)
【スペック】
■OS:Windows 10
■CPU:Ryzen 5 5600X
■チップセット:X570チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-2666)
■グラボ:RTX 3060 Ti
■ストレージ:SSD 500GB(PCIe NVMe)
■電源:700W(80PLUS BRONZE)
■価格:159,980円(税別)~
コスパに優れたフル装備モデル
AMDの第4世代6コア12スレッドCPU・Ryzen 5 3600XとRTX 3060 Tiを搭載した、4K入門に最適なミドルタワーモデル。
大容量の16GBメモリに大容量デSSDの充実した初期構成で、SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプというこだわりよう。拡張性に優れたケースは、裏配線を採用しており、高いエアフローで冷却性はバツグン。コスパに優れたモデルに仕上がっています。
基本的にカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージ構成にすると、ゲームとデータの保存先を分けることができ、より便利になります。
GTX 1650搭載モデル
フルHD入門に最適なモデル
G-GEAR GA5A-E204/T(ツクモ)
【スペック】
■OS:Windows 10
■CPU:Ryzen 5 5600X
■チップセット:B550チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-2666)
■グラボ:GTX 1650
■ストレージ:SSD 500GB(PCIe NVMe)
■電源:550W(80PLUS BRONZE)
■価格:124,800円(税別)~
低価格のエントリーモデル
AMDの第4世代6コア12スレッドCPU・Ryzen 5 5600XとGTX 1650を搭載した、フルHD入門に最適なミドルタワーモデル。
大容量の16GBメモリに大容量SSDの充実した初期構成で、SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプを採用。性能重視のゲーミングPC入門モデルとしておすすめ。
基本的にカスタマイズ不要ですが、SSDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームとデータの保存先を分けることができ、より便利になります。
【番外編】G-Master Spear X570AⅡ(サイコム)
【スペック】
■OS:Windows 10
■CPU:Ryzen 7 3800XT(要カスタマイズ)
■チップセット:X570チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 2060
■ストレージ:SSD 512GB(PCIe NVMe)
■電源:750W(80PLUS GOLD)
■大型CPUクーラー搭載
■価格:192,620円(税・送料込)~
【上級者向け】自由自在にカスタマイズできる本格派モデル
ベースとなるモデルでは、8コア16スレッドのRyzen 7 3700XとRTX 2060を搭載し、WQHDでのゲーミングに最適な性能となっています。より高い性能を求めるなら、CPU・グラボのカスタマイズがまず必要です。
本格派のメーカーということで、初期構成もなかなかの充実ぶり。
まず、ケースはおなじみクーラーマスター製のミドルタワー【MasterBox CM694】を採用。フロントパネル全面はメッシュ加工がされ、通気性は抜群です。拡張性も高く、ツールレスなのでパーツの交換や増設もラクラク。さらに、グラボの固定ツールも装備しているので、マザーボードのスロットに負荷がかかりにくくなっています。
マザーボードは【GIGABYTE X570 AORUS ELITE】を搭載。ATXサイズの大型のマザーボードで、拡張性に優れています。
機能面は最新のトレンドをしっかり取り入れ、M.2スロットはGen.4に対応し、冷却用のヒートシンクを装備。また、グラボのスロットがスチール素材で補強され、グラボの自重でスロットが破損しにくくなっています。
さらに、安定性に優れたインテル製LANチップやニチコン製の高品質オーディオコンデンサも装備。ただし、なお、NVIDIAのマルチGPU【SLI】には非対応なので、SLI構成にしたい場合にはカスタマイズが必須となります。
また、電源も高品質のSilver Stone製750Wゴールドクラス電源を搭載。最大90%の電力変換効率を誇り、省エネ・低発熱の優れもの。全ケーブルが脱着可能なフルモジュラー式なので、使わないケーブルは取り外すことでケース内はスッキリ。エアフローもスムーズです。
ゲーミングPCは高い…とお悩みの方 必見!

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