新技術で量子コンピュータの実用化が加速!その仕組みとできることは?

東京大学が量子コンピュータの実現に不可欠な「量子テレポーション」による情報の瞬間移動を無制限に繰り返す技術の開発に成功したという報道がありました。「従来のコンピュータより1億倍以上速い」といわれる夢のコンピュータの仕組みやできることについてまとめてみました。

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量子コンピュータとは?

従来のコンピュータではデータの最小単位を「ビット」として表し、トランジスタというスイッチで「0」と「1」を単純に切り替えることによって計算をしています。その単純な計算を組み合わせて増やすことにより、複雑な計算、例えばゲームをプレイしたりすることができるようになります。

技術の進歩で小型化が進み、トランジスタの大きさも14nm(ウイルスよりも小さい)まで小さくなるとある問題に直面します。それが「物質の量子化」で、物理法則が通用しなくなります。小さすぎて電子が壁を通り抜けてしまい、機械として機能しなくなってしまうのです。

そこで考えられたのが量子力学の理論をもとにした量子コンピュータです。量子コンピュータでは、0と1の2つの状態を同時にとれる「量子ビット」という粒子を利用します。つまり、1ビットで「00」「01」「10」「11」を同時に計算できるのです。たとえば20個の量子ビットを使えば約100万通りの計算を並列処理することもできます。「量子テレポーション」という量子ビット同士で瞬時に情報を並列処理することで、計算速度を劇的に向上しているのです。

量子コンピュータにできること

高性能で何でもできそうな感じがしますが、専用計算機として従来のコンピュータに接続して活用する使い方が考えられています。

高速な計算性能を生かし、膨大なデータの分析やシミュレーションが必要とされる分野での活用が考えられます。たとえば医療では新薬の開発、ビジネスではビッグデータからのマーケティングデータ作成といったようなことが短時間でできるようになります。さらにAI(人工知能)を導入することでその精度が飛躍的に向上する可能性も秘めています。

ただ一方で情報セキュリティ分野では、ネット上での情報を公開鍵暗号を用いて保護していますが、量子コンピュータでは短時間で解読されてしまうなどのリスクもあります。

実用化はいつ?

古澤教授率いる東大チームが開発した新技術で、情報の瞬間移動である「量子テレポーション」に必要な量子の組み合わせを無制限に作り出すことが可能になりました。量子コンピュータの実現に向けて大きく前進したといえるでしょう。

ただ技術的には克服する点が多く、古澤教授によると実用化は20年後とのこと。長いようですが、2100年頃といわれていたころからするとその進歩には目を見張るものがありますね。

ちなみに、カナダのメーカーであるD-wave社が2011年に量子コンピュータを実用化し、販売までこぎつけています。ただ汎用型ではなく特定の問題に的を絞った専用の量子コンピュータなので、厳密にいうと別物です。

まとめ

あらゆる分野で大きく貢献するであろう量子コンピュータですが、情報セキュリティ面では不安を抱えています。とはいうものの実用化はまだ先なので、なかなかにイメージが難しい。。ただAIとともに目が離せない分野であるのは間違いないでしょう。

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