- E-コア非搭載の6コア12スレッドCPU
- Ryzen 5 5600Xを上回る性能ながら、搭載モデルの価格は割安
- RTX 3060 Ti~RTX 3050のラインナップに搭載
設計を一新して大幅にパワーアップ!第12世代ミドルクラスCPUの本命ともいえる、Core i5-12400のスペックとおすすめBTOパソコンをチェックしてみましょう。
Core i5-12400のスペックまとめ
CPUの仕様と実際の性能をまとめました。
Core i5-12400の仕様
Core i7-12700K | Core i5-12600K | Core i5-12400 | Core i7-11700K | Core i5-11400 | Ryzen 5 5600X | |
コードネーム | Alder Lake-S | Alder Lake-S | Alder Lake-S | Rocket Lake-S | Rocket Lake-S | Vermeer |
プロセスルール | 10nm | 10nm | 10nm | 14nm++ | 14nm++ | 7nm |
コア数 | 12(P8+E4) | 10(P6+E4) | 6 | 8 | 6 | 6 |
スレッド数 | 20(P16+E4) | 16(P12+E4) | 12 | 16 | 12 | 12 |
動作クロック | 3.6GHz | 3.7GHz | 2.5GHz | 3.6GHz | 2.6GHz | 3.7GHz |
最大クロック | 4.9GHz | 4.9GHz | 4.4GHz | 5.0GHz | 4.4GHz | 4.6GHz |
倍率ロックフリー | 〇 | 〇 | ー | 〇 | ー | 〇 |
L3キャッシュ | 25MB | 20MB | 18MB | 16MB | 12MB | 32MB |
対応メモリー | DDR5-4800 DDR4-3200 2ch | DDR5-4800 DDR4-3200 2ch | DDR5-4800 DDR4-3200 2ch | DDR4 -3200 DDR4-2933 2ch | DDR4 -3200 DDR4-2933 2ch | DDR4-3200 2ch |
内蔵GPU | UHD 770 | UHD 770 | UHD 730 | UHD 750 | UHD 730 | ー |
TDP | 125W | 125W | 65W | 125W | 65W | 65W |
TDP(PL2) | 241W | 150W | 117W | 251W | 154W | ー |
※Core i5-12400Fは、内蔵グラフィック非搭載バージョンで、性能はCore i5-12400と同等です。
第12世代Coreシリーズとなる”Alder Lake-S”は、前世代から大幅に進化。ポイントは下記の5点で、特に2~4番目が目玉メニューとなります。
- 製造プロセスが14nmから10nm(Intel 7)に微細化
- 性質の異なる2タイプのCPUコア(P-コア&E-コア)を採用
- メモリがDDR5規格に対応
- PCI Express 5.0に対応
- 内蔵グラフィック機能がIris Xe Graphicsベースの”UHD 770”にグレードアップ
まず、CPUコアは、処理性能重視の”P-コア(Performance)”と電力効率重視の”E-コア(Efficient)”の2タイプを搭載。高負荷の作業はP-コアに、軽作業はE-コアにタスクを割り振り、場合によっては両者を併用することで、ケースバイケースで効率よくタスクを処理できるのが強みです。
なお、タスクの割り当ては、Windows 11のタスクスケジューラで最適化されるため、フルに性能を引き出すにはWindows 11が必要になります。もちろん、コアそのものの性能も上がり、メインとなるP-コアは約19%性能が向上。コア・スレッド数の増加も相まって、前世代から大幅に性能が向上しています。
そして、メモリとPCIe Expressは、いずれも最新規格に刷新。DDR5メモリは、現行のDDR4メモリに比べ約1.5倍の帯域幅を持ち、処理速度がさらに向上します。
また、PCIe Expressは5.0は、現行のPCIe 4.0に比べ2倍の帯域幅を持ち、グラフィクスやSSDの性能をさらに引き上げることが期待されます。ただし、現状はPCIe 4.0対応デバイスがようやく普及し始めたレベルなので、PCIe 5.0が本領発揮するのは、しばらく後になりそうです。。
Core i5-12400の性能をチェック
Core i5-12400は、P-コアのみでE-コアを搭載せず、前世代のCore i5-11400と同じ6コア12スレッド構成となっています。また、内蔵グラフィックも、UHD 770ではなく、UHD 730を搭載しています。UHD 730は、従来のUHD 630の発展型ということで、UHD 770よりも性能は低めです。
なお、Core i5でP-コアとE-コアを搭載しているのは、最上位のCore i5-12600Kのみ。Core i5はあくまでもスタンダードCPUということで、下位モデルについては割り切っていますね。
なお、ライバルはAMDの第4世代6コア12スレッドCPU・Ryzen 55600Xとなります。以下、Windows 11・RTX 3090・16GBメモリ(DDR4-3200/Core i9-12900KのみDDR5-6000)の組み合わせでベンチマークをチェックしてみましょう。
CINEBENCH R23
毎度おなじみ3Dグラフィックのレンダリング性能を測定するソフトです。最新となるR23ではよりマルチコアに最適化された、重量級のテストとなっています。
従来と変わらない6コア12スレッド構成ですが、Core i5-12400はCore i5-11600Kを上回り、シングルスコアは約12%、マルチスコアは約11%差をつけています。
なお、Core i5-12600KとCore i5-12400との性能差は、シングルスコアでは約11%と小さめですが、マルチスコアで約45%とかなり大きくなっています。その実力はRyzen 7 5800Xをも超え、E-コア+高クロック動作により、高いパフォーマンスを実現しています。
ライバルのRyzen 5 5600Xと比較してみると、シングルスコア・マルチスコアともに約13%高くなっています。長らくミドルクラスCPUのトップだったRyzen 5 5600Xを上回るのは快挙です。
Blender Open Data
こちらも同じく、3Dグラフィックのレンダリング性能を測定するソフトです。時間(秒)で測定しているため、短いほど優秀ということになります。
Core i5-12400とCore i5-11600Kとの差は、約1%と誤差レベル。一方、Core i5-12600KとCore i5-12400との差は約29%と大きく、K付きCPUのパフォーマンスの高さが光っています。
なお、ライバルのRyzen 5 5600Xには約2%と、僅差ながら上回っています。
7-Zip
マルチスレッドに最適化したファイルの圧縮/展開ツールです。ベンチマーク機能がついており、辞書サイズ・32MBで圧縮・展開スコアを比較しました。
テストによって結果がまちまちで、圧縮はCore i5-12400が約2%上回り、展開ではCore i5-11600Kが約14%上回っています。また、Core i5-12600KとCore i5-12400との差は、圧縮では約15%ですが、展開では約58%とかなり大きく差がつきます。
一方で、Ryzenシリーズのスコアの伸びがとてもよく、Ryzen 5 5600XがCore i5-12400を逆転。その差は圧縮で約14%、展開では約37%と大きめです。
V-Ray Benchmark
こちらはフォトレンダリング処理性能を測定できるベンチマークソフトです。
上のテストではイマイチ振るわなかったものの、このテストでは持ち直し、Core i5-12400がCore i5-11600よりも約21%高いスコアをマーク。なお、Core i5-12600KはCore i5-12400に約23%差をつけ、やはり性能の高さが光ります。
もちろん、Ryzen 5 5600Xを上回り、約17%差をつけています。
x265&x264 Encoder
動画エンコードのベンチマークソフトです。フルHDのテスト動画をx265&x264形式でエンコードした時間(秒)を測定しており、短いほど高速ということになります。
Core i5-12400は、Core i5-11600Kよりも約16%早く変換を完了しています。なお、Core i5-12600KとCore i5-12400との差は約26%と大きく、Ryzen 7 5800Xを上回るほどで、ミドルクラスCPUにしては破格の性能となっています。
また、Ryzen 5 5600Xとの差は約4%と、わずかながら上回っています。
x264とほぼ同じ結果となり、Core i5-12400とCore i5-11600Kとの差は約16%、Core i5-12600Kとの差は約22%、Ryzen 5 5600Xとの差は約7%となっています。
Rainbow Six Siege
かなり軽いため、レンダリング解像度を”100”にし、負荷を上げて測定しています。
第12世代はゲームにも強い!Core i5-12400の平均fpsは、Core i5-11600Kから約29%と大幅に向上し、前世代のCore i7-11700Kにも匹敵するほど。Core i5-12600KとCore i5-12400は、約8%程度となっています。
なお、Ryzenシリーズのゲーム性能も高く、Ryzen 5 5600XがCore i5-12400を上回り、約11%差をつけています。
Far Cry 6
このゲームは特に第12世代インテルCPUが強く、Core i5-12400はCore i5-11600Kに平均fpsで約15%差をつけています。また、Ryzenシリーズを上回り、Ryzen 5 5600Xとの差は、約10%となっています。
なお、Core i5-12600KとCore i5-12400の差は約11%と、おおむね10%前後といったところです。
Watch Dogs Legion
Core i5-12400とCore i5-11600Kとの差は、平均fpsで約13%と、コンスタントに差をつけています。一方、Core i5-12600KとCore i5-12400の差は、約5%とかなり小さくなります。
なお、Ryzen 5 5600Xを下回るものの、その差は約2%と誤差レベルです。
Cyberpunk 2077
ほかのゲームに比べ横並びとなっており、Core i5-12400とCore i5-11600Kとの差は、平均fpsで約7%とやや小さくなります。また、Core i5-12600KとCore i5-12400の差も、約5%とこちさも小さめですね。
なお、再びRyzen 5 5600Xを上回るものの、その差は約2%とかなり小さく、ほぼ互角です。
消費電力
先の【Blender Open Data】実行時の消費電力を比較しました。
Core i5-12400はワットパフォーマンスに優れており、消費電力はCore i5-11600Kより約30%も少なくなっています。また、Core i5-12600KとCore i5-12400の差は約28%と、性能分だけきっちり少なくなっています。
なお、Ryzen 5 5600Xもなかなか省エネCPUで、Core i5-12400からさらに約8%下回っており、ワットパフォーマンスは互角レベルといったところ。第11世代に比べ、燃費の悪さは大幅に改善されています。
結局Core i5-12400はどうなの?
6コア12スレッドで据え置きながら、コアの性能が向上し、前世代のCore i5-11600Kから最大約30%パワーアップ。その実力は、ライバルのRyzen 5 5600Xを上回り、ワットパフォーマンスもほぼ互角。さらに、搭載モデルの価格も割安になっており、まさにミドルクラスの本命CPUといったところですね。
なお、Core i5-12600Kはもはや別物。どちらかというと、自作向けのCPUとなっており、取り扱いはサイコムなど、一部のメーカーに限られています。
大きく性能が向上したCore i5-13400搭載モデルはこちらをチェック。
CPU単品ならこちらがおすすめ
Core i5-12400搭載のおすすめゲーミングPC
RTX 3060 Ti搭載モデル
WQHDでのゲーミングに最適なモデル
LEVEL-M06M-124-SAX(パソコン工房)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i5-12400
■チップセット:B660チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 3060 Ti
■ストレージ:SSD 500GB(PCIe NVMe)
■電源:700W(80PLUS BRONZE)
■価格:164,800円(税込)~
格安のRTX 3060 Ti搭載モデル
インテルの第12世代6コア12スレッドCPU・Core i5-12400とRTX 3060 Tiを搭載した、WQHDでのゲーミングに最適なミニタワーモデル。16GBメモリに500GB SSDの充実した初期構成となっています。
RTX 3060 Ti搭載モデルで16万円台は非常に安いですね。
基本的にはカスタマイズ不要ですが、最近のゲームは容量が増えているので、1TBあるとより安心。また、HDDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームとデータ類の保存先を分けることができ、さらに便利になります。
G-GEAR GA5J-B221/B2(ツクモ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i5-12400
■チップセット:B660チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 3060 Ti
■ストレージ:SSD 1TB(PCIe NVMe)
■電源:750W(80PLUS GOLD)
■価格:182,200円(税込)~
インテルの第12世代6コア12スレッドCPU・Core i5-12400とRTX 3060 Tiを搭載した、WQHDでのゲーミングに最適なミニタワーモデル。
16GBメモリに1TB SSDの非常に充実した初期構成となっており、最大90%の電力変換効率を誇るゴールドクラス電源を搭載しています。前面がメッシュ加工されたケースは、通気性と冷却能力に優れ、拡張性もバツグン。クオリティ重視ならおすすめです。
基本的にカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームは高速のSSDに、データ類はHDDに保存する使い分けができ、より便利になります。
RTX 3060搭載モデル
WQHDでのゲーミングに最適なモデル
LEVEL-M06M-124-RBX(パソコン工房)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i5-12400
■チップセット:B660チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 3060
■ストレージ:SSD 500GB(PCIe NVMe)
■電源:700W(80PLUS BRONZE)
■価格:149,800円(税込)~
先に紹介したパソコン工房のモデルをRTX 3060を搭載したバージョンで、WQHDでのゲーミングに最適。最新のゲームをまんべんなく楽しむのであれば、このクラスは欲しいところです。
基本的にはカスタマイズ不要ですが、最近のゲームは容量が増えているので、1TBあるとより安心。また、HDDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームとデータ類の保存先を分けることができ、さらに便利になります。
G-GEAR GA5J-B221/B2(ツクモ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i5-12400
■チップセット:B660チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 3060
■ストレージ:SSD 500GB(PCIe NVMe)
■電源:500W(80PLUS BRONZE)
■価格:163,500円(税込)~
先に紹介したパソコン工房のモデルをRTX 3060を搭載したバージョンで、WQHDでのゲーミングに最適。なお、初期構成は、500GB SSDとブロンズクラス電源になっています。拡張性を重視するならおすすめ。
基本的にカスタマイズ不要ですが、HDDを追加してデュアルストレージにすると、ゲームは高速のSSDに、データ類はHDDに保存する使い分けができ、より便利になります。
RTX 3050搭載モデル
DLSSに対応したフルHDでのゲーミングに最適なモデル
G-GEAR GA5J-B221/B2(ツクモ)
【スペック】
■OS:Windows 11
■CPU:Core i5-12400
■チップセット:B660チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 3050
■ストレージ:SSD 500GB(PCIe NVMe)
■電源:550W(80PLUS BRONZE)
■価格:144,800円(税込)~
先に紹介したパソコン工房のモデルをRTX 3060を搭載したバージョンで、フルHDでのゲーミングに最適。なお、5,000円の価格差ということであれば、性能が大きく向上するRTX 3060搭載モデルがおすすめ。
基本的にカスタマイズ不要ですが、最近のゲームは容量そのものも増えているので、SSDは1TBあると安心。また、HDDを追加してデュアルストレージ構成にすると、ゲームとデータの保存先を分けることができ、さらに便利になります。
【番外編】G-Master Spear Z690(サイコム)
【スペック】
■OS:Windows 10
■CPU:Core i7-12700K
■チップセット:Z690チップセット
■メモリ:16GB(DDR4-3200)
■グラボ:RTX 3060
■ストレージ:SSD 512GB(PCIe NVMe)
■電源:750W(80PLUS GOLD)
■大型CPUクーラー搭載
■価格:260,800円(税込)~
【上級者向け】自由自在にカスタマイズできる本格派モデル
ベースとなるモデルでは、12コア20スレッドのCore i7-12700KとRTX 3060を搭載し、WQHDでのゲーミングに最適な性能となっています。もちろん、CPUはアップグレードする必要があります。
本格派のメーカーということで、初期構成もなかなかの充実ぶり。
まず、ケースはおなじみクーラーマスター製のミドルタワー【MasterBox CM694】を採用。フロントパネル全面はメッシュ加工がされ、通気性は抜群です。拡張性も高く、ツールレスなのでパーツの交換や増設もラクラク。さらに、グラボの固定ツールも装備しているので、マザーボードのスロットに負荷がかかりにくくなっています。
マザーボードは、コスパの高さで人気を誇るAsRockの【Z690 Steel Legend】を搭載。ゲーミングモデルでは何よりも安定性が重要となりますが、VRMは14電源フェーズ設計となっており、CPUに安定して電力を供給できます。
また、グラボ用のPCIeスロットは金属で補強され、破損に強くなっているほか、熱くなりがちなM.2スロットには金属のヒートシンクを標準装備する徹底ぶり。もちろん、いずれのスロットも最新の高速規格”PCIe 4.0”に対応しています。
そのほか、ゲームで安定した通信環境を実現する”Dragon 2.5Gb/s LAN”や、迫力&臨場感のあるサウンドを楽しめる”Nanimic Audio”を採用するなど、ゲーミング要素もしっかり押さえているのもいいですね。
冷却の肝となるCPUクーラーは、世界屈指の空冷最強メーカー・Nocture製の【NH-U12S redux】を採用。4本のヒートパイプでしっかり熱を吸収し、12cmの大型ファンで強力に発散します。
また、電源も高品質のSilver Stone製750Wゴールドクラス電源を搭載。最大90%の電力変換効率を誇り、省エネ・低発熱の優れもの。全ケーブルが脱着可能なフルモジュラー式なので、使わないケーブルは取り外すことでケース内はスッキリ。エアフローもスムーズです。
ゲーミングPCは高い…とお悩みの方 必見!

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