- 第10世代と同じ8コア16スレッドながら、アーキテクチャ刷新で性能アップ
- 上位のCore i7-11700Kとの差は約10%前後で、ゲーミング性能は互角の場面もあり
- RTX 3070 Ti~RTX 3060のラインナップに搭載
アーキテクチャ刷新でさらにパワーアップ!第11世代のハイスペックCPU・Core i7-11700のスペックとおすすめBTOパソコンをチェックしてみましょう。
Core i7-11700のスペックまとめ
CPUの仕様と実際の性能をまとめました。
Core i7-11700の仕様
Core i9-11900K | Core i7-11700K | Core i7-11700 | Core i9-10900K | Core i7-10700K | Ryzen 7 5800X | |
コードネーム | Rocket Lake-S | Rocket Lake-S | Rocket Lake-S | Comet Lake-S | Comet Lake-S | Vermeer |
プロセスルール | 14nm++ | 14nm++ | 14nm++ | 14nm++ | 14nm++ | 7nm |
コア/スレッド | 8/16 | 8/16 | 8/16 | 10/20 | 8/16 | 8/16 |
動作クロック | 3.5GHz | 3.6GHz | 2.5GHz | 3.7GHz | 3.8GHz | 3.8GHz |
最大クロック | 5.3GHz | 5.0GHz | 4.9GHz | 5.3GHz | 5.1GHz | 4.7GHz |
倍率ロックフリー | 〇 | 〇 | ー | 〇 | 〇 | 〇 |
L3キャッシュ | 16MB | 16MB | 16MB | 20MB | 16MB | 32MB |
対応メモリー | DDR4-3200 2ch DDR4-2933 2ch | DDR4-3200 2ch DDR4-2933 2ch | DDR4-3200 2ch DDR4-2933 2ch | DDR4-2933 2ch | DDR4-2933 2ch | DDR4-3200 2ch |
PCIeレーン総数 | Gen.4×20 | Gen.4×20 | Gen.4×20 | Gen.3×16 | Gen.3×16 | Gen.4×20 |
内蔵GPU | UHD 750 | UHD 750 | UHD 750 | UHD 630 | UHD 630 | ー |
TDP | 125W | 125W | 65W | 125W | 125W | 105W |
※Core i7-11700Fは、内蔵グラフィック非搭載バージョンで、性能はCore i7-11700と同等です。
第11世代Coreシリーズとなる”Rocket Lake-S”でも、14nmの製造プロセスを継承。ルーツをたどると第7世代の”Kaby Lake”までさかのぼり、改良に改良を加えて最新世代に至ります。
第11世代の特徴は次の4点ですー
- CPUコアに”Cypress Cove”を採用
- 内蔵グラフィック機能をIris Xe Graphicsベースの”UHD 750”に刷新
- メモリコントローラーをDDR4-3200に対応
- PCI Expressを4.0に対応し、レーン数を20レーンに拡大
最大のポイントはCPUコアに”Cypress Cove”を採用したことですね。前世代に比べ、IPC(クロックあたりの命令実行数)は19%も向上。シングル性能にも磨きがかかり、ゲーミングに強いCPUとなっています。そのほか、メモリコントローラーやPCI Expressが、ライバルのRyzenシリーズと同等レベルに強化されています。
ちなみに、内蔵グラフィックの”UHD 750”は、前世代のUHD 630から演算ユニットが倍増し、約50%ほどパフォーマンスが向上しています。
Core i7-11700の性能をチェック

Core i7-11700Kは、前世代のCore i7-10700Kと同じ8コア16スレッド構成で、動作クロックが若干低いものの、TDPは125Wのまま据え置きです。Core i7-11700は下位バージョンで、クロックが低い分、TDPは65Wと低め。なお、K付きではないので、オーバークロックには対応していません。
なお、ライバルはAMDの第4世代8コア16スレッドCPU・Ryzen 7 5800Xとなります。以下RTX 3090・16GBメモリ(DDR4-3200)の組み合わせでベンチマークをチェックしてみましょう。
CINEBENCH R20
毎度おなじみ3Dグラフィックのレンダリング性能を測定するソフトです。最新となるR20ではよりマルチコアに最適化された、重量級のテストとなっています。
上位のCore i7-11700Kと比較してみると、シングル性能は約9%、マルチ性能は約8%差となり、Core i7-10700Kに匹敵するパフォーマンスとなっています。前世代と同じく8コア16スレッドCPUながら、IPCの向上により、着実に進化している印象です。
ライバルのRyzen 7 5800Xと比較してみると、シングル性能は約11%、マルチ性能は約20%もの差がつきます。Core i7-11700Kどころか、Core i9-11900Kでようやく肩を並べるレベルなので、Core i7-11700では太刀打ちできません。
Blender Open Data
こちらも同じく、3Dグラフィックのレンダリング性能を測定するソフトです。時間で測定しているため、短いほど優秀ということになります。
上位のCore i7-11700Kとは約8%差になっており、Core i7-10700Kよりも若干早くテストを完了。Ryzen 7 5800Xと比較してみると、約10%差をつけられています。
ただ、インテル勢が意外と健闘しており、Core i7-11700KがRyzen 7 5800Xと同等のパフォーマンスを発揮します。
7-Zip
マルチスレッドに最適化したファイルの圧縮/展開ツールです。ベンチマーク機能がついており、辞書サイズ・32MBで圧縮・展開スコアを比較しました。
Core i7-11700Kとの差は、圧縮では約7%、展開では約8%で、Core i7-10700Kと同等レベルとなっています。Ryzen 7 5800Xとはかなり大きく差がつき、圧縮では約22%、展開は約31%と、Ryzenシリーズの強さが際立ちます。
V-Ray Benchmark
こちらはフォトレンダリング処理性能を測定できるベンチマークソフトです。
Core i7-11700Kが有利なのは変わらず、約11%とやや大きめの差がつきます。ただ、Ryzen 7 5800Xには約17%差をつけられ、Core i9-11900Kでないと太刀打ちできません。
x265 HEVC Encoder
動画エンコードのベンチマークソフトです。フルHDのテスト動画をx265形式でエンコードした時間(秒)を測定しており、短いほど高速ということになります。
Core i7-11700Kとの差は約7%と、コンスタントに差がつきます。ただ、Ryzen 7 5800Xとの差は約27%にもなり、Core i9も相手になりません。
CPUの基本性能を重視するなら、Ryzenシリーズが正直おすすめです。
Rainbow Six Siege
かなり軽いため、レンダリング解像度を”100”にし、負荷を上げて測定しています。
クロックが低い分、Core i7-11700Kよりもfpsは伸びず、両者の差は平均fpsで約7%、最低fpsで約6%となっています。Core i7-10700Kにもあと一歩というところで及びません。
なお、Ryzen 7 5800Xはさらにその上を行き、Core i7-10700との差は約8~9%にもなります。基本性能だけでなく、ゲーミング性能も優秀です。
Death Stranding
クロックの高いCore i7-11700Kにしっかり差をつけられ、両者の差は平均fpsで約8%、最低fpsで約7%となり、Core i7-10700Kにも及ばず。
Ryzen 7 5800Xが驚異的な性能を発揮しており、Core i9-11900Kを超えるfpsをマーク。Core i7-10700との差は約11~17%にもなり、まったく相手になりません。
Borderlands 3
このゲームでは、Core i7-11700・Core i7-10700Kともほぼ同じfpsをマークしています。Core i7-10700KやRyzen 7 5800Xともほぼ互角で、Core i9-11900Kだけが頭一つ抜けてfpsが高くなっています。
Watch Dogs Legion
Borderlands 3と同じく、Core i7-11700・Core i7-11700K・Core i7-10700K・Ryzen 7 5800Xで横並びの状態です。ここでもCore i9-11900Kが頭一つ抜け出していますね。
消費電力
先の【Blender Open Data】実行時の消費電力を比較しました。
第10世代はなかなかの大喰らいでしたが、第11世代ではさらに消費電力が増えています。。それでもCore i7-11700はK付きで無い分だいぶマシで、Core i7-11700Kよりも約15%省エネになっています。
ただ、Ryzenシリーズは性能だけでなく省エネ性能も優秀で、Core i7-11700よりもさらに約5%低くなっています。Core i7-11700Kの燃費の悪さが、いっそう目立ってしまいます。
結局Core i7-11700はどうなの?
Core i7-11700Kとの差は、おおむね10%前後ですが、ゲーミング性能についてはほぼ互角の場面もあり、特にこだわりがなければCore i7-11700で十分。搭載モデルの価格も割安なので、なおさらですね。
なお、性能にこだわるなら、最新世代となる第12世代の12コア20スレッドCPU・Core i7-12700Kがおすすめ。コア・スレッド数が増加し、コアそのものの性能も向上しており、大幅にパワーアップしています。
Core i7-11700搭載のおすすめゲーミングPC
RTX 3060搭載モデル
WQHDでのゲーミングに最適なモデル
GALLERIA/ガレリア XA7C-R36 第11世代Core搭載(ドスパラ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-11700
■チップセット:H570チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 3060
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe)
■電源:650W(80PLUS BRONZE)
■大型CPUクーラー搭載
■価格:189,979円(税込)~
※実機モデルではRyzen 7 3700Xを搭載しています。
高品質ケースを採用したコスパモデル
インテルの第11世代8コア16スレッドCPU・Core i7-11700とRTX 3060を搭載した、WQHDでのゲーミングに最適なミドルタワーモデル。
16GBメモリに1TB SSDの非常に充実した初期構成で、SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプを採用。さらに大型のCPUクーラーを装備しており、冷却面も万全です。
曲線を用いた美しいケースは、裏配線&チャンバー構造を採用することで、高いエアフローを実現。さらに、LEDイルミネーションやクリアサイドパネルを搭載するこだわりようです。特にケースの完成度を重視する方におすすめ。
基本的にはカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームとデータ類の保存先を分けることができ、さらに便利になります。
G-Tune HM-B(G-Tune)
【スペック】
■OS:Windows 10
■CPU:Core i7-11700
■チップセット:B560チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 3060
■ストレージ:SSD 512GB(PCIe NVMe)
■電源:700W(80PLUS BRONZE)
■価格:197,780円(税込)~
サポート&保証重視ならG-Tuneがおすすめ
インテルの第11世代の8コア16スレッドCPU・Core i7-11700とRTX 3060を搭載した、WQHDでのゲーミングに最適なミニタワーモデル。16GBメモリに512GB SSDの充実した初期構成で、SSDは通常タイプよりも4~5倍高速のNVMeタイプを採用するこだわりようです。
また、ケースの完成度が高いのもポイント。ケース内部は電源とストレージを上部に集約した、”チャンバー構造”になっており、エアフローがとてもスムーズ。さらに、フロント部分にHDMI端子がついているので、VR機器の取り回しもかんたん。
ちなみに、G-Tuneは保証が充実しているのもポイント。G-Tuneでは延長保証が定額制で安く、例えば3年延長保証+センドバック修理保証に7,000円(税込)で加入することができます。また、24時間365日の電話サポート&96時間以内で修理完了が標準メニューとして用意されており、万が一でも安心です。
基本的にはカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームとデータ類の保存先を分けることができ、さらに便利になります。また、CPUの発熱対策としてCPUクーラーのカスタマイズをするのもあり。
RTX 3060 Ti搭載モデル
4K入門に最適なモデル
G-Tune HM-B-3060Ti搭載(G-Tune)
【スペック】
■OS:Windows 10
■CPU:Core i7-11700
■チップセット:B560チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 3060 Ti
■ストレージ:SSD 512GB(PCIe NVMe)
■電源:700W(80PLUS BRONZE)
■価格:208,780円(税込)~
上のG-Tuneのモデルを、RTX 3060 Tiにしたバージョン。価格が安く、サポートも充実しており、まずおすすめです。
基本的にはカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームとデータ類の保存先を分けることができ、さらに便利になります。また、CPUの発熱対策としてCPUクーラーのカスタマイズをするのもあり。
GALLERIA/ガレリア XA7C-R36T 第11世代Core搭載(ドスパラ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-11700
■チップセット:Z590チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 3060 Ti
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe)
■電源:650W(80PLUS BRONZE)
■大型CPUクーラー搭載
■価格:229,980円(税込)~
※実機モデルではCore i7-10700を搭載しています。
上のドスパラのモデルを、RTX 3060 Tiにしたバージョン。ケースのクオリティにこだわるならおすすめ。
基本的にはカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームとデータ類の保存先を分けることができ、さらに便利になります。
RTX 3070搭載モデル
RTX 2080 Tiに匹敵する性能の4K推奨モデル
GALLERIA/ガレリア XA7C-R37 第11世代Core搭載(ドスパラ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-11700
■チップセット:H570チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 3070
■ストレージ:SSD 512GB(PCIe NVMe)
■電源:650W(80PLUS BRONZE)
■大型CPUクーラー搭載
■価格:259,980円(税込)~
上のドスパラのモデルを、RTX 3070にしたバージョンです。
基本的にはカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームとデータ類の保存先を分けることができ、さらに便利になります。
RTX 3070 Ti搭載モデル
RTX 3070よりも約10%性能が高い4K推奨モデル
GALLERIA/ガレリア XA7C-R37T 第12世代Core搭載(ドスパラ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i7-12700
■チップセット:H670チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 3070 Ti
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe)
■電源:750W(80PLUS GOLD)
■大型CPUクーラー搭載
■価格:274,980円(税込)~
※実機モデルではCore i7-11700を搭載しています。
上のドスパラのモデルを、RTX 3070 Tiにしたバージョンです。
基本的にはカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームとデータ類の保存先を分けることができ、さらに便利になります。
【番外編】G-Master Spear Z590(サイコム)
【スペック】
■OS:Windows 10
■CPU:Core i7-11700K
■チップセット:Z590チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 3060
■ストレージ:SSD 512GB(PCIe NVMe)
■電源:750W(80PLUS GOLD)
■大型CPUクーラー搭載
■価格:238,050円(税込)~
【上級者向け】自由自在にカスタマイズできる本格派モデル
ベースとなるモデルでは、8コア16スレッドのCore i7-11700KとRTX 3060を搭載し、WQHDでのゲーミングに最適な性能となっています。もちろん、Core i7-11700にグレードを下げることも可能です。
本格派のメーカーということで、初期構成もなかなかの充実ぶり。
まず、ケースはおなじみクーラーマスター製のミドルタワー【MasterBox CM694】を採用。フロントパネル全面はメッシュ加工がされ、通気性は抜群です。拡張性も高く、ツールレスなのでパーツの交換や増設もラクラク。さらに、グラボの固定ツールも装備しているので、マザーボードのスロットに負荷がかかりにくくなっています。
マザーボードは鉄板メーカー・ASUSの【TUF GAMING Z590-PLUS WIFI】を搭載。チョークコイルやコンデンサなど重要部品をはじめ、各パーツが軍事規格に準拠しており、とにかくタフ。
また、金属プレートで補強された拡張スロットやM.2スロットのヒートシンクを装備し、最新の無線LAN規格・Wi-Fi 6にもしっかり対応しており、完成度の高さが光ります。
冷却の肝となるCPUクーラーは、毎度おなじみクーラーマスター製の【Hyper 212EVO V2】を採用。4本のヒートパイプでしっかり熱を吸収し、12cmの大型ファンで強力に発散します。
また、電源も高品質のSilver Stone製750Wゴールドクラス電源を搭載。最大90%の電力変換効率を誇り、省エネ・低発熱の優れもの。全ケーブルが脱着可能なフルモジュラー式なので、使わないケーブルは取り外すことでケース内はスッキリ。エアフローもスムーズです。
ゲーミングPCは高い…とお悩みの方 必見!

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